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宇田 哲也 院長の独自取材記事

宇田ファミリークリニック

(みよし市/日進駅)

最終更新日:2020/04/01

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2009年からみよし市(旧三好町)で診療する「宇田ファミリークリニック」。院内に入ると木の温かみを感じられる、ぬくもりある空間が広がっていた。自然が好きな宇田哲也院長が山小屋をイメージしたそうで、誰かの家に遊びに行くような気持ちで訪れてほしいという願いが込められている。宇田院長は家庭医療と循環器内科をライフワークとし、小さな子どもから高齢者まであらゆる年代の良き相談相手として、かかりつけ医の役割を担う。南生協病院勤務時代は研修医の指導にも力を入れ、患者やスタッフの話をよく聞き決して怒らない姿勢は「仏の宇田」と呼ばれたほどだとか。地域に根づき、スタッフと一丸となって患者を支える宇田院長。開業の経緯や認知症治療のこと、今後の展望まで話を聞いた。
(取材日2018年10月4日)

小児の疾患から看取りまであらゆる相談に乗る家庭医療

みよし市には以前からご縁があったのですか?

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みよし市は妻の出身地で、以前から家族で市内に暮らしていました。近辺には子どもの疾患から高齢者の看取りまで診られるようなクリニックが少なく、地域に求められていることも知っていましたので、ここで開業しようということに。本当に地域の皆さんに支えていただいてできたクリニックなんですよ。不動産屋さんは妻が子どもの頃からお世話になっていた方で、喜んで一緒に探してくれましたし、土地を売ってくださった方にも「ここにクリニックがあったら便利だと思っていた」と言っていただきました。僕自身は長崎の出身なのですが、みよしはまとまりの強い地域だなと思います。今年で開業から9年がたちます。患者さんの6割はお子さんです。一般的に中学生くらいになると小児科は卒業しても内科にはまだ早く、受診先に困ることが多いのですが、当院はファミリークリニックなのでずっとお付き合いできるのがいいところだと思います。

家庭医療を学ばれたそうですね。ご経歴を伺えますか?

名古屋市立大学医学部を卒業した後、南生協病院に入りました。研修先に同院を選んだのは、当時としては珍しく、内科、小児科、産婦人科など各科を回ることができたからです。その後、同院の循環器内科で勤務していたのですが、2002年の1年間は名古屋大学医学部附属病院の総合診療科に行き、「家庭医療」を学びました。家庭医療とは、子どもから高齢者まで幅広い年代の健康問題に対応でき、あらゆる分野の訴えを受けつける科です。全般的な診療を習得できたことは今役立っています。また、家庭医療では後輩を育てるのも大事な仕事。南生協病院に戻ってからも研修医の指導にも力を入れていたので、最近でも当時教えた先生がいろいろ相談してくれるんですよ。うれしいですね。

クリニックでは認知症治療も行っているそうですね。

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僕が学生の頃は認知症の教科書がまだない時代だったので、症状の判別や薬の選択を勉強する機会はあまりなかったのですが、ファミリークリニックを開業すればかかりつけの患者さんに認知症が出てくることはあり得ます。そこで名古屋にあるクリニックの先生が考案した、薬の量を症状によって調整していくという認知症の診断と治療体系を取り入れ、プライマリケアの一環として当院でも取り組むようになりました。当院は家族ぐるみでかかっている患者さんが多いので、娘さんやお孫さんから「最近、おばあちゃんの物忘れが多くなってきて……」という相談も多く寄せられるんです。そのような場合でも当院ですぐに診察できるので、早い段階から治療に取りかかることができます。

患者に寄り添う、良き相談相手でありたい

診療で心がけていることはありますか?

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まずはわかりやすく話すこと。そして、患者さんにきちんと伝わったかどうかを感じながら話すことです。少しでもお顔が曇っているようでしたら「何か聞きたいことないですか?」とお尋ねするようにしています。それに看護師や事務のスタッフにもフォローしてもらっています。当院ではスタッフ間のミーティングを1日に4回行っていて「午前中こういうことがあったから午後も気をつけましょう」と情報を共有したりするのですが、患者さんのことも分かち合ってみんなでサポートしています。当院のスタッフはフレンドリーというか患者さんに優しいと思いますよ。待ち時間のうちにできる検査を確認してくれたり、血圧や酸素飽和度を測っておいて報告してくれたりと、先取りして動いてくれるので助かっています。

スタッフの皆さん頼もしいですね。

受付でトリアージをしてくれるくらいですから、スタッフのレベルは高いですね。わからないことは聞いてくれますし、その疑問に対しては僕が資料を作って説明することもあります。はしかがはやった時は感染を防ぐための勉強会をしました。疑問解決のサイクルが早いので、私の考えもよくわかってくれていますね。スタッフは地元の人が多いです。患者さんの家族関係を覚えているので、「このおばあちゃんの家はこの間お孫さんがインフルエンザでしたよ」などと伝言してくれて診察の助けになっています。患者さんはお気づきでないと思うんですけど、実は開業以来、院内を少しずつリニューアルしているんです。それはスタッフからの改善提案があるからで、スタッフが働きやすいクリニックは患者さんが受診しやすいクリニックだと思うので、改良できるところはどんどん良くしていきたいです。

先生は患者さんにとってどういう存在でありたいですか?

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良き相談相手ですね。治療の選択肢はたくさんありますが、何が良いかは患者さんにはわかりづらい。だったら、自分ならこういう選択肢を取るとか、身内だったらこれを勧めるといった助言があるといいと思うんです。患者さんの傍らに立てる存在でありたいですし、長くお付き合いできたらうれしいですね。来年で開業10年になりますから、10年前は小学生だった子が自分の名前の保険証を持ってくるんですよ。「えっ? 就職したの?」って。小児科だと大人になればお付き合いが終わってしまうかもしれませんが、ファミリークリニックだから長く来てもらえるんですよね。患者さんには、通いやすい、しっくりくる、そんなふうに感じてもらえるとうれしいですね。皆さんとは今後とも長くお付き合いしていきたいです。

患者の希望をくみ取って、受診を続けやすく

先生のファンだという患者さんが多そうです。

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そうでしょうか(笑)。患者さんそれぞれにいろんな思いをお持ちですから、きちんとお聞きすることはしているかもしれません。妻からは「人が好きなんだね」と言われます。あと意識しているのは、患者さんのニーズになるべく合わせて治療するということ。受診はあくまで生活の一部ですよね。生活が乱されないようにしないと、通院をやめてしまったり治療が続きません。うちに来なくなっても他の医師にかかっていればいいですけど、数ヵ月空いてしまっては症状が悪化しかねません。ですから、病状さえ許せば患者さんの希望をくみ取り、通ってもらいやすいように薬を処方を工夫したりしています。

先生はなぜ医師をめざされたのですか?

理系が好きで、初めは工学部への進学を考えていたんですが、仕事の話をいろいろと聞いているうちに、自分は人付き合いをする仕事がしたいのではないかと気づきまして。それで最終的には医師になることを選びました。父が外科医だったので、医師は人付き合いの仕事だというのを知っていたんです。父からは手術の話を聞いて「大変なことをやっているんだな」と思っていましたね。それから、子どもの頃に喘息だったのも影響しています。治療してもらうと楽になるのは子ども心に驚きでした。

最後に今後の展望を教えてください。

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引き続き、質の高い診療をめざしつつ、待ち時間をなるべく少なくしていきたいと思います。この2つは矛盾するのですが、これまでも意識してやってきたこと。今後も突き詰めていきたいです。これからの医療を考えたとき、恐らく今後はAI(人工知能)が診療の現場に入ってくるでしょう。誰がやっても答えが同じになることをAIに任せれば診療の精度が上がるでしょうし、患者さんが適切な病院にかかるまでの時間が短くなるはず。AIの時代がやってきたら、それを活用できる医師になりたいですし、時代の変化に合わせながら患者さんにとってより良い医療を提供していきたいと思っています。

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