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島野 直人 院長、吉松 靖子 先生の独自取材記事

島野医院

(大阪市西区/西長堀駅)

最終更新日:2023/11/14

島野直人院長、吉松靖子先生 島野医院 main

「腹痛や足の痛みなど一つの症状に対して、内科や婦人科、外科など複数の観点を踏まえて診察できることが当院の強み」と語るのは「島野医院」の島野直人院長。2009年に開業して以来、内科、外科、肛門外科、婦人科、リハビリテーション科を掲げ、地域住民の幅広い悩みに対応してきた。外科の医師として、外科治療に携わりながら慢性疾患の患者の健康管理にも注力してきた、島野院長ならではの経験が生かされている。婦人科の吉松靖子先生とも連携をとり、女性の健康支援にも力を入れる。今回は、院長の島野先生と婦人科を担当する吉松先生の2人に同院での診療やそれぞれが大切にしていることについて話を聞いた。

(取材日2020年7月20日)

内科や外科と婦人科が連携。複数の観点からアプローチ

診療科が多岐にわたっていますね。

島野直人院長、吉松靖子先生 島野医院1

【島野院長】当院は、日本外科学会外科専門医の私と日本産科婦人科学会産婦人科専門医の吉松先生で、内科から婦人科、外科まで幅広く近隣住民の方々の悩みに対応しているのが特徴です。風邪などで体調を崩した方の処方はもちろん、糖尿病などの慢性疾患、けがをした時の縫合、たこ・うおのめの処置、痔の日帰り手術も行います。他にも、睡眠時無呼吸症候群に対する治療や、認知症、精神的な悩みなど、さまざまなご相談に対応しています。検査機器や設備面の充実にも力を入れており、レントゲン検査、経鼻内視鏡検査、血圧脈波検査が可能です。長引く咳や痰に対しては、肺機能を測定するスパイロメーター検査も実施します。

患者さんはどのような方が多いですか?

【島野院長】大阪・西区という地域は、お年寄りの方が多い一方、ファミリー層が増加傾向にあり、子どももたくさんいるためにぎやかな街です。また、ビジネス街に近いことから働き盛りの若い男女もいらっしゃいます。そんな環境のため、最初は当院に、おじいちゃん・おばあちゃんが診察に来られ、その後、お孫さんを連れて来てくださり、今度はそのお父さん・お母さんが来られるといったように、家族ぐるみでお付き合いさせてもらうことも多いですね。禁煙相談も行っているのですが、ある方が禁煙相談にいらっしゃると、「自分もできるかも」とその方の喫煙仲間の方々も連れだって相談にいらっしゃることもありました。開業して11年になりますが、当院のアットホームな雰囲気は、患者さん方によって醸成していただいていると実感しています。

内科と婦人科の連携に注力されていると聞きました。

島野直人院長、吉松靖子先生 島野医院2

【島野院長】内科に相談に来られた方でも、婦人科系疾患の疑いがあれば、当院では婦人科の吉松先生と連携して診ることができるようにしています。この地域は若い女性も多く、腹部の痛みを訴えられる場合、それが腸管関係の内科的なものによる痛みなのか、婦人科系の疾患からくるものなのか、見極めが重要です。ご自身でどの科に行ったら良いか判断がつきにくい場合もあると思いますので、当院では各科の連携を大切にしています。例えば、「足が痛い」という症状に対しても、整形外科的な理由か、内科的な理由なのか。必要となればすぐに血液検査を加えて、原因を探ります。このように一つの症状に対して、一つの院内で複数の観点から診断ができる体制を整えています。

女性の健康を考える上で切っても切り離せない「月経」

婦人科について教えてください。

島野直人院長、吉松靖子先生 島野医院3

【島野院長】開業当初は妻が婦人科を担当していたのですが、子育てなどで続けることが難しくなり一時休診していたところ、妻の姉である吉松先生にお願いすることになりました。
【吉松先生】2017年から非常勤で婦人科を担当しています。近隣には20代、30代の女性の方も多くいらっしゃり、この年代は婦人科系疾患の症状が一番出やすいとも言えます。この年代の方々に対しては、子宮内膜症や子宮がん、性感染症など将来的に不妊につながってしまうような病気を早期に発見して未然に防ぎたいという思いが強くあります。

ピルでの治療にも力を入れられているとか。

【吉松先生】ピルは避妊目的で処方されるイメージがありますが、月経困難症と呼ばれる月経痛の緩和や月経不順の緩和などの目的でも使用されます。妊娠を積極的に考えていない方であれば、長期にわたって使うことも可能です。最近は認識も広がり、患者さんのほうからピルを使った治療を受けたいと希望される方も増えてきています。しかし、気をつけなければならないのは血栓症のリスクです。ピルを飲むことにより血液の凝固能が発生し、血液がたまりやすくなるんです。これについては定期的に血液検査をして症状を聞きながらフォローをしています。生理痛のひどい方や、少しでも話を聞いてみたいという方は気軽に相談ください。

婦人科の診察の流れや診察の際に大切にしていることを教えてください。

島野直人院長、吉松靖子先生 島野医院4

【吉松先生】婦人科の場合、月経周期に合わせた治療をすることが多いのですが、基本的に初診時は周期の途中であるため、周期を一旦リセットする意味で2週間後、もう一度受診してもらうようにしています。その後、治療方針を決め、1~2ヵ月に一度の割合で、通院してもらうことになることが多いです。また、婦人科受診をためらう理由の一つに、内診台に乗ることへの不安や抵抗感があると思います。当院では初診時にいきなり内診台に座っていただくようなことはせず、問診を経て信頼関係ができ、診てもらっても良いなと思っていただいたタイミングで、内診台をご案内しています。

女性の健康を考えていく上で必要なことは何でしょう。

【吉松先生】女性にとって月経は、体への影響を考えると切っても切れない関係にあります。そのため、日ごろから月経周期を意識することはとても大切なことです。私が内科で女性の患者さんの診察をする際は、いつ最後の生理があったかもお聞きするようにしています。これは、妊娠の可能性を考える上で大切な質問でもありますが、会話を通して月経に関する状況や不安を教えてくださる場合があるからです。月経の出血量が多い場合は、子宮内膜症などの病気の発見につながることもあります。月経周期や出血量などをご自身で把握しておくことをお勧めしています。

地域に根づき、頼られる存在をめざして

患者さん一人ひとりと向き合う診療スタイルだそうですね。

島野直人院長、吉松靖子先生 島野医院5

【島野院長】診療では、患者さんの話をよく聞くことと、自分の目や手でしっかりと症状を確認することを大切にしています。患者さんのお顔をよく見ていると、患者さんは本当にたくさん話をしてくれ、それが適切な治療につながります。開業以来から通院してくださっている方に、「先生の患者を尊重するスタイルはずっと変わらないね、そういうところが好きだな」と言っていただいたことがありました。また、大学病院勤務時代に外科で担当していた方が、私の開業を知り、わざわざ遠方から通ってきてくださっています。患者さんとじっくり向き合い、そこから信頼関係を築くことを何より大切にしてきたので、そんな言葉や行動はとてもうれしいですね。

医師会活動にも積極的に関わられているとか。

【島野院長】病気だけを診るのではなく、地域に根づいた「町医者」として住民から頼られる存在になるのが夢なんです。医師会では、医師だけでなく、歯科医師や薬剤師、行政の方、消防署や警察署の方、ケアマネジャーや民生委員の方々からなる「認知症初期集中支援チーム」、通称「オレンジチーム」として、医療が届きにくい方に対する支援活動もさせてもらっています。このような活動があることを広く皆さんに知ってもらい、利用いただけるような環境を増やしていくことにも注力したいと考えています。

最後に読者にメッセージをお願いします。

島野直人院長、吉松靖子先生 島野医院6

【吉松先生】婦人科にかかったことがない人や若い人にもぜひ気軽に来院してほしいですね。私自身、それぞれの年代の女性が抱える悩みを実際に体験してきましたので、自分の経験も踏まえて、不安に寄り添うことができますし、若い方々には母親のような立場でお話をお伺いできます。婦人科が、皆さんにとってもっと身近になってもらえるように努めてきたいと思っています。
【島野院長】この地域は、基幹病院が多く、専門的な治療が必要な場合は適した病院を紹介し、受け入れてもらえることができます。今後も皆さんのあらゆる健康に関する最初の窓口として相談に乗らせていただき、状況に合わせて適切な病院を迅速に紹介できるよう、病診連携にも尽力していきたいと考えています。お悩みのことがありましたら、どんなことでもご相談に来てくださいね。

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