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神野 美和 院長の独自取材記事

みわホームクリニック

(東海市/太田川駅)

最終更新日:2019/08/28

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季節の花があふれる花壇が迎えてくれる「みわホームクリニック」。神野美和(じんの・みわ)院長は「この花壇は地域の友人が作ってくれたんですよ」と目を細める。日本糖尿病学会糖尿病専門医の資格を所有する院長が得意とするのは、糖尿病治療。患者の生活にとことん寄り添う治療姿勢は、多くの人から信頼を得てきた。またホームドクターとして幅広い疾病の治療にもあたっており、昨今では在宅医療を推進し、看取りにも力を入れる。「自分の生活経験を重ねながら、すべての世代の人を支えたい」と語る院長に、ホームドクターとして地域の人々や地域医療への思いを語ってもらった。(取材日2019年5月29日)

いろんな偶然が重なって進んだ医学の道。そして開業へ

医師になり、こちらで開業された経緯を教えてください。

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もともと強い思いがあって医師になったわけではないのですが、憧れの人を追いかけるという不純な動機で(笑)、薬学部に進学しました。ところが薬学部の実習をしている時に、更に人と関わりたいという思いが強くなり、医学部をめざすことにしたのです。それで誰にも言わずに勉強を重ね医学部を再受験し、何とか合格。両親にも友達にもびっくりされましたが、今となっては私は医師になって良かったと思っています。その後、勤務医としての経験を経て夫の地元で開業することになりました。開業当時、駅ができるタイミングで周辺の開発も進められていましたし、私自身子どもが小学校に上がるタイミングで、PTAなどを通じて地域とのつながりもできて、地域に根差したクリニックづくりの良いスタートになりました。振り返ってみると、人生っていろんなことがいろんなきっかけで大きく変わるものだなあとしみじみしますね。

先生は日本糖尿病学会認定の糖尿病専門医でいらっしゃいますが、糖尿病の患者さんは多いですか?

今いらしている患者さんの半数が糖尿病の治療をしていらっしゃいます。そもそも糖尿病では、初期は自覚症状がないことが多く、検診で異常を指摘されて来院される方が多いですね。もう一つは、企業との連携で糖尿病の発見や治療へつなげるパターンです。このエリアには鉄鋼系の大手メーカーなどが多く、社員の糖尿病やそれに伴う教育入院は、企業にとって悩みの種でした。入院中は人員不足になってしまいますからね。そこで私が企業へアプローチして、入院しなくても治療を進められる方法があることをお伝えし、糖尿病の社員さんをご紹介いただくようにしました。例えば3ヵ月と期間を決めて明確な数値目標を定め、結果を出すことで信頼していただいてます。

糖尿病の治療はどういったものですか?

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とにかく患者さんに寄り添い、患者さんの考え方や生活習慣を観察し、理解することから始めます。長く関わりながら変化を見ていくので、薄っぺらいアドバイスだけではどうにもならないんです。食事や運動習慣を変えていくには、患者さんが無理なくできることを続けていくしかありません。とにかく治療や通院を途中で離脱してしまわないように、まずは糖尿病という病気の実態、恐ろしさをきちんと理解してもらいます。それから、来院していただいたらとにかく褒めます(笑)。たとえ目標どおりにいかなくても「頑張ったね」と声かけして、患者さんのモチベーションを維持できるように努めています。

生活者の目線に立った、現実的な糖尿病治療

糖尿病について治療ノウハウのある専門スタッフがおられるそうですね。

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フットケアについて勉強したスタッフがいます。糖尿病になると足のタコやウオノメから感染し、ひどい場合には脚を切断してしまう事例があるんです。それで糖尿病治療にはフットケアも大切だということで、スタッフに勉強してもらいました。また、栄養士や看護師も糖尿病について詳しい知識を持っており、私以外のスタッフにも相談できる体制をつくっています。診療室とは別にカウンセリングルームもあり、ここでは個別の食事指導や運動指導を受けることができます。

糖尿病の啓発セミナー、健康教室も好評だとお聞きしました。

「ヘルスアップセミナー」と題して、年に3回ほど開催しています。具体的でない話は聞いてもピンとこないと思うので、とにかく実践しやすく、ビジュアルに訴える内容にしようと工夫しています。糖尿病の患者さんは、菓子パン好きな方が多いんですよね。そこで菓子パンの砂糖の量を実際に見てもらったり、清涼飲料水の砂糖の量や、体についた脂肪の量なども、実際の重さを実感してもらったり、3ヵ月で5%の減量を目標に、患者さんでチームを組んで競い合ったこともあります。80kcalを減らすための小さな提案を何十個もカードにまとめて、それをクリアするうちに減量できてしまうという方式です。1日3項目、合計240kcalの削減をめざして、「コーヒーの砂糖とミルクを抜く」など地道に取り組んでもらいました。ほかには地元のレストランとコラボレーションして、600kcalのフルコースを作り、みんなで試食したこともあります。

生活者の目線に立った、実践的な取り組みをされているんですね。

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糖尿病をあなどると歯周病や視力を失うなど、大変な目に遭います。そんなことにならないように、治療を進めていきたいですし、歯科や眼科とも連携しています。患者さんには血管が砂糖水に漬かっている状態で、さびたり、破れたり、詰まったりしたら困るよね、と再三伝えているんです。それでも生活というのは簡単には変えられないですから、無理強いはしません。私も夫と晩酌するのが趣味なので、患者さんにも「禁酒しなさい」とは絶対言いませんよ(笑)。おいしいお酒を飲むために、週末の飲み会に出るために、代わりにどこか節制しようというアプローチです。1週間で7戦全勝は無理でも、4勝3敗には持っていこう、というのをスローガンにしています。

患者の人生に共感し、全世代とともに歩むクリニックに

先生の診療におけるモットーは何ですか?

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自分も患者さんもどんどん年齢を重ね、医療もどんどん変化していくのを感じます。そういった流れの中で、時代に沿った診療をするのはもちろん、自分自身の経験を重ねながら患者さんに向かい合っていきたいと思っています。例えば開業当初は子どもも小さかったですから、若いママの気持ちが痛いほどわかりました。年を重ねるごとに、親の心配をするのも実感できますし、わが家はまだですが、これからお姑さんにも共感を覚えるようになるんだと思います。自分の生活者としての実感を持って、いろいろな立場や抱えるものがある患者さんに寄り添っていきたいです。「相談したら、何か解決の糸口が見える」そんな存在でありたいと思っています。もちろん、体のこと健康のことは、糸口ではなく解決・改善できるように尽力しますよ。

今後、このクリニックをどんな場所にしていきたいですか?

先ほどご説明した糖尿病治療はもちろんなんですが、基本的には「全世代を診るホームクリニック」をめざしています。お母さん世代が子どもを連れてきて、自分もかかるようになって、親も引っ張ってくる……そんなふうに信頼の和を広げていけたらと感じています。その意味では、昨今在宅医療の重要性が増しているので、積極的に往診も引き受けています。人が最後まで自分らしく尊厳を持って人生を終えられるようにサポートする、というのは医療の大きな役目だとも感じています。それを支える家族は大変でしょうし、そうした患者さんの周囲も支えながら、医師として少しでもより良い看取りに関われたら良いなと考えています。

最後に読者にメッセージをお願いします。

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小さな子どもを抱えて働く大変さもわかりますし、反抗期の息子に手を焼く気持ちもわかります。衰える親の心配をする気持ちも共感しますし、ダメだと思ってもお酒を飲んでしまうのもよく理解できます。私自身が生活者として感じることをベースに、来院された方と同じ目線で話したいと思っています。体の不調はもちろんですが、そうではない悩み事も「みわホームクリニック」だったら話せると思っていただけるように努めています。そして帰る時には何か少しでも負担が減って、元気になれれば良いなと思います。クリニックの外には地元のお友達が作ってくれた小さな花壇もあるので、少しでも心の緊張を解いて安らげる時間を持っていただければ幸いです。

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