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神田博保 院長の独自取材記事

神田歯科医院

(大田区/多摩川駅)

最終更新日:2021/10/12

神田博保院長 神田歯科医院 main

雪が谷大塚駅、多摩川駅から徒歩8分。田園調布駅からも徒歩圏内にあり住宅街の一角に位置する「神田歯科医院」。青い看板が目印だが、それ以外は普通の一軒家と変わらない外観だ。入口のドアを開けると玄関があり、歯科医院に来たことを忘れてしまいそうになるほどアットホームな雰囲気で、受付スタッフがにこやかに迎えてくれる。「診療にきてくださった患者さんには来て良かったと思っていただけるように、少し得した気分になって帰ってほしいと思っています」と話す神田博保院長は、先代からクリニックを引き継いで、この地で20年以上地域住民の歯の健康を守っている。患者本人の歯を残すことを治療方針としている神田院長に、定期的なメンテナンスの重要性や予防歯科などについて、詳しい話を伺った。

(取材日2015年7月9日)

月1のメンテナンスが細菌の増殖を抑える

治療方針について教えてください。

神田博保院長 神田歯科医院1

患者さんには一生ご自分の歯でいてほしいと思っていますので、基本的には歯を残す方法で治療を行います。もちろん患者さんの希望も考慮しますので、それに応えられるようにさまざまなノウハウを身につけていなくては、と思っています。治療法は患者さんの年齢や全身状態によって変わってきます。どうするのが最善の方法なのかをいつも考えていますね。例えば、持病があり薬を服用している患者さんは、たとえご本人が望んだとしてもすぐに歯を抜くことはできない方もいらっしゃいます。薬の種類によっては骨密度に関係するものがありますので、一概に抜ける、抜けないと断言することはできませんが、患者さんの健康状態なども含めて判断しています。歯を抜くかどうかの治療になる前に、きちんとした予防をしていれば、義歯になることもありませんので、患者さんには定期的なメンテナンスを勧めています。

メンテナンスはどのくらいの頻度を推奨していますか?

1ヵ月に一度のペースで来院していただくことをお勧めしています。当院の患者さんの約半数の方が、予防のために通院してくださっていますね。半年から1年ほど期間を空けてしまうと、次に来院されたときには悪化してしまっていることもあります。口腔内の細菌数は、お尻と同じだと言われているんですよ。完全に無菌状態にすることはできませんので、1ヵ所でも悪いところがあると口全体に感染が広がっていきます。これを阻止するためには定期的なクリーニングなどのメンテナンスが有効なんです。月に一度の定期検診を3年間続けている患者さんもいます。年配の方が多いですが、最近では若い世代の方も多くなってきました。当院ではインプラントを行っていませんので、抜歯した場合にはチタンなどを使った義歯をつくることになります。そうならないように予防したいと考えていますし、患者さんにも予防に積極的に取り組んでほしいと思っています。

患者さんと接する上で心がけていることはありますか?

神田博保院長 神田歯科医院2

大学時代の先輩から患者さんと向き合う時のアドバイスをもらったことがあります。それは「笑わせること」。患者さんの緊張をほぐすことが目的ですが、治療の合間に患者さんの趣味などのバックグラウンドを引き出して会話をすることによって、治療へのストレスも軽減できると考えています。その中で、患者さんにとって治療以外のメリットとなるような、少しだけ得した気分になれるような情報を提供できるように心がけています。近所においしいお店ができたとか、その程度のことですが、何かひとつでも来て良かったと思ってもらえるプラスアルファの診療をしたいと思っています。緊張すると痛みが倍増するとも言われていますので、患者さんの苦手意識や治療に対する怖さを少しでも軽くできるように、歯を削るための機器で大きな音がするタービンもなるべく使わないようにしています。

抜かない、痛みのない治療をめざして

クリニックのこだわりについてお聞かせください。

神田博保院長 神田歯科医院3

丁寧な診療と、患者さんに安心して来院していただけるように安全な治療環境を提供することに力を注いでいますね。また、なるべく痛みを感じさせない治療をめざしており、その一環としてレーザー治療機器を取り入れています。そのほか、当院ではオゾン水も採用しています。オゾン水には触れた細菌すべてに殺菌効果があると言われていて、うがいにも使用してもらっています。院内感染も防ぐことができますし、患者さんにとって害はありませんので、少しでも感染症を防ぐ方法をとっていきたいと思っています。

レーザー治療のメリットは何ですか?

虫歯や歯周病、根管治療、口内炎、予防歯科とさまざまな治療に使用することができる万能な機器です。殺菌力も高く、止血や鎮痛効果など多くの利点があります。当院では10年以上前から導入しており、レーザーを使わない治療はほとんどないと言ってもいいですね。約1年前に取り入れたエルビウムヤグレーザーは、従来の歯科治療用レーザーに比べて痛みが非常に少ないのが特徴です。音と振動も抑えられていますので、タービンのような大きな音はしません。虫歯によるう蝕や歯石の除去など、さまざまな疾患の治療においてその効果や効能が承認されています。レーザーを使用することで麻酔や鎮痛剤の使用を減らすことができるので、アレルギー体質の方や妊婦さんでも安心して治療を受けていただけるというメリットもあります。治療を怖がるお子さんにも有効的なんですよ。

ホームページも充実した内容ですね。

神田博保院長 神田歯科医院4

患者さんに多くの情報を提供したいと思っていますので、一般的な治療方法や歯ぎしりに関すること、金属アレルギーなどについて詳しく解説しています。歯ぎしりは、歯が欠けてしまう原因にもなりかねません。本来、上下の歯が接触するのは、食事の時に物を噛む時と飲み込む時だけです。それなのに歯を食いしばったり強く噛みしめてばかりいると、歯は摩耗してしまい、しみる感じがしたり、ひび割れが起こったりすることもあります。無意識でやってしまっている場合がほとんどなので、体の不調や思い当たる症状などがないかホームページを見れば確認してもらえるようになっています。また金属アレルギーは、すぐに発症するわけではなく、歯科治療に用いられた金属が徐々に体内に取り込まれて反応が起こります。治癒までには時間がかかりますので、当院では注意を怠らないようにしています。

診療のフィードバックで患者から学ぶ

歯科医師を志したきっかけは何ですか?

神田博保院長 神田歯科医院5

祖父も父も歯科医師でした。特に歯科医師をめざしていたわけではなかったのですが、長崎大学の歯学部に入学が決まり、卒業後は長崎市内の歯科医院で勤務医をしていたこともあります。研究の道に進むことを考えた時期もありましたね。父の跡を継いでから、この地で診療を始めたわけですが、ご年配の方で痛みはあるが具体的にどこが痛いのかわからないという患者さんがいました。色々とお話を伺い、原因となっている場所を探り当てて痛みを取り除くことができたときはうれしかったですね。実際に診療を重ねれば重ねるほど、歯科医師になって本当によかったと思いましたし、この仕事を面白いと感じるようになりました。

印象に残っている患者さんはいますか?

たくさんいらっしゃいますが、最近では中学時代の友人が他院を2件まわって「どちらでも歯を抜いてインプラントにすることを勧められたが何とかならないか」と相談にきました。どうしても抜きたくないということでしたが、非常に難しい症例でした。可能性があるのなら、やってみる価値はあるかもしれないと思い、導入したばかりだったレーザーを使って、徹底的に歯石を除去しました。すると、骨がきれいに育ち始めたんです。奇跡だと思いました。人間の体は何が起きるかわかりませんね。さまざまな症状においてベストな治療はないと思っていますが、必ず最善を尽くしています。治療後にどのように治っていくのか、また悪くなってしまった場合にはなぜそうなってしまったのか、患者さんを診て、日々反省・改善をしないと進歩することもできません。日々の診療でフィードバックすることで患者さんにたくさんのことを教えてもらっています。

最後に読者へメッセージをお願いします。

神田博保院長 神田歯科医院6

歯周病は、心臓に対して有害な事態を招く危険性があると言われています。また妊娠中の方には薬を使用することができませんので、深刻な虫歯や歯周病などの治療を行うことは難しいです。安定期でも絶対に安心ということはありませんから、これから妊娠を考えている方は早めの治療と予防をしていただきたいですね。歯周病の妊婦さんは、早産の可能性や8倍以上の確率で低体重児の出生を招くというデータもあります。授乳中の治療も薬は使えません。歯周病の進行が糖尿病の進行に影響を及ぼすこともわかっていますので、とにかく早期発見、早期治療が望ましいことは言うまでもありません。特に何の症状もないのに歯科医院に出かけるのは腰が重いかもしれませんが、ぜひ一度、クリーニングだけでも受けてみてください。また気になることがあれば気軽に相談して欲しいですね。

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