片井 秀樹 院長の独自取材記事
かたい内科クリニック
(草加市/獨協大学前〈草加松原〉駅)
最終更新日:2026/10/26
東武伊勢崎線の獨協大学前<草加松原>駅東口から徒歩約8分。松原文化通り沿いのマンション1階に位置する「かたい内科クリニック」。2009年の開業以来、地域住民の健康を身近で支えてきたクリニックだ。内科・消化器内科を中心に、経鼻内視鏡や超音波などによる検査にも対応。さらに水曜午前には整形外科の診療を行うほか、通院が難しくなった患者への訪問診療、睡眠時無呼吸症候群の診療など、地域のニーズに応じて診療の幅を広げてきた。「まずはここで診て、必要があれば適切な医療機関につなげたい」と話す片井秀樹院長。開業から17年、患者とともに年を重ねながら地域医療に向き合ってきた片井院長に、現在のクリニックの役割や訪問診療への思い、日頃の健康管理について話を聞いた。
(取材日2026年9月18日)
地域の健康を支える「最初の窓口」でありたい
開業して17年になります。あらためて、先生が医師をめざしたきっかけから教えてください。

父が内科の開業医だったので、その影響は大きかったと思います。ただ、子どもの頃は父がどんな診療をしているのか、詳しく知っていたわけではないんですよ。忙しそうだな、くらいで(笑)。印象に残っているのは、父が私も通っていた小学校の学校医をしていた時のことですね。予防接種の際に「痛くないように打ってくれる先生」と評判で、多くの生徒が父のところに並んでいました。私も現在、予防接種を行う機会が多いのですが、できるだけ痛みを感じにくいよう丁寧に打つことを心がけています。父から直接教わったわけではありませんが、医師として患者さんに向き合う姿勢は、父から受け継いでいるのかもしれませんね。
消化器内科を専門に選ばれたのは、どういう経緯だったのでしょうか?
大学卒業後は、日本大学病院の第三内科学教室で学びました。現在の消化器肝臓内科、糖尿病代謝内科にあたります。そこで消化器内科を専門に、さまざまな症例に向き合ってきました。そもそも消化器内科に興味を持ったきっかけの一つが、内視鏡や超音波検査だったんです。特に超音波検査は、体への負担が比較的少ない上、その場で行うことができ、診断の重要な手がかりとなります。そうした検査を通して病気を見つけ、必要な治療につなげていくことに魅力を感じました。その後も病院勤務を通して経験を重ね、2009年に開業しました。もともと草加以外の場所も考えてはいたのですが、やはり自身のルーツにあたる場所に自然と帰ってきた、そんな気がしています。
地域医療の中でどのような役割を担いたいと考えていますか?

何か困ったときに、地域の方がまず相談できる窓口でありたいと思っています。もちろん当院で治療が完結すれば一番良いのですが、高度な医療が必要な場合もあります。だからこそ、まず患者さんのお話を丁寧に伺い、診察し、必要な検査を行う。その上で異常が見つかったり、より専門的な検査や治療が必要だったりすれば、近隣の獨協医科大学病院や草加市立病院など適切な医療機関へ紹介します。「何科を受診すればいいかわからない」「病院へ行くほどなのかな」と迷うこともあると思いますが、そうした心配事を解決することも地域のクリニックの役割です。気になることがあれば、まず相談してもらえればと思います。
通院が難しくなっても、必要な医療が受けられるように
内科だけでなく、整形外科の診療も行っていますね。

はい。現在は水曜の午前中に、整形外科の医師による診療を行っています。来院される方の中には高齢の方も多く、膝や腰などの痛みに悩んでいる方もいらっしゃいます。痛みを抱えながら離れた整形外科まで通うこと自体が、負担になる場合もありますよね。当院であれば、普段の内科受診と併せて相談できますから、患者さんの負担軽減につながっているのではないでしょうか。もちろん、専門的なリハビリテーションや手術などが必要だと判断した場合には、適切な整形外科へ紹介しています。まずは身近な場所で相談していただき、必要に応じて専門的な医療へつなげていくことを大切にしています。
訪問診療にも、開業当初から取り組んでいらっしゃるとか。
そうなんです。開業した頃から、通院が難しい地域の方も診ていきたいと考え、訪問診療を行ってきました。現在は週に1回、昼休みなどを利用してそれぞれのお宅を訪問しています。状態によって月1回、月2回と診療の頻度は異なり、必要に応じて訪問回数を増やすこともあります。また、個人宅だけでなく、老人ホームの専属医として定期的な診療にも携わっています。開業から17年がたち、以前から当院に通ってくださっている患者さんも年齢を重ねてきました。そうした方が通院できなくなった後も、必要な診療やケアを続けていきたい、そんな想いからこの先もずっと続けていきたいと考えています。
訪問診療では多職種との連携も大切になるのでしょうか?

そうですね。ケアマネジャーさんや訪問看護師さんなどと連携しながら患者さんを診ています。異なる立場でも、一人ひとりの患者さんと向き合いたいという想いは同じです。状態について情報を共有してもらうこともありますし、必要な医療につなげていく上でも、周囲の方々との連携は欠かせません。私自身も、多職種が集まる勉強会や介護関係者との連携の会などに参加しながら、常に知識をアップデートし続けています。これから患者さんが50代、60代、70代、80代と年齢を重ねていけば、通院が難しくなる方も増えてくるでしょう。1つのクリニックだけですべてを担うのではなく、それぞれの専門職と横につながりながら、地域で患者さんを支える体制を整えていきたいですね。
「病院に行くほどかな?」という段階でも相談を
病気を早い段階で見つけることも大切にされていますか?

そうですね。どのタイミングで受診すべきかを一律に言うのは難しいのですが、私は症状を少し重めに考えて、必要だと思えば「念のため検査しましょう」とお勧めするようにしています。それで何も見つからなければ、「何もなくて良かったですね」と安心してもらえますから。もし検査で異常が見つかった場合、より専門的な治療が必要と判断した場合はすぐに専門の医療機関へ紹介しています。必要な検査を行い、次の医療へつなげることも、地域の身近な医療の窓口の重要な役割だと考えています。
生活習慣病の患者さんには、どのようなアドバイスをしていらっしゃいますか?
内科・消化器内科として、糖尿病など生活習慣病に関する相談を受けることも多いですね。薬による治療だけでなく、食事や体重管理もとても大切です。例えば糖尿病の患者さんの場合、薬をもらうことで安心してしまうこともありますから、体重について具体的な目標を設定し、「ここまで頑張りましょう」とお話しすることもあります。食事についても、何を食べるかだけでなく、時間をかけてゆっくり食べることや、食べる順番など、意識できることはいろいろあります。ただ、病気によって適した食事は異なりますから、管理栄養士など専門職との連携も大切です。今後、そうした専門家にもつなげられるようになれば、患者さんにより適したアドバイスができるのではないかと思っています。
最後に地域の皆さんにメッセージをお願いします。

「この程度の症状で受診していいのかな」「どの診療科へ行けばいいのかわからない」と迷われる方もいらっしゃると思います。ですが、どこが悪いのかはっきりしない段階でも、心配なことやちょっと不調だなと思うことがあれば、気軽に相談に来ていただきたいと思っています。診察や検査など当院で対応できることだけではなく、より専門的な医療が必要であれば適切な医療機関へ紹介します。また、年齢を重ねて通院が難しくなれば、訪問診療という方法もあります。これからも医療や介護に携わる地域の方々と連携しながら、患者さんが必要な医療につながるための身近な窓口であり続けたいですね。

