日浦 賢治 院長、日浦 智美 先生の独自取材記事
日浦矯正クリニック
(福岡市中央区/渡辺通駅)
最終更新日:2025/05/30

渡辺通駅から直結、薬院駅北口からは徒歩3分という好立地。シックな外観のビル内にある「日浦矯正クリニック」は矯正歯科に特化した歯科クリニックだ。内装は白を基調とした空間で統一され、落ち着きが感じられる。「患者さんには不安なく治療を受けてもらいたい」と穏やかな笑顔で話すのは、院長である日浦賢治先生。カウンセリングでは、患者の年齢を問わず一人ひとりへ治療方針を伝え、納得した上で治療に入ることを大切にしている。そんな患者との信頼関係を治療の第一に置く賢治院長と同じ思いで、日浦智美先生も診療を実施。この取材では、2人の誠実で穏やかな人柄にもふれることができた。
(取材日2025年3月27日)
落ち着いた空間で、患者の言葉にじっくりと向き合う
白色を基調としていて清潔感があり、まるで高級ホテルのようですね。

【院長】こだわった点は、診察室間のセパレートをしっかりと作りすぎると患者さんが不安を覚えることがあるので、そうならないように配慮したことです。かといって見えすぎるとそれはそれで不安でしょうから、患者さんにはできる限り楽な気分で治療を受けていただけることを最優先にし、バランスが取れた設計にしてほしいとフラワーアーティストさんに空間のデザインをお願いしました。さらに、一級建築士さんが提案してくださった壁には、一つ一つに化石が入った天然の石が使われているそうで、その方々の思いがそこにあるようにも感じられる大好きな空間です。これからも丁寧に使っていきたいと思っています。
クリニックをこの場所に開業した理由をお聞かせください。
【院長】患者さんには落ち着いた環境で治療を受けてもらいたいと考えています。そのためには静かな場所、そして交通の便が良い場所だと通いやすい。そういった点から候補を絞り、このビルを選びました。周辺は渡辺通駅や薬院駅などがあるオフィス街ですが、このビルが建った頃、周辺の道路なども整備されて、ゆっくりと散歩が楽しめるような雰囲気に変わったんです。何げなく歩いているだけで落ち着きを感じる、まさにクリニックの環境に求めていた要素がそろっている場所でした。矯正治療は、患者さんの生活の質を上げるためにあるもの。雑音にとらわれることなく、穏やかな時間が流れる院内で治療を受けてほしいという考えに、ここがとてもマッチしているんです。
智美先生はいつからこちらで診療を開始されたのですか?

【智美先生】2024年5月から診療に加わらせていただいています。私は大学卒業後、大学病院での研修医期間を経て、大学院の矯正歯科へ進学し、臨床と研究に7年間従事してきました。日浦矯正クリニックでの診療内容は大学病院と同様で幅広く、顎変形症や先天性疾患の症例も診療していて、お子さんから成人の方まで多くの患者さんに安心して通っていただける環境だと思います。院長の診療や患者さんへの姿勢を学びつつ、私のこれまでの大学病院での臨床経験を日々の診療に生かしていきたいと考えています。
丁寧なカウンセリングをもとに、焦らず治療を行う
矯正歯科に特化している理由をお聞かせください。

【院長】まず、専門性に基づいてそれぞれに治療を行うほうが良い、という考えからです。次に、一般的な歯科と矯正歯科では流れる時間の早さがまったく異なり、その異なるものを同時に行うのはとても難しいと感じたからです。矯正治療というのは、歯を1本ずつ診るのではなく、一つの顎、患者さん個人を一つの単位としたフルマウスの治療(全顎治療)であると私たちは考えています。一般的な歯科の治療、例えば虫歯などであれば当日、もしくは数日、1ヵ月ほどという短い単位で対応にあたります。けれど矯正歯科では治療の単位は基本的に「年」。「月」ではなく、ましてや「日」でもないからです。それに私自身がゆっくりとした性格ですから、矯正歯科のほうが合っているのかもしれませんね。
患者さんと向き合うカウンセリングも、とても大切にされているそうですね。
【院長】まず初診で1時間、しっかりとお話を伺います。その際にお伝えするのは、「焦って診療しない」ということ。初診で精密検査まで行うということもあまりないんです。一旦家に帰って、じっくり考えてもらうようにしています。さらに、当院では診療をストップするタイミングを2回設けています。1回目は検査に入る前、2回目は治療に入る前、費用などの話をする時です。矯正というのは途中でやめることが基本的にできません。「本当はそこは抜きたくなかった」と後から言われても、元に戻すことはできないんです。最初から患者さんとは対等な立場で、患者さんが言いたいことを言えるような関係でいられるように配慮しています。
患者さんとお話をする際に、特に心がけていることは何でしょう。

【院長】患者さんにはすべてを正直に伝え、患者さんの本音を聞き出すことです。矯正治療は、検査結果に基づいて私たちが提供できる情報と患者さん自身が感じる問題点や治したいところを、お互いに共有し一緒に考えることが重要で、「患者さん中心の医療」といえると思います。当院には小中学生の患者さんもいらっしゃいますが、年齢を問わず、一人ひとりときちんとお話をします。お子さんの場合は親御さんが治療を受けさせるケースがほとんどですが、子どもなりに悩みがあることも。話を聞いて、治療を本当に受けたいかどうか、治療に対してどう感じているのかなどを確認し、その上で親御さんとお話しします。
【智美先生】私も院長のように、年齢関係なく患者さんに真摯に向き合い寄り添うことができるよう心がけています。そして、患者さんに毎回の診療を楽しみに通ってもらえるような雰囲気づくりを大切にしています。
患者の生活を知り、より良い方向へ導きたい
クリニックの強みは、どこにあるとお考えですか?

【院長】患者さんを知る姿勢ではないでしょうか。患者さんが過ごしてきた中での習慣、価値観に耳を傾けることはおろそかにしません。矯正治療の基礎というのは、ここ30年ほど大きく変わっておらず、金属だけでなく、透明の装置や裏側の装置、マウスピース型装置などを用いるようにもなりましたが、治療期間が大幅に変わることもありませんからね。その中で重要なのは、やはり患者さんの思い、生活の背景にあるものを聞き取る力だと考えています。
【智美先生】私も、クリニック全体で患者さんの話を傾聴する姿勢を大事にしていることだと思います。患者さんの中には女性歯科医師だとお話ししやすいこともあると思うので、私の存在も強みになれたらうれしいです。また、義兄と夫も大学病院の矯正歯科に所属していて、4人で治療内容について議論することもあります。複数人で意見を出し合い、より良い治療方針を検討できることも当院の魅力だと思います。
初診にもしっかり時間をかけられているのは、患者さんを知るためのことでもあるのですね。
【院長】矯正治療の方針を決める上で重要なことは、患者さんが気にしている問題点の「きれいな歯並び」「きれいな噛み合わせ」「きれいな口元」の3つのうち、どれを100点に近づけていくのか、もしくは平均80点をめざすのか。患者さんにとって、最もメリットがあるのはどれなのかを見極めるのが私たちの仕事です。治療を行う中では、早く装置を外したいと思われることや、患者さんが優先したい場所と私たちが治療した場所が食い違うこともあります。私たちは、患者さんが「矯正を受けて良かった」と思えるように、できる限り患者さんの意見を取り入れながら治療を進めます。患者さんが納得できる治療でなければ、いくらわれわれが正しいと思う処置をしたところで患者さんの信頼を得ることはできません。
最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

【院長】矯正のゴールは一つではありません。ご自身が納得できなかったら、矯正を始めるべきではないと思います。その際には、複数の先生を訪ね、お話をすることをお勧めします。私がそうであるように、それぞれの先生たち独自の時間の流れ、尺度などがあるはずです。矯正はご自身のために受けるものです。生活の質を上げ、より良い生活ができるようにする、そのための矯正、そのための場所が当院であると考えています。また、口腔機能は10歳くらいでほぼ成熟すると考えられていますから、早い時期での相談がお勧めです。穏やかな時間が流れるこの場所で、ぜひお話をお聞かせください。
【智美先生】少しでもご不安なことがあれば、ぜひいらしてください。お待ちしています。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正(一期治療)/35万円~、マウスピース型装置による矯正/90万円~、クリアブラケットによるワイヤー矯正/75万円~、舌側ブラケットによるワイヤー矯正/100万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。