赤柴聡院長の独自取材記事

オアシスデンタルクリニック

(新潟市中央区／新潟駅)

最終更新日：2021/10/18

新潟駅前の閑静な通り沿いにある「オアシスデンタルクリニック」。プライベートサロンのようにリラックスして治療が受けられるよう完全個室にこだわったクリニックだ。赤柴聡院長は「一人ひとりにじっくり時間をかけて、患者さんの思いをくみ取った治療に努めています」と話し、患者のために何ができるかを常に考え、日々の治療に臨んでいる。その姿勢が患者の支持を得たのだろう。2019年7月には建物の2階のみだった診療スペースを1階にも拡大。予防歯科目的でもさらに通いやすい場所になっている。一般診療のほか、インプラント治療やホワイトニングなどの審美歯科も積極的に行う赤柴院長。患者目線で考えたクリニックをつくり上げるに至った思いを聞いた。

（取材日2021年8月19日）

じっくり患者の話を聞き、治療を進めるスタイルを実現
歯に興味を持ってもらうために審美面からもアプローチ
スタッフとの連携や育成にも心を尽くす

じっくり患者の話を聞き、治療を進めるスタイルを実現

こちらを開業された経緯をお聞かせください。

こちらを開業する以前に、ショッピングセンターの中に「アピタフレンドリー歯科」を開業しており、そちらでもパーティションを設けてプライバシーが守られる状態で診療していたんです。ですがお口の中に関することはデリケートな内容も多く、話をされる時に小声になられる患者さんがよくいらっしゃったんです。その頃東京では完全個室スタイルでプライバシーを守って一人ひとりじっくり時間をかけて診療を行うスタイルが一般的になりつつありました。10年以上前の話なので、地方でそのスタイルが受け入れられるのか賛否両論はありましたが、自分はやってみたいという気持ちが強かったので、新潟駅前で新たに完全個室型のクリニックとして当院をつくることにしたんです。

ゆったりとスペースが取られているのがとても印象的ですね。

開業当初は、この建物の2階のみを診療スペースにして、完全個室型のユニットを3つ設置していました。患者さんにプライベートサロンのようにリラックスして治療を受けてもらいたかったのと、「痛くなってから来るのではなく、普段からケアに通ってもらえる場所」にしたかったからです。横で歯を削っている痛そうな治療音が聞こえにくい個室空間であれば、ケア目的の方も通いやすいんじゃないかと完全個室の診療スペースにこだわりました。実はこのクリニックは、内装設計の仕事をしている私の妻が設計してくれたんです。私の思いをくみつつ、妻は私にはない視点をたくさん持っているので、それらをうまく反映させて患者さん目線の居心地の良い空間に仕上げてくれました。

現在は1階にも場所を拡張されて診療を行っていらっしゃるんですね。

ありがたいことに、クチコミが広がって多くの患者さんに来てもらえるようになり、だんだん予約が取りづらくなってしまったんです。治療で来院された患者さんも、治療が終われば皆さんメンテナンスにシフトするため、ユニット3台だけではメンテナンス専用のスペースを確保するのがだんだん難しくなってしまいました。そしたら、たまたまこの建物の1階のテナントが空いたため、2019年7月に1階と2階をつなげてクリニックを拡張することにしたんです。現在は2階で歯科治療とインプラント手術などを行い、1階をメンテナンス・矯正・ホワイトニングの専用のスペースにしています。1階では基本的に「削る治療」は行わず、メンテナンスや審美ケアで来られた方に、歯科独特のキーンという音が聞こえないようにしています。あの音は患者さんにとって本当にストレスになるようで、スペースを分けたことで多くの方に喜んでいただけています。

歯に興味を持ってもらうために審美面からもアプローチ

歯をできるだけ削らない治療と併せて、予防歯科にも力を入れているそうですね。

歯は一度削ってしまうとどんなに完璧に治療を行ったとしても、そこにはミクロン単位のわずかな隙間ができて虫歯菌が侵入してしまいやすくなります。そう考えると自分の歯を長く保っていくことができる予防が絶対に必要です。当院には歯科衛生士が5人在籍し、予防ケアにあたっているとともに、矯正歯科医師も1人在籍し、歯列矯正にも対応しています。歯並びがきれいになると見た目が良くなるだけでなく、歯磨きで汚れが取れやすくなり、ケアもしやすくなります。予防歯科の観点からも歯列矯正は重要なのではないかと考えています。

インプラント治療も提供していると伺いしました。

歯をなくした場合は、ブリッジという選択肢もあるのですが、若い世代はインプラントを選択される方が多いんです。インプラントの需要が思いのほか高くて私自身も驚いたのですが、最近は患者さんもご自分でいろいろ調べておられるようで、入れ歯や両隣の歯を削らなくてはならないブリッジを敬遠される方が増えている印象です。インプラントがどのような治療なのか利点欠点を理解していただいた上で、患者さんにとって最善の選択肢なのかを一緒に考え、歯科医師として安心して治療を受けてもらえるように治療方針を提案させていただければと考えています。

ホワイトニングなどの審美歯科にも力を入れていらっしゃるのはなぜでしょうか。

自分自身が審美に興味があったというのが最初のきっかけでしたが、お口の中がきれいな状態になると、患者さんがご自身その状態を維持しようとする意識が働いて口腔内に興味や関心を持つようになり、それに伴って予防への意識も高まることが一番の大きなポイントです。そうした観点からも、審美歯科に力を入れることはメリットが大きいですね。ホワイトニングにはとても興味があったので、20年ほど前から勉強を始めて、以来、長年研鑽を積ませていただいています。多くの患者さんを見てきたからこそできるアドバイスもありますので、気になる方は一度ご相談に来ていただければと思います。

スタッフとの連携や育成にも心を尽くす

先生が歯科医師を志したのはなぜでしょうか。

祖父の代からずっと歯科医師という家で、若い頃は決められた道に進むような感じが嫌だなと思うこともあったのですが、やはり小さい頃から父たちが患者さんのために一生懸命働く姿を見ていたことが大きくて、自分もそういう環境でチャレンジしてみたいと思うようになりました。歯科医師になって間もない頃は新しいクリニックを立ち上げることや、技術を身につけることを一番に考えていましたが、こうして20年以上歯科医師をしていると、自分も年を取り、患者さんとの付き合いも長くなってきます。患者さんのライフステージも変わってくるわけで、できるだけ長く診てあげられる体制を整えたいと思うことが増えました。そのためには後継者も育てなければならないと今は考えています。私もようやく、祖父や父もこんな使命感を持って働いていたのかなと思いをはせられるようになってきました。

スタッフさんの育成についてはいかがでしょう。

私は本当にスタッフに恵まれているなと思っています。当院のスタッフのみならず、現在「アピタフレンドリー歯科」を任せている近藤元院長もとても優しい歯科医師で、患者さんのことを常に考えてくれています。歯科衛生士もコミュニケーションを大切にして患者に寄り添ってくれています。医療人として、治療の技術が優れていることはもちろん大切ですが、患者さんのために何ができるのかを考えることも大切な仕事です。私自身は後継者を育てる立場になりつつあると思っているので、スタッフの育成にも力を入れており週に1回は勉強会を行い、年に2回は当院とアピタフレンドリー歯科合同で症例検証を行い、知識や情報を有する機会を設けています。

先生が、この仕事に就いて良かったなと感じる瞬間はどんな時でしょうか。

やはり患者さんに「ありがとう」と言われた時です。若い頃は、患者さんの利益になる治療ができたという自分自身のスキルアップに対する喜びも大きかったのですが、だんだんシンプルになってきて、単純に患者さんに喜んでもらえるのが一番うれしいことだなと実感しています。もともと仕事をすることが好きなので、これからも患者さんと正面から向き合い、求められていることを柔軟に応えていける歯科医師であり続けたいと思っています。