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川口 護 院長の独自取材記事

かわぐち歯科クリニック

(箕面市/豊川駅)

最終更新日:2019/08/28

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阪急北千里駅からバスで10分ほどの「かわぐち歯科クリニック」は閑静ながらスーパーなど充実した住宅街にある。小児歯科に重点をおいていることもあり、幼稚園から小学校低学年の子どもの患者が中心だが、キッズスペースがなく、おもちゃも置いていない。「歯科医院を嫌いにならず、診療室は自分が一番認めてもらえる場所だと感じてもらいたい」という院長のこだわりが生んだスタイル。「小児歯科に保護者への育児支援も望まれる中で、負担が少ない効率的な虫歯予防を」と提唱する川口院長に診察時の工夫や将来の展望を聞いた。
(取材日2017年10月30日)

必要なのはキッズルームではなく、信頼関係

弧を描くようにカーブした長椅子が壁際にあって、ゆったりした待合室ですね。

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人が集まる円形広場のイメージです。当院の患者さんは、7割が15歳以下の小児歯科の対象年齢で、2割がそのご家族、1割が一般の成人という割合で、ご家族3~4人で健診に来られることも珍しくありません。ゆったりと過ごせる空間づくりを心がけました。当院は小児歯科に重点を置くクリニックですが、待合室にはキッズルームを設けていません。必要ないと考えたからです。確かに遊べるスペースがあると楽しいかもしれませんが、かえって診察室との間にギャップをつくってしまい、入る前から診察室は楽しくない場所という印象を与えてしまう恐れがあります。おもちゃも置いていないし、喜びそうな飾り付けもしていませんが、ここに来るのを楽しみにしてくれているんですよ。

おもちゃがなくても、子どもたちが通院を嫌がらないのはどうしてなのでしょう?

子どもは大人が思う以上に、賢く洞察力があるので、遊ぶところではなく歯を治療する医療機関だとちゃんと認識していますので、痛みがある治療を「痛くない」と噓をついたり、おもちゃでごまかしたりするようなことをしません。子どもの目線の高さに合わせ、幼稚園や学校のことなど話をしながら、信頼関係を深める診療を基本にしています。泣いたり暴れたりする子の場合、保護者や歯科衛生士には一旦外に出てもらって、一対一で向き合い、何のためにきたのか、必要なことは何かをじっくり話します。4、5歳の子なら、治療ができないということは、ほとんどありませんよ。

治療を嫌がらないどころか、診察室に入るのを楽しみにしている子もいるそうですね。

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診察室が子どもにとって一番、面白い場所であることが大切だと思っています。面白いというのは、遊びの意味ではありません。自分が成長できる場所、達成感が得られる場所、自分が認めてもらえる場所だから診察室が好きになるのです。治療で何か新しくできたことがあれば、スタッフみんなで褒めます。褒めるというのは、耳障りのいい言葉でご機嫌を取ることではありません。できるようになったことを認めて「よく頑張ったね」とこちらもうれしいことを伝えます。怒らないといけないときもありますが、それは私ひとりが引き受けるようにしていて、1回の受診の中でできるだけ何か1つは「できた」を持ち帰ってもらい、みんなで褒めるようにしています。できたことを認められると自信につながり、次の新しいステップをめざすようになります。その積み重ねによって子どもは成長していき、治療もやりやすくなるという好循環が生まれるのです。

虫歯予防の効率化も育児支援の一環

育児支援という観点も視野に入れ、小児歯科診療をされているそうですね。

昔は、待合室でうたた寝しているお母さんを見ると、「子どもが頑張っているのだから、ちゃんと見てあげたらいいのに」と思いましたが、子どもとずっと一緒にいるお母さんは、24時間365日、仕事をしているようなものです。私も14歳から6歳までの4人の息子がいるので、少しは理解しているつもりですが、朝は早起きして家族の弁当を作り、子どもの相手をしながら家事をこなし、待合室で過ごす間だけがやっと1人になれる時間なのかもしれません。時間にゆとりがない状態では、褒めて育てたいと思っていてもなかなかできません。褒める材料を見つける余裕がないどころか、イライラして怒ってばかりということも。少しの待ち時間でもリラックスでき、治療を頑張った子どもに褒めるきっかけができれば、「〇〇ちゃんが頑張ったから、お母さんも帰ったら夕ご飯の支度を頑張るね」と笑顔が生まれると思うのです。

お母さんの負担が少しでも軽くなるようなホームケアを指導されていると聞きました。

ただでさえ育児が大変なのに、歯科医院から教科書どおりに指導をされても、完璧にホームケアを実現するのは難しいです。私のコンセプトは、「いかに頑張らず効率的に虫歯を予防するか」お母さんに指導するときは、虫歯ができそうな場所を教えて「時間がないときは、ここだけでもいいので歯磨きしてください」と、なるべく負担がかからない、効率的なやり方を勧めます。子どもたちには「3日坊主でいいから、まずはここだけ磨こう」と言います。子どもに応じてハードルの高さを調整し、実際に達成できる目標を設定することが大事で、あとは来院してくれたときにメンテナンスをすればいいと考えています。今後の課題は、中高生のデンタルケアですね。思春期になると親から手が離れ、歯科医院からも足が遠のき、虫歯のリスクが高まります。中高生が来院しやすい環境づくりを進めようと考えています。

治療の際に心がけていることは何ですか?

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子どもが歯科医院を嫌いになる一番の理由は、何をされているかがわからないという恐怖心があるからです。恐怖心が高まれば痛みのレベルも上がってしまいますから、子どもたちにはあらかじめ、何をするのか説明します。レントゲンや口腔内の写真をモニターで見せて、虫歯になった理由を説明し、口内で水やエアを吹きかける口腔洗浄機や、水を吸うバキュームがどのようなものか理解してもらうため、処置をする前に手のひらで実際に水や空気を感じてもらったり、水を吸い取ったりします。手鏡を持って、実際に治療した様子を見てもらうこともあり「可視化」することで歯科に対する恐怖心をほぐします。

子どもたちへの予防歯科こそ「究極の予防歯科」

歯科医師を志したきっかけを教えてください。

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3人きょうだいの末っ子として生まれ育ちました。兄弟と10歳以上も離れていて、父にとっては孫のような感覚だったのでしょうね。自由奔放にやらせてくれました。小学校から高校まではアルペンスキーに熱中し、国体やインターハイにも出場しましたが、高校2年生の終わりに近づいた頃に父が、「医療に携わる仕事をしてほしい」と私に話したのです。父は呉服店などを経営する商売人で、「手に職を」という親心があったのだと思います。それまでは「こうしろ、ああしろ」と言わなかった父の一言だったため「息子には医学で社会貢献できる人間になってほしい」という思いがなおさら胸に響き、歯科医師になることを決めました。

小児歯科に重点を置かれた理由は?

学校の先生になりたいと思っていたこともあったくらい子どもが好き、というのが一番の理由で、大学5年生の頃には方向を定めていました。卒業後は、いろいろと見学させていただいた結果、診療のときに泣いている子どもが少ないことに感動して大阪大学の小児歯科講座にお世話になることに決めました。5年間、主に細菌学の研究をしながら臨床経験を積んで2003年から大阪・千里中央にある「一般財団法人サンスター財団・サンスター歯科診療所」の小児歯科に勤務しました。このときから箕面市で暮らし始めた縁で、2009年に界隈に子どもが多いというのが決め手となりここで開業しました。

小児歯科医師としての喜びを感じるのはどんな時ですか?

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お母さんお父さんと一緒に、子どもたちの成長を見せてもらえることがうれしいです。先日、勤務医時代に担当していた女の子がお母さんになって、子どもを連れて来院してくれました。初孫を見るって、こんな気分なのかなと思いましたね。小さい時から診察していた子どもたちが20歳になったら、一緒に飲み屋に行くこともあります。将来のことや恋愛の話も聞けて最高ですよ。私は、「子どもたちへの予防歯科は、究極の予防歯科」だと思っています。子どもの頃から、口の中を大切にする気持ちを育て、予防の習慣が身に付けば、一生、口の中のことで悩まされない人に育てることができるからです。これからも、信頼関係を大切にした小児歯科診療を通じて、お口の健康を守るのはもちろん、子どもたちの健やかな成長を見守っていきたいと思っています。

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供を行っております。
カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)については、効果・効能に関して個人差があるため、 カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)を用いた治療を行う場合は、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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