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大澤 洋之 院長の独自取材記事

彩花クリニック

(深谷市/小前田駅)

最終更新日:2021/10/12

大澤洋之院長 彩花クリニック main

待合室には、色とりどりの熱帯魚が泳ぐアクアリウム。いつの時期でも季節の花が飾られ、ハロウィンやクリスマスには、親子連れに人気の本格的なイベント装飾が登場する。小前田駅より徒歩10分の「彩花クリニック」は、そんな楽しい工夫にあふれたクリニックだ。院長は、地元出身の大澤洋之先生。十数年間、埼玉医科大学病院の産婦人科に勤務した後、2009年に開院。内科・小児科・婦人科を掲げ、生後5日の新生児の相談から生理痛の悩み、年配者の生活習慣病まで、広く診療を行っている。大澤院長に、診療の際に大事にしていることや地域への思いを聞いた。

(取材日2020年5月12日)

日常生活の一部として、気負わずに来られるクリニック

深谷市(旧・花園町)は先生の地元なのですね。

大澤洋之院長 彩花クリニック1

ええ、そうです。私は小さい頃喘息や扁桃腺炎があり、およそ月に一度は病院のお世話になっていたのですが、この辺りはもともとあまり病院が多い所ではなくて。夜中に喘息の発作が起きてしまうとどこにもかかれず、夜が明けてから電車に乗って熊谷まで行くのが常でした。そんなふうに、病院では結構つらい思いをしたので、私自身「病院は嫌いだし、できれば行きたくない」という思いがあります。だからこそ、開業にあたっては、怖くなく、気負わずに来られるクリニックであることを大事にしました。

クリニックの内装にもこだわりがあると聞きました。

いわゆる「医療機関」の雰囲気をなくしたかったので、待合室に大型のアクアリウムを設けたり、サロンスペースを作ったりと、いろいろ工夫してみました。当院の診療科目は内科、小児科、婦人科ですが、内科・小児科の診察室と婦人科の診察室は別になっています。どちらの診察室でも、室内の話が外に聞こえることはないのですが、婦人科はよりプライバシーに配慮して機密性の高い別室としました。インフルエンザの時期に高熱があるなど、感染症が疑われる患者さんに待ってもらう場所として、待合室とは別に待機室も設けています。患者さん本人も気兼ねなく受診できますし、他の患者さんにとっても、感染症が疑われる人とは空間を分けていることで、安心してもらえるかなと思います。

子どもからお年寄りまで、幅広い患者さんが来られるのですね。

大澤洋之院長 彩花クリニック2

はい。もともと産科が専門ですから、産院から来た赤ちゃんのおへそがジュクジュクしているといったところから診ています。生後2ヵ月からは予防接種も始めますし、赤ちゃんを診るのと同時に、ちょっとした産後のトラブルや体調不良にも対処できますしね。「婦人科を受診したくても、初めてのクリニックはどんな先生かわからなくて不安」という方が多い中、お子さんの検診や予防接種を通じて知ってもらったことで、お母さん自身の相談を受けることは多いです。一方、ご年配の方では、健診でいわゆる生活習慣病を指摘されて来られる方、今まで職場近辺で通院されていたのが、退職を機に地元で通えるクリニックを探してきたという方が多いですね。当院も、採血やエックス線、尿検査、エコー、胃の内視鏡の設備は備えており、企業や保育園などの健診を引き受けています。もちろん、婦人科健診も可能です。

来てくれた患者には、笑顔で帰ってほしい

特に力を入れている診療分野はありますか?

大澤洋之院長 彩花クリニック3

これというものはなく、まず広く診て、当院で診療可能な方は当院で診療し、より高次の医療が必要な方は早急に大学病院などに紹介することを大事にしています。この辺りの地域は、クリニックの数も都内のように多くはありません。当院には、マムシに噛まれた方、けがをした方から、風邪、花粉症、小児の発熱や鼻水の症状まで、いろいろな方が来られます。それらをまず広く受け入れた上で、当院で診られる人、診られない人を判断し、必要に応じて速やかに高次医療機関につなぐのが、一開業医としての役目だと思います。開業前の十数年、埼玉医科大学病院で勤務していた頃から、そういう開業医と高次医療機関の機能分担の必要性は感じてきましたね。小児科・内科、胃がん、乳がんなどはまず三次医療にも対応した深谷赤十字病院に、婦人科系は埼玉医科大学病院か、腫瘍なら埼玉医科大学国際医療センターに紹介することが多いです。

診療にあたっては、どんなことを大事にされているのでしょう?

とにかく患者さんに怖い思いをさせないことです。特に婦人科は、まず「医療機関に行く」ことのハードルが高いと思います。医療機関は、できる限り行きたくない所。だから、勇気をもって来てくれた以上は、できれば笑顔で帰ってもらいたいと思っています。例えば、生理痛がひどくて受診される方は、市販の痛み止めは飲んだけれど、我慢できないからいらっしゃったわけです。痛みの感じ方は人によって違いますから、そこは丁寧にお話を聞き、患者さんの尺度に合わせた対応を大事にしています。大学で働いていた時から感じているのは、婦人科の患者さんは、言いたいことがあっても結構我慢する方が多いことです。口に出してくれたのは、相当気になったことだと思うので、大学病院で十数年、開業して10年超の経験を大事にして、できる限り患者さんの立場や気持ちに配慮した気遣いをするよう心がけています。

スタッフさんをまとめていく上で、気をつけていることは?

大澤洋之院長 彩花クリニック4

特にはないのですが、私を含め、働くからにはみんな楽しく働いてほしいと思っています。今、スタッフは全部で6人ですが、定期的に一緒に食事に行ったり、年に1度ぐらいは旅行などの大きなイベントを行ったりはしていますね。季節の変わり目には、スタッフ総出で、季節に合わせた飾りつけにも取り組んでいます。年初は正月飾り、2月から旧暦3月が雛祭り……といったふうですが、ハロウィンには秩父市で品評会にも出す大きなカボチャを栽培している方からカボチャを調達し、クリスマスには地元の植木屋さんから毎年同じモミの木を持ってきてもらい……と、結構本格的です。季節ごとの飾りつけは子どもたちだけでなく大人にも好評で、楽しみにしてくれる患者さんは多いんですよ。待合室のアクアリウムにも時々新しい魚を加えるのですが、「魚が変わった?」と声をかけてくる人も意外といて、楽しんでくれているようです。

困ったことがあれば、気軽に相談してほしい

先生が医師をめざしたきっかけは何だったのでしょう?

大澤洋之院長 彩花クリニック5

小さい頃、病気がちだったことから医師嫌いで、「病院には行きたくないなら、いっそ自分で医師になってしまおう」と考えたことですね。数ある診療科の中から、産科を専門としたのは、産科は妊婦さんのいろいろな病気を診なければならず、内科で行う診療はすべて行えるのだから、内科単独よりいいぞと言われたからです。実際、妊婦さんが風邪を引いたり、発熱などの症状があったりしても、一般内科で診療を断られることは少なくありません。その点、うちでは広く対処できるのは、長く産科の医師としてさまざまな症例を診てきた経験があってこそなので、そこは産科を専門にしていてよかったなと思います。これまでに3人ほど、生まれたお子さんの名前に私の名前の1文字を取ってくれた方がいて、それは医師として本当にうれしく思いました。今後も地域のクリニックとして、この地域で生まれてくる赤ちゃんを、できる限りサポートしていきたいと思っています。

婦人科系の相談も強化しているそうですね。

周辺では、婦人科を単科で診療しているところは少なく、産婦人科はあるものの、「産婦人科はどうしてもお産がメインになってしまうので、婦人科の相談では行きづらい」という方が多いんです。生理痛の悩みなどをお持ちの方は非常に多いので、そういう方は当院でしっかり診ていければと思っています。生理痛のコントロールにはピルを使いますが、ご年配の方だけでなく、若い方でもピルに抵抗を感じている方は結構おられます。ピルはただの避妊薬だと思われがちですが、海外では多くの人が自分を守るために使っている、いろいろな意味で女性にとって武器になるもの。避妊目的で使われることがあるほか、生理痛を軽減する目的で使われることもあるものなのです。診療ではそういうことをお話しし、妊娠を考えているかなど患者さん個別の事情も聞きながら、それぞれに合った処方を行っています。

最後に、地域の方々に一言メッセージをお願いします。

大澤洋之院長 彩花クリニック6

けがから病気、ちょっとした不調まで、何か困ったことがあれば気軽に声をかけてみてください。一度診せてもらい、必要なら専門の医療機関を紹介しますので、「こんなことで行っていいのかな?」と悩まずに、まずご相談ください。

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