三枝 欣也 院長の独自取材記事
さいぐさクリニック
(川口市/草加駅)
最終更新日:2025/02/27

東武伊勢崎線の草加駅から車で約10分。「さいぐさクリニック」は、主に内科・皮膚科・消化器外科・整形外科・婦人科と幅広い分野に対応し、美容皮膚科の診療や、川口市の特定健診、川口市の内視鏡検査を含む国保人間ドック、訪問診療にも力を入れるクリニックだ。「開業当初は内科と皮膚科でしたが、ご高齢の患者さんには整形外科も必要、検査の充実のためには消化器外科を……と拡大し、現在のようになりました」と、話すのは、院長の三枝欣也先生。わかりやすくしっかりと説明することを何より大切にしている。また、地域のクリニックの使命として病気を早く見つけて治療し、必要に応じて適切な医療機関につなぐほか、予防接種や在宅医療にも取り組んでいる。三枝院長に、診療体制や診療の際に大切にしていること、今後の展望などを語ってもらった。
(取材日2024年10月9日)
内科、皮膚科、消化器外科など幅広い診療科に対応
開業のきっかけを教えてください。

実家が産科・婦人科医院なので、もとは産婦人科の医師になって実家を継ごうかと考えていたんです。ところが医師になってこれから産婦人科を専門的に学ぼうと思っていた矢先、父が病に倒れ、数年かけて産婦人科の勉強をしてから継承する当初の計画が難しくなりました。方向転換を余儀なくされ、時代的に町のクリニックでの病気の早期発見・治療が求められていることもあり、内科と以前より興味のあった皮膚科のクリニックを開業することに決めました。この場所とのご縁ができたのは、友人の紹介です。患者さんは、ほとんどが近くにお住まいの方です。当院は道路から少し奥まっている立地のせいか、まだ「近くに住んでいたのに知らなかった」と言われることもあるのですが、開業から15年以上たち、少しは認識されてきたかなと思います。
内科、皮膚科、消化器外科、整形外科、婦人科美容皮膚科と、診療科目が幅広いのですね。
ええ。開業当初は内科と皮膚科で始めましたが、例えば、内科に来られた女性で貧血がひどく、子宮筋腫が疑われるようなケースもありますし、皮膚科で保険適用にならないしみ取りなどのご相談を受けることもあります。そこで婦人科については、もとは産婦人科の医師をめざして真剣に学んでいたこともあり、当院で対応できるものは対応することにして、皮膚科でも、美容などの自費診療とはなりますが、今では専用の診療室を設けて、美容皮膚科のケアも提供しています。ご高齢の患者さんは、整形外科治療を必要とする方も多いので整形外科も診察しよう、健診の充実とスムーズな治療のためには消化器外科もフォローしていきたいというように、患者さんの要望に応えて拡大していった結果、現在のような幅広い診療科目に対応するクリニックになりました。川口市の特定健診、内視鏡検査を含む国保人間ドックにも対応しています。
現在の診療体制について教えてください。

私を含めて5人の医師が診療を担当しています。私が担当する内科・皮膚科は毎日、整形外科と婦人科は月に数日専門の医師に来てもらっています。消化器外科の診療は毎週木曜で、午前中に経鼻内視鏡検査を行います。消化器外科担当の先生は、千葉県流山市の千葉愛友会記念病院の院長でもあるので、検査で胃がんや大腸がん、腹部ヘルニアなどが見つかった場合は、千葉愛友会記念病院での外科手術や治療へとスムーズに進めていけます。また、術後のケアを同院に戻って受けられるよう、連携体制を整えています。とても説明が丁寧な先生ですし、診察・検査から手術、退院後の診察まで同じ先生に診てもらえるのは、患者さんの安心につながっているかなと思います。
町のクリニックの仕事はしっかり説明すること
こちらでできる検査にはどのようなものがありますか?

経鼻内視鏡、超音波、エックス線、血液、CT、聴力、視力と、一通り必要な検査が行えるようにしています。CTだけは月に1回来る検査専用車にて検査を行いますが、それ以外はすべて院内での検査が可能です。市の健診などで病気を早く見つけて治療につなげることは、地域のクリニックの使命ですから、検査や健診は大切にしています。1部屋でほぼすべての検査ができるので、一人あたりの検査時間が短いのが特徴でしょうか。市の健診のほか、企業の健診も数多く行っています。
訪問診療も行われているのですね。
はい、開業時から対応しています。今のところ施設への訪問が多く、介護つき有料老人ホームをはじめ、特別養護老人ホームや住宅型有料老人ホーム、障害者・児支援事業所などを何軒か担当させていただいています。これまで基本的に一人で対応しており、24時間対応が求められると一人で対応するには限界があるので、今では夜間・休日対応の医師に協力してもらいながら対応しています。開業から数年間は旅行に出られなかったことは、今となっては懐かしく思われます。個人宅への訪問診療にも力を注いでおり、通院困難や家庭での療養に不安がある方などは、ご希望があれば診察に伺っています。また、夜中の出張診療にも対応しています。私一人が診られる人数には限りがありますが、一緒に訪問診療をやってくれる先生もいますので、力を入れていきたいです。
診療の際に、大事にしていることは何ですか?

わかりやすく、しっかりと説明することです。そうして説明して、患者さんに伝えたいことが届いた時にやりがいを感じますね。例えば、健診を受けて結果が送られてきても、数値を見ただけではよくわからないし、わからなければ結果を生かすことはできません。たとえ異常がなくても、何のための検査で、結果はどういうことを表しているのかとか、なぜ経過観察が3ヵ月になっているのかとか、よくわからないまま放置されることがないようにしっかり説明しています。町のクリニックの仕事は、説明することが大切だと思います。私以外の、外科や婦人科、整形外科の先生たちも説明をとても大切にしているのは同じです。そうして、内科はもちろん、婦人科、外科、皮膚科、どの分野でも詳しく説明できることが、当院の特徴といえるかもしれません。
必要とするすべての人に適切な医療を届ける
今後、さらに力を入れたい診療について教えてください。

まずは美容皮膚科です。女性限定で始めましたが徐々に男性からの相談も増え始め、現在は性別に関係なく施術を行っています。学生や20代の方からはニキビや脱毛、30代以降になるとしみや肝斑、ほくろに関する相談が多いです。中でもニキビの治療については、基本的には保険適用の塗り薬や内服薬の処方をメインに診療を行っています。漢方薬の処方のほか、ニキビができにくい肌にするには、生活習慣の改善や塗り薬を正しく使うことも大切。そういった話も診療の中で詳しくお伝えしています。美容皮膚科を担当する先生自身が若い頃にニキビに悩んだ経験から、熱心に力を入れて診察していますので、「美容皮膚科に興味があるけれど、どこに行ったらいいか迷う」という方も、ぜひ当院でお悩みをお聞かせください。
美容皮膚科の他に注力したい分野はありますか?
当院では、新型コロナウイルスやインフルエンザ、子宮頸がん、肺炎球菌など各種予防接種・ワクチン接種を行っています。インフルエンザの予防接種に関しては毎年10月頃から始まり、院内での接種に加えてご希望があれば企業や施設を訪問しての接種も可能です。例年インフルエンザがはやり始める12月頃に接種される方が多いのですが、ワクチンを接種して抗体ができるまでは2週間ほどかかりますので、流行がピークを迎える12月より前、10月から11月の間に予防接種を受けられることをお勧めします。クリニックに来ていただければ予約なしで受けられますから、シーズンになりましたらお越しください。
最後に、地域の方へのメッセージをお願いします。

地域のクリニックの使命は2つあると思っています。一つは、病気を早く見つけて適切な治療につなげること。もう一つは、医療機関を受診することが困難な人など、必要とする人に適切な医療を届けることです。当院は内科に限らず幅広く診療を行い、訪問診療にも対応していますので、困り事がありましたら気軽にいらしてみてください。他の医療機関で受けられた健康診断について、郵送で送られてきた診断結果について詳しく知りたいなどのご相談も大歓迎です。説明が少なかったり、患者さんが気を使ってカチカチになってしまったりするような医療は違うと思っています。私たちは「開かれた医療」、「しっかり説明するオープンな医療」をめざします。お困りでしたらお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは国保人間ドック検診/30歳〜64歳 9900円、65歳〜74歳 6600円、しみ(肝斑)のレーザー治療/1万6500円~、しみ取り/1万1858円~、脱毛(両わき)/6930円~※部位や金額によって費用が変わります、にんにく注射/1320円~、更年期障害に対するプラセンタ注射/1210円~、ピアス(片耳)6500円~