長門 一 院長、長門 昌代 副院長の独自取材記事
ながと皮膚科クリニック
(船橋市/船橋日大前駅)
最終更新日:2024/08/09

船橋日大前駅から徒歩4分の場所にある「ながと皮膚科クリニック」。住宅街の中ということもあって子どもの患者も多く訪れ、近隣の老人保健施設と連携して高齢者の治療も行っている。最近では酒さ、いわゆる赤ら顔の相談に訪れる患者も増えているそうだ。幅広い年代の多様な悩みに向き合うのは、長門一院長と長門昌代副院長。2009年の開業以来、互いに意見を出し合いながら、患者のためにより良い医療の提供を考え続けてきた。ともに秋田大学で総合的な皮膚科診療を学び、それを現在の診療に生かしている両先生に、診療時の心がけや今後の展望を聞いた。
(取材日2024年6月27日)
一般皮膚科から美容皮膚科、形成外科の手術まで対応
クリニックの診療内容について教えてください。

【院長】一般皮膚科と小児皮膚科、形成外科での簡単な手術を私が担当。副院長は美容皮膚科を担当していますので、皮膚の悩みに広くお応えできるのが当院の強みです。この辺りは住宅街ということもあり、アトピー性皮膚炎やイボなどの皮膚科疾患、傷口の縫合手術などでお見えになる子どもの患者さんがとても多いですね。イボに対するスプレー型の液体窒素も備えていますので、お子さんでも抵抗なく治療を受けられるかと思います。他にも、一般的なアレルギー性症状の治療などの皮膚科領域、ほくろ切除や軽度の皮膚がんの手術などにも対応しています。また当院は平屋造りでストレッチャーや車いすでも入れますから、近隣の老人保健施設と連携して治療することも増えてきました。
副院長のご専門の美容皮膚科では、どのような相談が多いですか?
【副院長】肌荒れやニキビなど、患者さんのお悩みはさまざまです。まずは患者さん一人ひとりに合った洗顔やスキンケアで、健康なお肌づくりに取り組むところから始めます。基礎となるスキンケアを丁寧に行いながら、足りない部分やご要望があって初めて、注射などを使った治療を行っていくのです。スタッフも美容について学んでおり、クリニック全体で患者さんをサポートしています。開業した15年前に比べて、美容皮膚科を身近に感じる方が増えてきたように思います。私たちも医療機器の充実を図りながら、診療の幅を広げてきました。レーザー機器を用いて行う「酒さ」という顔の赤みに対する治療は、現在、患者さんからのニーズが高い診療の一つです。
診療の中で、大切にしていることは何ですか?

【院長】例えば「赤ちゃんだから弱いお薬」などと決めつけるのではなく、触診を通じて、その方に合った治療法を導き出せるよう努めています。患者さんの話をしっかり聞くことも大切ですね。経験を積み重ねてきたからこそ、この「聞く姿勢」の大切さに気づいたように思います。また、私たちにとっては見慣れた病気であっても、患者さんにとっては初めての病気。オリジナルのリーフレットを作成して、丁寧な説明を心がけています。
【副院長】患者さんのめざす理想と私の治療方針を一致させて、常に同じゴールを見つめて治療を続けていきたいと思っています。患者さんが途中でゴールを見失わずに、しっかりと治療の取捨選択ができるようにサポートしていくことが私の役目。最近では医療の世界でもAIが活躍するようになりましたが、心の通ったコミュニケーションは、人と人だから通じるのだと思うんです。
大学病院での幅広い経験が、今の診療に生かされている
皮膚科の医師を志したきっかけをお聞かせください。

【院長】私はもともと医学に興味があり、学者をめざし医学部に入学しました。しかし、病院実習などを通して実際に患者さんに触れていく中で、臨床が大好きに。治療による変化が目に見えて実感できることや、全身疾患まで察知することのできる皮膚科に惹かれ、皮膚科の医師の道を選びました。私も副院長も秋田大学の出身なのですが、そこで経験した総合的な診療が、開業医として存分に生かされています。
【副院長】父が歯科医師だったこともあり、幼い頃から医療に携わりたいと考えていました。皮膚科は狭い範囲だから浅いのかと思うと決してそうではなく、全身に関わるとても深い領域なのだと感じました。私は病理学も好きだったので、病理診断ができる皮膚科に惹かれたという理由もあります。学生時代、非常に尊敬する先生の病理学教室で学ばせていただいたことも、皮膚科の医師としての土台になっています。
勤務医時代の印象的なエピソードはありますか?
【院長】医師になった頃、恩師に「夢中になりすぎて周りが見えなくならないように」と言われました。「時には俯瞰して考えることも、患者さんのためになるのだ」と学んだんです。そうして勤務医を続けていく中で、生後6ヵ月でやけどを負い、その後何度も手術を受けているお子さんに出会いました。一緒に治療に取り組み、患者さんとその家族と喜びなどを共感できた時、医師をしていて良かったと心から思いました。
【副院長】大学病院の麻酔科に勤務していた頃に、手術前の麻酔をかける時に、患者さんの手を握っていたことがありました。無事手術が終わってから、「手を握ってくれていたから安心できた」と感謝していただけて。「私たちにとって手術は日常だけど、患者さんにとっては一生に一度あるかないかの大きなことなのだ」と思った出来事です。
開業から今までを振り返ってみていかがですか?

【院長】治療においてもクリニックづくりにおいても、2人で足りない部分を補い合いながら、「患者さんにとって何が最善か」を一緒に考え続けてきました。開業から15年がたつと、最初は赤ちゃんだったお子さんも大きくなり、数年ぶりにいらっしゃるとその成長に驚くほどです。患者さんとのそんな身近な関係性が、地域医療に貢献できていると実感させてくれます。
【副院長】開業当初は、私たちもスタッフも右も左もわからない状態で四苦八苦していました。それを一つ一つ乗り越えながら、ここまでこられたのだと感じています。当院をこれまで見守ってくださった地域患者さんに、精一杯恩返ししていきたいですね。
地域に頼られ、必要とされるクリニックをめざす
皮膚科の医師としてのやりがいをどのようなところに感じられますか?

【院長】当院には、赤ちゃんのアトピー性皮膚炎でお悩みの方が多くいらっしゃいます。親御さんは、初めは「一生治らないのではないか」と不安でいっぱい。その思いに寄り添いながら、赤ちゃんとご家族がこれからの生活を笑顔で送れるような治療をしたいですね。
【副院長】多くの患者さんは、これまで独学でいろいろとお試しになってきたけれど、なかなかお肌がきれいにならなかったと落ち込んでいらっしゃいます。そんな患者さんに私たちのフォローアップでスキンケアを頑張っていただき、ケアの効果が実感でき患者さんが笑顔になる。それが理想であり医師としてのやりがいです。
休日のリフレッシュ方法をお聞かせください。
【副院長】3人の娘が子どもだった頃は、一緒に刺繍をしたりピアノを弾いたりしていました。今では3人とも大きくなりましたが、たまに待ち合わせをしてショッピングやスポーツ観戦を楽しんでいるんですよ。娘たちは目線がシビアで、私たちの服装や言動にも鋭い指摘が入ります。「そういう見方もあるのか」と、その言葉に気づかされることもありますね。
【院長】わが家には3匹の犬と1匹の猫がおりまして、それがかわいくて仕方がありません。ペットにこんなに夢中になるとは、自分でも驚くほどです。毎日2時間かけて犬の散歩をしているのですが、それがいい運動にもなっています。
最後に、今後の展望をお聞かせください。

【副院長】美容皮膚科は身構えてしまいがちで、費用がかかるというイメージもあるかもしれません。しかし当院では、無用な治療をお勧めすることはいたしませんし、当院での治療に限らず皮膚に関する情報をお伝えしたいと思っています。「病気ではないけれど、お肌のお悩みを解決したい」という患者さんにとって、心のよりどころになっていければうれしいですね。
【院長】皮膚のお悩みだけでなく、子育ての相談までできるような場所でありたいと考えています。幅広い年齢層、そしてさまざまなお悩みをお持ちの患者さんにとって、気軽に頼っていただけるようなクリニックをめざしています。
自由診療費用の目安
自由診療とは美容皮膚科/初診料:3300円、酒さのレーザー療法/施術:2万5300円~
※詳細はクリニックにお問い合わせください。