西蔭 誠二 院長、西蔭 美和 副院長の独自取材記事
西蔭メディカルクリニック
(鹿児島市/天文館通駅)
最終更新日:2025/04/07

鹿児島市電1系統・天文館通駅から徒歩3分と通いやすい立地の「西蔭メディカルクリニック」。医師の夫婦が2人で診療にあたり、院長の西蔭誠二先生が血管外科と内科を担当。副院長の西蔭美和先生が形成外科と美容皮膚科を担当している。2008年の開業以来、専門性にこだわった医療を提供しながら、地域医療に貢献している。中でも誠二院長が積極的に取り組むのが下肢静脈瘤の治療。一方、美和副院長は女性医師ならではの視点で、皮膚や外形の悩みに向き合っている。やわらかな笑顔と明るく穏やかな人柄が印象的な2人に、診療や患者に対する思いなどを聞いた。
(取材日2024年11月19日)
鹿児島に気軽に通える血管外科、形成外科クリニックを
お二人はなぜ、それぞれの科の医師を志したのですか?

【誠二院長】もともと外科志望で、東京大学医学部を卒業後は東京大学医学部附属病院の第一外科に入局し、胃がんや乳がんなどの手術に携わってきました。その中で、血管の病気を抱える患者さんが増えてきたこと、動脈硬化など欧米型の病気が今後も増えていくであろうことを肌で感じ、血管外科を志しました。
【美和副院長】形成外科は、体表面の先天的な奇形やけがの痕などを、機能面だけでなく見た目の美しさにも配慮して治療する科です。患者さんが毎日を前向きに生活するための手助けをし、QOL(生活の質)の向上に貢献できればと形成外科を志しました。東京女子医科大学を卒業後は、東京女子医科大学病院の形成外科などに勤務しながら、美容皮膚科のクリニックでも経験を積みました。そこでニキビに悩む若い患者さんが、明るさを取り戻していく姿を見て、美容皮膚科の必要性も感じるようになりました。
開業したきっかけを教えてください。
【美和副院長】2人とも東京で勤務医として働いていましたが、当時は子どもがまだ小学生だったので、一緒に過ごせる時間の少なさなどに悩んでいました。それで開業を考え始め、子育てのためにも環境の良い鹿児島が良いのではないかということになりました。鹿児島は私の地元で、地域の医療に貢献したいという思いもありました。
【誠二院長】最初は通りに面したビルに小さなクリニックを構え、診療を始めました。血管外科や形成外科を標榜する医療機関は、大学病院などの大きな病院が多いので、当クリニックのようなクリニックは鹿児島ではまだ珍しかったですね。その後2016年に現在の場所に移転し、患者さんが快適に過ごせるよう待合室を広く作り、手術の後に休める回復室も設けました。診察の前に着替えてもらうことも多いので更衣室も設置し、受診しやすいクリニックづくりに努めてきました。
扱っている疾患について教えてください。

【誠二院長】私は下肢静脈瘤や動脈硬化の疾患を中心に、生活習慣病の管理、風邪の診療なども行っています。中でも力を入れているのが、下肢静脈瘤の治療です。動脈硬化で足の血液の流れが悪くなり、痛みなどを引き起こす末梢動脈疾患の診療も行っています。しばらく歩くとふくらはぎが痛み、少し休むと痛みが引くという症状を繰り返す間欠性跛行が特徴的です。この疾患は心筋梗塞や脳卒中などを合併することが多いため、全身の動脈硬化症にも目を光らせておく必要があります。動脈硬化は進行すると、死に至る病気にもつながり、当クリニックでは動脈硬化血管検診を行う他、高脂血症や高血圧といった生活習慣病の管理にも力を入れています。
【美和副院長】私は、粉瘤や脂肪腫、ほくろなどの皮下・皮膚腫瘍の摘出手術から、傷、巻き爪の診療、ニキビケア、しみなどのエイジングに関することまで対応しています。
日帰りで手術が可能。経験豊富な下肢静脈瘤治療に注力
下肢静脈瘤とはどういう病気で、どんな治療をするのでしょうか?

【誠二院長】下肢静脈瘤は、足の静脈が膨れ上がって血管が浮き出たり、くもの巣状に血管が広がって見えたりする病気です。むくみやこむら返り、皮膚の色素沈着などの症状も見られます。多くの場合その進行は緩やかですが、残念ながら自然に治ることはありません。主な治療法は、下肢静脈瘤専用のレーザー治療器やラジオ波の治療器を用いた血管内焼灼術です。静脈瘤の原因となる血管に細い治療器具を挿入し、レーザーやラジオ波の熱で静脈の閉塞を図り、改善をめざします。手術は日帰りでできます。
下肢静脈瘤の患者さんの年齢層、リスクファクターについて教えてください。
【誠二院長】当クリニックで手術を希望される方は60代が一番多いです。その次が70代、50代と続き、90歳を超えて手術を望まれる方もいます。症状があっても何年も放っていたという方も多く、早ければ40代から気になり始める方もいるのではないかと思います。昔は日帰り手術ができるところも少なく、仕事が忙しい時期には手術に踏みきれなかったことから、60代以降の受診が多いのではないでしょうか。女性に多い病気ですが、男性に生じることもまれではなく、当クリニックでの男女比は1対3くらいです。特に出産経験のある女性や立ち仕事の方などは生じやすいとされています。親族にかかったことのある方がいる場合も要注意です。ただし、座り仕事でもなる方もいますし、5人の出産経験があっても発症しない方もいて、リスクファクターが必ずしも当てはまらないこともあります。
受診のタイミングは、どのように考えれば良いでしょうか?

【誠二院長】気づくきっかけは、やはり見た目の変化が多いと思います。あとは、足がつる、湿疹が治らない、足が重たいといった症状で来る人もいらっしゃいます。放置しても命に関わるような病気ではありませんが、進行すると皮膚炎や潰瘍ができてしまうことがあります。その治療には時間がかかり、完全に戻りきらないこともあります。ですから、悪化する前の早めの治療が大切です。手術の所要時間は、術後の安静時間も含めて、トータルで3時間程度です。局所麻酔に加えて、少し眠くなるような鎮静剤も使います。手術が怖くて踏みきれなかったという方に、「もっと早くやっておけば良かった」と言ってもらえることをめざしています。
形成外科の手術件数も多く、エイジングケアにも着手
異なる専門性のお二人が1つのクリニックで診療するメリットはありますか?

【誠二院長】私たちは2人とも外科の医師なので、1人でやりにくい処置をお互いに手助けできる点や相談できる点はメリットだと感じます。開業医は1人でやっていると、まれに判断に迷うことがあっても、その場ですぐに相談できる相手がいません。その点は心強いですね。
【美和副院長】院内の掲示物を見て、「こんな治療をしているのね」と血管外科に興味を持たれる方もいます。また、足の爪が痛いと形成外科を受診してみたら、実は血流の悪さが原因で、血管疾患が見つかるというようなケースもあります。
形成外科・美容皮膚科で特に多く扱っている症例はありますか?
【美和副院長】最近は、皮膚腫瘍やほくろなどを取りたいという方が、近隣の皮膚科などから紹介されていらっしゃることが増えています。ニキビに悩む方への治療、しみのお悩みにレーザーを用いたケア、お顔全体のケアを希望される方も多いですね。また、そういった外側からのケア以外に、疲労回復を目的とするなど体の中からのケアも大事だと考え、2023年にクリニックのビルの1階に専用のお部屋を新設しました。プライバシーが守られたスペースにリクライニングソファーを置き、ゆっくりしていただくことでリラクゼーション効果も期待しています。こちらは自費診療ですが、幅広い方にお勧めしております。働き盛りの年代の男性もいらっしゃいますよ。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

【美和副院長】患者さんの希望や悩みをよく聞いて、じっくり相談しながら診療方針を決めるようにしています。そのために、患者さんが話しやすく、相談しやすい医師でありたいですし、皆さんの健康を維持する手助けができるクリニックにしていきたいと思っています。
【誠二院長】私も診療の際は、何に困っていて、どう治療するのが適切かを正確に見極めるため、患者さんの話をさまざまな方向からよく聞くようにしています。納得して治療を受けてもらえるよう、病状や治療方針をわかりやすく説明することも心がけています。当院では、血管外科や形成外科でお悩みの患者さんが気軽に来院しやすい環境をつくり、専門的な医療を提供することで、地域医療に貢献したいと考えています。気になる症状がある方はぜひご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはしみのケア/1万5000円〜
巻き爪治療/7000円〜、動脈硬化血管検診/1万5000円〜、ニンニク注射/1100円~