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山下 健 院長の独自取材記事

KENレディースクリニック

(生駒郡斑鳩町/法隆寺駅)

最終更新日:2022/03/15

山下健院長 KENレディースクリニック main

大和路線の法隆寺駅から徒歩3分、歴史が息づく街中にある「KENレディースクリニック」は、幅広い女性の悩みをサポートしながら骨粗しょう症の治療にも力を入れている。2021年5月に前院長から医院を継承した山下健院長は、基幹病院の産婦人科で部長を務めるなど、分娩や女性特有のがん治療にも数多く携わり、骨粗しょう症や女性内分泌学についても見識を深めてきた専門家だ。院内は淡いピンクや白を基調とした清潔感ある内装で、子育て中のスタッフが折り紙で作った人気キャラクターが飾られているなどアットホームな雰囲気。曜日によっては2診体制や女性医師による診療も行っており、助産師による産褥ケアや母乳相談などを開設し、「安心」で「わかりやすい医療」をめざしている山下院長に話を聞いた。

(取材日2021年6月3日/情報更新日2022年2月4日)

つらい症状や子育ての悩みにも対応

院長に就任された経緯を教えてください。

山下健院長 KENレディースクリニック1

前院長である新谷雅史先生とは奈良県立三室病院(現・西和医療センター)に勤務していた時に出会いました。新谷先生は当時産婦人科の部長を務めており、分娩からがん治療、手術まですべてを担当する姿に感銘を受け、私も幅広い分野で患者さんを診られる医師になりたいと思うようになりました。専門分野に特化した知識や技術が必要なのはもちろんですが、産科で分娩だけを担当するのではなく、婦人科分野である女性特有の病気なども治療できることが産婦人科の医師を志した者としての使命だと考えています。また、新谷先生は骨粗しょう症の治療にも精通しており、その点に関してもたくさんのことを学ばせてもらいました。そして約12年前、新谷先生が地域の女性のかかりつけ医となるべく、この地に開業され、2021年5月に私が院長に就任しました。

どのような患者さんが来院されますか?

当院では乳幼児への予防接種も実施していますので、赤ちゃんからご高齢の方まで幅広い年齢層の方が来院されます。初潮を迎えて間もない10代の小児期から成熟期、更年期、老齢期と年齢を重ねるごとに体の悩みは変化していくため、それぞれの症状に合わせた治療が必要なのは言うまでもありません。当院では分娩や手術は行っていませんので、妊婦健診は30週前半まで、専門的な治療が必要と判断される疾患が疑われる場合には、しっかりと治療を受けられる施設をご紹介しています。最近では日常生活に支障が出ることもある月経の症状を和らげるために低用量ピルを使用することもあります。これは避妊を目的としたものではなく、副反応などがないかきちんと血液検査を行った上で処方しています。海外では広く周知されており、日本においても少しずつ認識が変化してきていると感じています。

助産師が対応する外来も開設されたそうですね。

山下健院長 KENレディースクリニック2

私がこちらのクリニックに勤務する直前まで在籍していた奈良社会保険病院(現・JCHO大和郡山病院)で一緒に働いていた助産師が縁あって行動をともにしてくれました。産後の女性を少しでもサポートできればと思い、新たに外来を開設したのです。新型コロナウイルス感染症の流行下においてコミュニティの場も限られていますから、初めての妊娠・出産などで不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。赤ちゃんとの時間をより楽しんで過ごせるように、入浴の不安や夜泣きなど産後の生活において心配事などがあればご相談ください。また、乳腺炎など授乳期のトラブルは医師の診断が必要になることもありますが、母乳相談の場で乳房のお手入れなどを助産師がアドバイスします。育児において悩みはつきものですから、一人で抱え込まずにどんな些細なことでもぜひ気軽に受診してみてください。

骨粗しょう症の検査・治療にも対応

産婦人科を専門にした理由を教えてください。

山下健院長 KENレディースクリニック3

私は大阪で生まれ、小学校からは奈良で育ちました。中学校、高校、そして奈良県立医科大学医学部に進学し、医師を志しました。入学した頃は特に専門としたい分野を決めていたわけではなく、医学そして人間の体について学んでいくうちに生命の誕生における神秘性に魅了されたのです。この世に新しい命が生まれる瞬間に立ち会うことができるのは素晴らしい経験であり、医師としてその分野に関わりたいと強く思うようになったことがきっかけです。また、産婦人科は妊娠・出産のサポートだけでなく、女性特有の疾患を治療する診療科でもあります。どんな症状においてもきちんと対応できる医師になるべく、前院長である新谷先生に師事し、多くの臨床経験を積んだことが今の診療にも生かされています。

骨粗しょう症の治療にも力を入れていると伺いました。

もともと新谷先生が骨粗しょう症の治療に注力していて、私も勤務医時代に先生のもとで学ばせてもらいました。婦人科を標榜するクリニックで骨粗しょう症を診ることは全体的にもあまりないのではないでしょうか。当院では、DEXA法を使用し、骨密度の測定を行っています。腰椎と大腿骨頸部の2ヵ所を測定しますが、検査は数分で終了しますので、気になることがある方は一度ご相談ください。また骨密度の測定後に治療が必要と判断した場合には、当院にて治療が可能です。年齢や状態に合わせて骨粗しょう症診療のガイドラインに則った先進の治療を提供しています。

さまざまな面から女性をサポートしていますね。

山下健院長 KENレディースクリニック4

女性の体はライフステージに応じてさまざまな変化が起こります。初潮を迎える小児期から成熟期において受診理由として最も多いのは月経の悩みです。周期がバラバラ、月経中に気分が落ち込んだり体調が悪化したりする、強い月経痛や経血量が多いといった症状は、月経困難症や卵巣機能不全、月経前症候群(PMS)なども考えられます。また子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜症などの可能性も否定できません。つらい症状を仕方がないと我慢するのではなく、まずは専門の医師による診察を受けて、病気が隠れていないかを確認しましょう。月経中も心地良く過ごせるように、お薬を処方しますし、漢方薬も取り扱っています。一人ひとりの症状や体質に合わせて、より適した治療を提供できるように努めています。

女性が笑顔で自分らしく生きるためのサポート

休日はどのように過ごされていますか?

山下健院長 KENレディースクリニック5

今は家族と過ごすことが多いですね。以前はフルマラソンに挑戦するために、ジョギングをして体力づくりをしていました。今はイベントなどが中止になってしまうことが多く、マラソン大会が開催されていないので、最近は練習もさぼり気味ですね。奈良マラソンに3回、大阪マラソンに1回出場し、いずれも完走できました。走る機会が減ってしまったからなのか、少し体重も増加傾向にあるので、またチャレンジできる大会があれば挑戦したいと思っています。目標があると頑張れますからね。

2診体制や女性医師による診療も実施していますね。

前院長である新谷先生が副院長として週3回診療を行っていますので、その曜日は2診体制となっています。また土曜日の診察は奈良県立医科大学附属病院の女性医師が担当しています。同性の医師による診療を希望される場合には、気軽にスタッフにお声がけください。当院では分娩は行っていませんが、妊娠初期から中期までの妊婦健診を実施しています。ご家族の方も一緒に超音波映像を見ていただくことも可能ですし、分娩施設のご紹介もしています。また、閉経前後の40歳後半から50歳前半にかけて女性ホルモンの分泌が減少することから、一般的に更年期障害と呼ばれる症状が現れて受診する方も多く、症状に応じてホルモン補充療法や漢方薬の処方、プラセンタ療法などを行っています。

最後に読者へメッセージをお願いします。

山下健院長 KENレディースクリニック6

年齢に応じて変化する女性の悩みや症状に幅広く対応していますので、何か悩みや気になることがあれば一人で抱え込まずに相談してください。月経に関する悩みはもちろん、妊娠・出産において心配なことやライフステージによる体の変化に戸惑いを感じることもあると思います。地域の女性の方のかかりつけ医としてお役に立てればこんなにうれしいことはありません。当院は骨粗しょう症の治療も行っています。閉経後の女性は骨密度が減少し、骨折などで寝たきりになってしまう可能性もあるため、心配な方は一度測定することをお勧めします。「安心」で「わかりやすい」医療をめざしていますので、不安なことや疑問があれば、どんなことでも話してください。皆さんのお話をしっかりと聞きながら、これからも地域に根差したクリニックを目標に精進してまいります。

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