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尼ヶ崎 知也 院長の独自取材記事

あま歯科クリニック

(松江市/宍道駅)

最終更新日:2023/06/14

尼ヶ崎知也院長 あま歯科クリニック main

松江市宍道町の商業施設の中にある「あま歯科クリニック」。院長を務める尼ヶ崎知也先生は、大学で歯周病の治療を学び、勤務先のクリニックではオールマイティーな対応力と基本を大切にする歯科医療を学んだ歯科医師。それらの知識と経験を生かし、同院では幅広い患者の悩みや症状に対応。もう一つの柱は予防歯科で、定期検診やメンテナンス受診の割合も高い。子ども連れの患者のために保育士を採用し、スタッフの食事のために調理師を配置するなど、患者が通いやすくスタッフも働きやすい環境づくりに努める尼ヶ崎院長。取材中、われわれに対してもこまやかに気配りするシーンが幾度も見られ、日々の診療で患者やスタッフに真摯に対応する様子がうかがい知れた。そんな尼ヶ崎院長にこれまでの道のりや、同院の診療内容について話を聞いた。

(取材日2023年5月11日)

痛がりだった幼少期。だからこそ痛みがわかる

歯科医師をめざすきっかけというものはありましたか?

尼ヶ崎知也院長 あま歯科クリニック1

大阪で歯科医師をしている親戚に「歯科医師は面白いぞ」と言われたのがきっかけですね。それに、私自身が幼少期は泣き虫の痛がりでして。歯茎が腫れて痛かったときに歯科クリニックへ行ったんですが、そこでの治療がとても痛くて。子どもながらに、こんな痛みを子どもにさせるべきじゃないと思いました。痛みや不安感への配慮は、自分自身の幼少期の経験がつながっていると感じますね。虫歯をつくらなければ痛い思いはせずに済みますが、虫歯の治療が必要な際は、大人も子どももなるべく痛くない治療が提供できるよう配慮していますね。

現在の診療や思考の基礎になった出来事はありましたか?

大学を卒業した後は、多くの知識や技術が学べる場所で働きたいと思い、東京医科歯科大学病院に行きました。多くの歯科医師が初期研修を受けに来る場所だけあって、教えてくれる先生の知識と技術も深かったです。私は歯周病を学ぶ科にいたんですが、時間があればみんなで集まって勉強会を開いたりして、濃い2年間を過ごしました。その後は川崎にある歯科クリニックに勤務しました。そこは小児歯科に力を入れている歯科クリニックだったのですが、院長がオールマイティーに診療する先生で、一般歯科から入れ歯、インプラント治療、訪問診療まで、幅広い分野を手がけ、その技術力に驚き、感動しました。こんな先生になりたいと思いながら、たくさんのことを学びました。

開業するに至った経緯について教えてください。

尼ヶ崎知也院長 あま歯科クリニック2

開業することは昔から決めていました。それも自分の知っている地域で開業したいと考えていたので、島根での開業を選択しました。ただ、島根で開業するなら専門性を高めるのではなく、いろいろな分野で診療ができるようにならなければと思いました。私は、歯科医療はかけ算だと考えているんです。ある分野に対する知識や技術がいくら高くても、ほかの分野の力がゼロなら歯科医師としての力量はゼロなんです。もちろん都会であれば専門性を高めてその分野に特化することが大切です。しかし、田舎の歯科クリニックであれば、特定の分野の力を100にするのではなく、どの分野も80の知識と技術をバランス良く持つほうが多くの患者さんの力になれると考えています。そしてそれは今現在、実感していることでもあるんです。地域貢献というと堅苦しいですが、歯を健康に保つお手伝いをすることで、地域の皆さんの健康寿命を1日でも延ばせたらいいなと思っています。

患者視点で考える。マイクロスコープで精密な治療を

マイクロスコープを使用しているとお聞きしました。

尼ヶ崎知也院長 あま歯科クリニック3

歯科治療がかなり細かい作業であることは、皆さんご存じだと思います。根管治療になると、作業する患部は肉眼ではほぼ見えません。そうなると、長年培ってきた感覚を頼りに治療を行うしかないわけです。しかし、当院ではマイクロスコープを使用して、精密に患部の診察や治療を行うようにしています。細かい作業だからこそ、正確性を重視しています。「治療に通っているけど痛みが取れない」「痛いのに異常はないと言われた」という方も、マイクロスコープで見ると歯に亀裂が入っていたり、肉眼では見逃してしまいそうな小さな異常が見つかったりすることも。当院はどのような虫歯の治療にもマイクロスコープを使い、過不足なく虫歯の部分だけが削れるようにしています。歯は消耗品ですからね。歯を長持ちさせるためには、マイクロスコープが必要だと思っています。

患者さんの視点で物事を考えられていらっしゃるんですね。

幼少期の泣き虫で痛がりだったことが影響しているんでしょうね。麻酔を打つときも「ここに打てば痛みを感じにくいだろう」という場所が感覚的にわかるんです。内装にもこだわりましたね。歯科クリニックが苦手な方は、もう院内の雰囲気で気が滅入ってしまうんですよね。なので、空間のデザインや明るさ、香りなども工夫し、クリニックらしくない雰囲気づくりを意識しました。ほか、診療面では、患者さんにご理解いただきながら治療を進めることを大切にしています。治療前の説明はもちろん、治療する過程を動画で録画しています。治療後にその動画を患者さんに見てもらって、今日はどこをどんなふうに治療したかを実際の映像を見ながら説明します。あとは、患者さんの選択肢を奪わないように気をつけていますね。例えば歯にかぶせる素材。奥歯だから銀歯という決めつけはしません。患者さんに選択肢を提示して説明し、患者さんに決定してもらいます。

小児歯科についても教えてください。

尼ヶ崎知也院長 あま歯科クリニック4

大人と違って、お子さんは「できる」体験を積み重ねていくことが必要だと思っています。診察室に入ることができたら次は診察台に座る。それができたら診察台を倒す。それもできたら口を開ける。そういったスモールステップの先に、ゴールとして虫歯治療があると私は考えています。途中でお子さんの嫌がることがあれば無理強いはしません。お子さんがクリニックや治療の環境に慣れるまで、じっくり進めていきます。キッズスペースも楽しさや居心地の良さを意識して作りましたね。小さいうちから定期的に歯科クリニックへ通うことで、お子さんが成長した時に「美容院に通うのと同じ感覚で、定期的に歯科クリニックに通うのは当たり前」という意識を根づかせることができると思います。虫歯にかかるリスクを軽減するには、定期的に歯のメンテナンスを行うことが不可欠なのです。

予防も治療も。通いやすいクリニックづくり

こちらのクリニックにはどのような患者さんが多くいらっしゃいますか?

尼ヶ崎知也院長 あま歯科クリニック5

もちろん、虫歯治療の患者さんもいらっしゃいますが、最近は予防意識の高い患者さんが増えたように感じます。歯のクリーニングですとかメンテナンス、検査をしてほしいという患者さんは多いです。それから小さなお子さんを連れた患者さんも来院されます。お子さんではなくお母さんの治療ですね。保育士と連携し、そうした患者さんが来られる際に、スポットで来てもらいキッズスペースでお子さんの見守りをしてもらっています。

スタッフの皆さんが生き生きと働いている様子も印象的ですね。

ありがとうございます。患者さんはもちろん、スタッフたちにとっても良い環境を整えたいと思っています。スタッフ教育には力を入れていますね。ひと昔前のような「見て覚えて」といった状況だと、どうしても知識やスキルにバラつきが生じてしまいます。当院では3ヵ月の研修期間を設けているほか、独自のマニュアルを作成し、スタッフ全員が同じ理念を共有して同じレベルで対応できるように努めています。働く環境の整備にも力を入れており、給与やお休みの部分はもちろん、新たな取り組みとしてスタッフたちのために「まかないランチ」を始めました。1食200円とお財布に優しく温かいご飯が食べられるので、非常に好評です(笑)。スタッフたちも皆、勉強熱心でモチベーション高く働いてくれているので、院長としてその想いに応えられるよう努めていますね。

読者へのメッセージをお願いします。

尼ヶ崎知也院長 あま歯科クリニック6

当院では「歯を残す」ことを大前提に診療しています。患者さんの歯を1日でも長く、1本でも多く残していくというのが当院のコンセプトです。将来的に歯が残る確率を上げるには、虫歯や歯周病を予防することが大事です。健康寿命が延びている今、皆さんには歯のことで困らない人生を送ってほしい。虫歯を治療したらそれで終わりではなく、むしろそこからがスタートだと考えてもらえるようになると、うれしいですね。歯にトラブルや不安がある方はもちろん、何も症状がなく問題ないと感じている方も、一度来ていただければと思います。

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