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林 秀雄 院長の独自取材記事

安城ささめ耳鼻科

(安城市/新安城駅)

最終更新日:2019/08/28

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かつて日本のデンマークとも呼ばれた安城の、情緒豊かな風景の残る篠目町にある「安城ささめ耳鼻科」。院長の林秀雄先生は、母の実家のあるこの地で生まれた。愛媛大学医学部医学科を1998年に卒業。豊橋市民病院の救命救急センターで研修後、名古屋大学医学部大学院に進学し卒業。その後は名古屋大学医学部附属病院の耳鼻いんこう科に勤め、その間にアメリカの大学に留学するなど、耳鼻咽喉科の医師としてのキャリアを積み上げてきた耳鼻咽喉科が専門の医師だ。そして先生が開業先に選んだのは、生まれ故郷の安城。2009年の開業以来、地域の患者の人柄の良さと温かさに触れ、やりがいを感じるという先生も同様、温厚でとても気さくな印象を受ける。そんな林先生の営むクリニックの話を聞いた。
(取材日2017年8月22日)

耳鼻咽喉科が痛い・怖い場所にならないように工夫

病院に来られる患者層を教えてください。

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中耳炎や副鼻腔炎、風邪などのお子さんが多いですね。小さなお子さんは、風邪をひくと中耳炎や副鼻腔炎になりやすいのですが、耳や鼻の奥は親御さんが見てもよくわからないのではないでしょうか? そのまま放っておいてしまい、中耳炎が悪化し、鼓膜が破れて耳だれが出たり、耳を痛がり出したりして初めて中耳炎だったと気づくこともあります。中耳炎や副鼻腔炎はまさに耳鼻科の専門分野です。定期的に小児科に通院を要するような持病をお持ちでなければ、お子さんが風邪をひいたら、まず耳鼻科で診察を受けていただきたいですね。耳鼻科ではお薬の処方の他に、鼻の吸引処置や鼻や喉のネブライザーなど専門的な治療が可能です。とは言え、治療や処置の中には痛みを伴うものもありますので、耳鼻科に来ると途端に泣いてしまうお子さんもいます。つらい治療の後には「よく頑張ったね」という意味を込めて、ご褒美として玩具やお菓子をあげたりしています。

ご褒美の他にも、子どもの患者さんにしている工夫はありますか?

まず恐怖心をなくすため、お子さんにはできるだけ「痛くしないよ」と声掛けをしながら診察をするように心がけています。診療時は薬だけ出すという治療だけで終わらせず、耳だれや鼻水を取り除くなどの手間のかかる処置を多くのスタッフの力を借りて行っています。それと患者さんのご負担を軽くできるよう、予約システムを導入しています。当院の予約システムは予約時間を取得するものではなく、順番待ちの番号を取得するものになっていて、あとどの位で自分の順番が来るかの目安がわかるようになっています。希望する方には診察の順番の来る30分前に、病院から電話やメールで通知をすることも行っていますので、お気軽にご相談いただければと思います。一方で初診の患者さんや、直接来院された再診の患者さんの待ち時間が長くなってしまうことがあり、改善すべき今後の課題ですね。何か良いご意見があれば参考にさせていただきたいと思っています。

大勢のスタッフとのコミュニケーションで、心がけていることはありますか?

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定期的にスタッフとの面談を行い、診療に役立ちそうな新たなアイデアや問題の改善方法を見つけることもあります。例えば以前は、患者さんへの鼻や喉の吸入の説明をスタッフが口頭で行っていたのですが、わからないことがあっても尋ねにくい患者さんもいるのでは、とのスタッフからの意見を元に、みんなで話し合って吸入の場所に吸入についての説明を書いた紙を貼るようにしました。スタッフとのコミュニケーションを取ることにより、少しずつではありますが気になる点は改善していくように心がけています。

耳・鼻・喉の総合診療医に憧れて耳鼻咽喉科の道に進む

先生が耳鼻科を選んだきっかけを教えてください。

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現代の医療は高度化してきていて、さまざまな分野のスペシャリストが分業して、一人の患者さんの治療にあたることが多いように思います。そんな中、研修医だった頃にお世話になった耳鼻科の先生が、耳・鼻・喉に関しては、診断から治療まで、そのすべてを自分で完結していました。この先生のように耳・鼻・喉の総合診療医なりたいと憧れたのが、耳鼻科を選んだきっかけです。

アメリカ留学についてのお話を聞かせください。

留学は名古屋大学医学部付属病院時代の恩師に勧められて、アメリカのミネソタ大学の研究所に行きました。そこには、亡くなった方の頭蓋骨から耳を取り出した標本が数多く集められていて。耳の奥の病気について実際に自分の目で見ることができました。普段の診療では、鼓膜の向こうの耳の奥を実際に観察することはできませんから、これらの経験が現在の診療に役立っていると思います。

昔とは治療法は変わってきましたか?

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お子さんの扁桃腺の切除術を行う基準や、大人の睡眠時無呼吸の治療開始基準など、さまざまな疾患の治療をお勧めする基準が整備されてきました。その他、耳鼻科のクリニックでの主な変化でいえば、ひと昔前より抗生物質の効きが悪い細菌が増えてきていて、中耳炎や副鼻腔炎の治りが悪いことがあります。治りが悪い場合には、原因となっている細菌の種類や、どんな抗生物質が効果的かを調べて、抗生剤を変更するなどの工夫が必要になってきています。一方で、ひと昔前では、軽度の中耳炎や副鼻腔炎でも抗生物質が処方されていましたが、最近では、軽い症状であれば抗生物質を飲まないで様子をみるようになってきています。

患者一人ひとりに合った治療法を提供

スギ花粉症にお勧めという舌下免疫療法について教えてください。

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花粉症に対する舌下免疫療法は、スギ花粉症にだけ有効な治療法で、2014年から保険適応になり、12歳以上であれば治療を受けてもらうことができます。多くの人に効果があり、スギ花粉症が完治する可能性もあるんですよ。ただこの治療はスギ花粉症の終わった5月以降からしか始めることができませんので、その時期に耳鼻科に受診していただかなければいけません。また3~4年と長い期間、毎日薬を続けなければならないため、今のところ希望される患者さんはあまり多くはないですね。一言にスギ花粉症と言っても、患者さんを取り巻く状況はさまざま。その中でもスギ花粉症がひどい方、今後妊娠を予定していて、スギ花粉症の時期に薬を飲めなくなりそうな方、受験を控えている方は、この治療が合うと思います。治療を始めて最初のスギ花粉のシーズンには、効果が十分ではないことが多いですので、希望される方は早めに治療を開始することをお勧めします。

心に残る患者さんのエピソードなど、ありましたらお聞かせください。

たくさんあるのですが……。開業してから、患者さんが言ってくださる「ありがとう」の言葉が心に残ります。安城という地に開業してから、のどかな地域性でしょうか、患者さんの人柄も良く、多くの患者さんが診療が終わった後で「ありがとう」と言ってくださいます。それを聞くたび「ああ、開業して本当に良かったな」と思います。大学病院に勤務していた時は、おそらく患者さんにとって僕は、大学病院という大きな病院の中の一人の医師にすぎなかったのかもしれません。でもここでは僕の治療を受けに来てくれている、というのが伝わってきます。決して感謝されたいという気持ちだけで診療に従事しているわけではないのですが、やはりお礼を言われると、なによりも僕自身の励みにもなり、とてもやりがいを感じます。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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特にお子さんの滲出性中耳炎の治療は、治るのに時間がかかったり、一度治ってもまた再発したりして、耳鼻科に長いこと通院し続けないといけないこともあります。そんな時、耳を痛がったりしないし、聞こえも悪くなさそうだからと、親御さんの判断で通院を止めてしまうこともしばしばです。しかし、中耳炎が治らないままで放置してしまうと、治療しても治らないような難聴になったり、手術が必要な病気へと進行していってしまうこともあります。ですから、通院を続けるのは大変でも、「もう大丈夫」というところまではしっかり治療を受けてほしいと思います。それと「お薬手帳」をお持ちであればぜひ持参してください。他の病院で処方されている薬と当院で処方する薬との飲み合わせや、以前他の病院で処方されたのに効果がなかった薬をチェックするのにたいへん役立ちます。ぜひ「お薬手帳」の活用をしていただきたいと思います。

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