病気の芽を早急に摘み取るための
体と心に配慮した大腸内視鏡検査
あかなべひろせクリニック
(岐阜市/岐南駅)
最終更新日:2024/07/05


- 保険診療
健康診査で便潜血が陽性だった、よく下痢をする、おなかが張るなど、大腸内視鏡検査を受けるか検討するきっかけはさまざま。検査の必要性は感じる一方で、排便などデリケートな内容を扱うことが気になったり、検査に際して下剤を飲まないといけない、検査時に痛みや苦しさが伴うことが心配になったりし、検査をためらう人は少なくない。消化器病の専門家として数多くの検査を手がけてきた「あかなべひろせクリニック」の廣瀬洋一郎院長は、「技術を磨き挿入法を工夫することで、患者さまの苦痛の軽減はめざせます」と話す。検査時にはあえて麻酔などを用いないという廣瀬院長。そんな廣瀬院長に、大腸内視鏡検査で発見が期待できる病気をはじめとする基礎情報、苦痛の原因やそれを軽くするために行っていることなどを、検査の流れの解説と併せて聞いた。
(取材日2024年5月16日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q大腸内視鏡検査で発見につなげられる病気を教えてください。
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A
主に腫瘍性病変と炎症性疾患を見つけることを得意とします。腫瘍性病変とは、良性であれば腺腫性ポリープなど、悪性であればがんですね。患者さまの事前同意があれば、検査時にポリープが見つかった際に内視鏡的に同時切除したり、がんが疑われる病変があった際には病変部分を一部採取して検体検査に出し、悪性であるかどうかを調べることもできます。また特異的炎症性腸疾患の代表が潰瘍性大腸炎やクローン病です。他にも、虚血性腸炎や大腸憩室出血や大腸憩室炎、腸結核、腸管ベーチェット病、切れ痔などを調べるのにも、大腸内視鏡検査が役立ちます。
- Qどのような場合に、大腸内視鏡検査を検討したらいいでしょうか?
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A
健康診査で便潜血の結果が陽性であった場合は、出血の原因を探るため大腸内視鏡検査が必要と考えます。排便時に血が混じっている場合も同様です。また、がん検診などでは特に異常の指摘はないものの、1ヵ月以上腹痛が続いている、あるいは吐き気、おなかが張った状態が続いているなど、原因不明なおなかの不調で日常生活に支障を来している場合も、必要に応じて検査を勧めます。なお、家族性大腸ポリポーシスといって大腸に多数のポリープができる遺伝的な病気もあります。検査で異常の指摘を受けたり、原因不明なおなかの不調が続いている、また血縁関係のあるご家族でポリープができやすい人がいる場合は、検査をご検討いただきたいですね。
- Q大腸内視鏡検査は痛い、苦しいと聞くので不安です……。
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A
例えば検査中のおなかの痛みは、腸壁を引っ張りすぎないように内視鏡を操作することで、痛みの大幅な軽減が図れます。またおなかが強く張るような苦しさについても、過剰な送気は避け、観察後は必ず余分な空気を抜くことで対策することができます。当院では原則として麻酔処置は行っておりません。検査中の患者さまの異変に気づきにくくなりますし、麻酔が完全に覚めるまで、回復室で長時間お休みいただいたり、当日は車の運転を控えていただく必要もあります。アレルギーや呼吸抑制といった重大な副作用もあります。お薬の使用はメリットだけでなくデメリットも伴います。使わなくても良いなら、それに越したことはないというのが私の考えです。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1診察を受け、事前説明を聞く
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問診、視診、肛門診といった触診など基本的な診察を受ける。診察に際して直近の人間ドックや健診の結果を持参すると、「検査を行うべきかの判断材料が増えるのでありがたい」と廣瀬院長。診察では気になる症状のほかに、既往歴や家族歴、治療中の病気や服用中の薬の情報などを伝える。血液をサラサラにするための抗凝固剤を服用している場合は休薬が必要な事も。診察の結果、大腸内視鏡検査が必要と判断されたら、検査日を決める。
- 2指示を参考に前日夜の食事を済ませる
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検査日が決まったら、検査前日から当日、検査後までの流れと注意点の説明、食事内容の指示などを受ける。指示に従い、検査前日まではアルコールやタバコ、コーヒーや紅茶、炭酸飲料、ジュース、牛乳などの摂取を控え、検査前日は夜21時までに繊維質の少ない消化の良い食事を済ませる。以降は絶食で過ごし、口にできるのは水やスポーツ飲料などの水分のみ。下剤を飲んで就寝する。
- 3所定の時間に来院し、下剤を服用する
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検査当日は1リットル程度の水またはお茶を持参し、朝9時までに受付を済ませる。受付後、専用の処置室に移動し体調を確認後、下剤2リットルを約90~120分かけて服用して排便する。なお同院では処置室のすぐ横に検査を受ける患者専用のトイレが備えつけられている。排泄物は廣瀬院長または看護師が適宜確認し、残渣がほとんどなく、排泄物が無色あるいは黄色い状態となったところで大腸内視鏡検査に進む。
- 4大腸内視鏡検査を受ける
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検査室に移動し、横になって検査を受ける。同院で初めて検査を受ける場合、内視鏡の挿入から終了までにかかる時間はおおよそ30分〜1時間。「少しでも痛みや苦しさが出てしまえば次回以降の検査のハードルが上がってしまいますから、初めての人ほど慎重に検査を行います」と廣瀬院長。ポリープが見つかれば、必要に応じて同時切除を図ることも。なお、検査中は大腸の様子をモニターで一緒に見ることもできる。
- 5休息後、検査結果の説明を受ける
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検査が終わったら処置室に移動し、30分程度休息する。休息後、診察室に移動して、検査結果の説明を受ける。特に異常が認められなかった場合は、その日のうちに検査結果の説明を聞くことができる。一方、ポリープ切除術を行った場合は、切除後約1週間は刺激の強い食事やアルコールなどの摂取、激しい運動や腹圧のかかるトレーニング、入浴を控える。その後、医師が指示した日に再診し、術後経過の確認と病理結果の説明を受ける。