長引く不調は病気の予兆?
体質と片づけずおなかの専門家に相談を
あかなべひろせクリニック
(岐阜市/岐南駅)
最終更新日:2024/07/08


- 保険診療
胃や腸の検査の代表格といえる内視鏡検査は、つらそう・苦しそうなどのイメージもあって、不調を抱えていたり、あるいはがん検診や人間ドックで要再検査の判定が出たりしたとしても二の足を踏んでしまう。中には、「体質だししょうがない」「きっと大きな病気なんて見つからない」と検査を先送りにする人も、少なくないのではないだろうか。長年にわたり内視鏡検査の研鑽を積み、開業後も数多くの検査を手がける「あかなべひろせクリニック」の廣瀬洋一郎院長は、「異常の指摘は見過ごしてはいけませんし、長引く不調には必ず何かしらの原因があります」と話す。生活の質にも大きく関わる胃腸をより良い状態で保てるよう、診療に励む廣瀬院長に、注意したい症状や受診のポイント、かかりつけクリニックとの付き合い方などについて話を聞いた。
(取材日2024年5月16日)
目次
適切な診察と検査が安心への一歩に。かかりつけ医の力を借りて、健やかな毎日を送る
- Q見過ごしてはいけない消化器の症状などを教えてください。
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A
▲仕切りもあり、落ち着いて下剤を飲むことができる
胃腸の痛みやのどの詰まり感、胸焼け、便秘、下痢、吐き気や嘔吐、食欲不振などが長期間続いていて、原因がわからず改善しないままでいる場合は、消化器内科に相談するのが望ましいです。少なくとも1ヵ月以上症状が続いていたら、まずはご相談ください。さらに人間ドックやがん検診などの結果、精密検査を受けるようにとの指摘があった場合も、重大な病変が隠れている可能性があります。よく「昔から体質で」「小さい頃からこういうものですから」とおっしゃる方がいますが、生活に支障を来すような症状は、体質で片づけられるものではありません。改善するためには適切な診断と治療が必要ですから、時間を空けずに専門家に相談しましょう。
- Qお尻を見られることなど、大腸の検査に恥ずかしさを感じます。
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A
▲広く清潔感のある待合室
デリケートな部分を扱いますから、恥ずかしさを覚えるのは当然のことです。検査の前処置でトイレに何度も行くのを躊躇する方がいることを考慮し、前処置室と専用のトイレは外来患者さまの目につきにくい位置に設けました。女性の場合、男性医師の診療に抵抗感を覚える人もいらっしゃると思います。そこで診察の際は原則的に女性看護師が同席の上で、タオルで腰回りを隠すようにして極力デリケートゾーンを直視することのないよう配慮しています。もし肛門部などを目視することがあるとしたら、肛門診など特別な診察が必要な時か大腸内視鏡の挿入時のみです。当院では患者さまに少しでも抵抗感なく診察や検査を受けていただけるよう努めています。
- Q仕事が忙しく検査を受ける時間をつくれない方も多いと思います。
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A
▲患者へのさまざまな配慮を行っている
当院では、あえて睡眠薬は使用しないで内視鏡検査を行うことを原則としています。また大腸の内視鏡検査では、前処置の時間が別途必要となるため難しいですが、胃の内視鏡検査の場合、午前診の前に実施することで、検査が終わってお帰りになる時間を原則9時30分に設定しています。一般的に睡眠薬を使用して検査をすると、検査終了後も薬が覚めるまでの数時間を病院内で過ごす必要があります。睡眠薬をあえて使わないことによって、検査後すぐに元の生活に戻れるという点と、内視鏡開始時間を配慮することで、特にお仕事等で忙しい患者さまには、当院で内視鏡検査を受けていただくメリットをご提供できるのではないかと私は考えています。
- Q内視鏡検査はどのようなタイミングで受けるべきですか?
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A
▲院内は広く、全室個室でプライバシーに配慮
胃の検査は1、2年に1回の頻度での実施がお勧めです。なおヘリコバクターピロリ菌に感染している場合、胃がんのリスクがありますから、胃の検査経験がない患者さまは必ず検査をしていただきたいです。一方で大腸の検査は、大腸がん検診で異常が見つかった場合や、おなかの苦痛が見られる場合に必要なケースが多いです。特に大腸腺腫というポリープは成長するとがんになることはよく知られています。このため悪性になる前に取り除くのが望ましいです。また大腸のポリープは一度切除しても、時間とともに別の場所に新たに発生する可能性があります。ですからポリープを切除した方は、経過観察のため以後も年1回で検査を受けると良いと思います。
- Qかかりつけクリニックで検査を受けるメリットとは何でしょうか?
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A
▲経験豊富な先生が患者に向き合い説明してくれる
胃にしろ大腸にしろ、内視鏡検査は苦しさなどが伴います。その度合を左右するのが医師の経験値だと、私は考えます。嘔吐反射の度合い、大腸の走行や腸管の緊張性などは、当然ながら患者さまによってさまざまであり、個人差があります。かかりつけ医であれば、毎回異なる医師が検査を行うといったことはありませんし、医師側も検査を重ねるごとに患者さまの特徴を深く理解できるようになります。関係性を築くことで安心感を得る方もいるでしょう。そういった意味では、同じ医師に検査をお願いすることもまた、苦痛の軽減につながるのではないかと私は思います。