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小西 由美子 院長の独自取材記事

小西医院皮ふ科

(大田区/西馬込駅)

最終更新日:2026/10/09

小西由美子院長 小西医院皮ふ科 main

西馬込駅からほど近い住宅地にある「小西医院皮ふ科」は、地域で広く親しまれる医院だ。小西院長は「私は皮膚科が専門ですが、今では皮膚科以外の症状や困り事も伺うホームドクターの役割も担っています」と語る。患者の全身を診る経験をしたいと大学病院の麻酔科に10年以上勤め、皮膚科に転身後もすでに30年のキャリアを重ねた。同院では子どもから高齢の患者まで多様な疾患に対応し、適切な診断・治療と地域連携による迅速な紹介を重視するなど、患者にとってより良い医療の提供を心がける小西院長に、同院の特色や診療時の心がけなどを聞いた。

(取材日2026年8月20日)

皮膚科を専門に地域のホームドクターの役割も担う

この地域で長く診療されてきた医院だと伺いました。

小西由美子院長 小西医院皮ふ科1

今も診療しているこの場所で、1959年に私の父が「小西医院」を開業しました。父の頃は産婦人科だったので、当院で生まれたお子さんが成長して、ご自身のお子さんやお孫さんを連れて当院を受診されることもあり、地域に根差した診療所として親しまれています。私も自分が育った西馬込に愛着があり、開業するならこの場所でと決めていました。ただ、一時は都合で診療所を閉めていたので、私が2002年に当院を再開した時は、周囲の方は「以前も皮膚科でしたっけ?」と疑問に思われたかもしれませんね。この辺りは都心部や空港などへのアクセスに便利なこともあって人口増が続き、お子さんがいるご家族も多いのが特徴。一方で昔からお住まいの方もいらっしゃる住宅地なので、当院の患者さんも小さなお子さんから100歳近い高齢の方まで、とても幅広いですね。

どのような症状で受診される方が多いのでしょうか。

患者さんの年齢層が幅広いので、皮膚科で扱う疾患全般を診ています。軽いケガや火傷などでも受診される方もいらっしゃいます。お子さんの小さな皮膚の変化からアレルギーを心配して受診される親御さんも多いですね。核家族化が進んで、周囲に「この症状は大丈夫?」と気軽に聞ける家族や親戚がいなくなり、不安が大きくなって受診されるのだと思います。また当院は、父の代から数えると60年以上前からこの地域で診療しているので、長く通っている患者さんにはホームドクター的な役割も担っており、皮膚科の症状以外に、生活習慣病をはじめとしたさまざまな病気、健康についてのご相談を受けることもあります。

先生は皮膚科の前に麻酔科も経験されていますね。

小西由美子院長 小西医院皮ふ科2

ええ、患者さんの全身を診られる医師になりたいと思い、卒業後は母校の麻酔学教室に入局し、大学病院の麻酔科に勤務しました。一般的な手術麻酔以外にも、重篤な患者さんに対応するICU、救急部門などを経験し、トータルで10年以上麻酔科に勤めました。その後、皮膚科に移ったのはさまざまな年齢の患者さんと話しながら、「人対人」で治療をしていける点が魅力だったからです。一般的に皮膚科の症状は患者さんも見てわかることも多く、ご自身で塗り薬を塗っていただくなど、治療にも患者さんの協力は欠かせません。ですから「この症状をどのように治療するか」を話し合い、一緒に考えながら治療していくことが大切で、そうした点にもやりがいを感じました。皮膚科としても大学病院や東京都内の基幹病院に10年以上勤めてから、当院を開院しています。

エビデンスに基づく適切な治療と地域連携を重視

診療の際に心がけていることを教えてください。

小西由美子院長 小西医院皮ふ科3

まず、受診された患者さんの主訴であるかゆみや痛みなどの症状を和らげることと、重大な病気ではないかを見落とさずに適切に診断することが大切です。特にがんのような悪性疾患が疑われるときは、診断・治療が早く始められるように、すぐに地域の基幹病院をご紹介しています。一方、当院で患者さんを診ていく場合、患者さんに安心して治療を受けていただけるように心がけています。そのためには患者さんの立場になって話を伺い、本当は何を心配されているのかを捉えること。そうでないと、どれだけ説明を重ねても患者さんにとっては期待したような話が聞けず、不安の解消につながりませんから。中には自分の行いが不調を招いたのではと、心配して悩む方もいらっしゃるので、理解しやすいように医学的なエビデンスもまじえて疾患のことをわかりやすくお伝えしています。

病院への紹介をはじめ地域との連携はいかがでしょうか。

近隣には昭和医科大学病院、東邦大学医療センター大森病院、東京都立荏原病院、池上総合病院、枚田総合病院ほか、大学病院などの基幹病院が多くありまして、非常に連携しやすいメリットがあります。アレルギーで強い症状を起こすアナフィラキシーショックでお子さんを連れてこられた場合は、一刻も早く病院の救急で診てもらう必要があり、膠原病など全身性の疾患との関係が疑われる皮膚症状や悪性腫瘍を疑うときなどは専門の先生のいる病院にご紹介しています。もちろん他の開業医の先生方との連携も大事で、例えば糖尿病の影響で皮膚に症状が出ていたら、まず内科で糖尿病を適切に治療しなければなりません。目や耳の聞こえなどにも症状があれば、眼科や耳鼻咽喉科との連携も必要ですから、私は開業当初から大森医師会に加入して地域の先生方との連携を深めています。

治療の面で配慮されている点はありますか。

小西由美子院長 小西医院皮ふ科4

患者さんに納得して治療を受けていただくことを重視し、エビデンスをご提示して治療の目的を理解していただけるように説明しています。かゆみを抑えるための薬には眠くなるものも多いですから、お仕事の都合によって飲むタイミングも変えていただくなど、一人ひとりに配慮して診療しています。加えて皮膚の疾患では日頃のスキンケアや薬の塗り方も大切なので、私がその理由をご説明して、看護師からは具体的に、こすらないように顔や体を洗うことや、塗り薬は適切な量を塗ることなどを詳しくお伝えします。特に初診の方には看護師が一緒に処置をしながらお教えしています。塗り方によって治療の結果が大きく変わることもあり得るので、時間をかけて丁寧にご説明するんです。

患者の希望に応えて診療時間や受診の受付を工夫

こちらの診療体制について教えてください。

小西由美子院長 小西医院皮ふ科5

患者さんと接する受付や看護師さん方はしっかりとして、患者さんに優しい人たちです。また、バックオフィスの部分は事務処理のデジタル化や電子カルテで効率化し、迅速な対応をめざしています。診療では週1日は大学病院の医師が担当しているので、患者さんは私以外の観点から診てもらうことも可能です。それに私にとっても勉強になり、医療の新たな情報も手に入りやすいと感じますね。診療時間は、仕事終わりにも受診したいとのご希望に対応し、月曜日だけ午後を16時から19時までに変更。さらに患者さんの利便性向上のため、ウェブからの順番取りシステムも導入しています。これは受診予約ではありませんが、院内にいなくても自分の前に何人待っているかがわかるので、順番が近づくまでご自宅などで待機していただけます。

ボランティア活動にも長く取り組まれていると伺いました。

東日本大震災の被災地に早くから医師や看護師の仲間と伺い、お菓子を届けるなどさまざまなお手伝いをするボランティアを始めました。職業を聞かれて医師だとお伝えした際に、なぜか獣医師だと思われたのか「犬や猫たちも診てほしい」と頼まれ、いろいろな家を訪問し地元の皆さんと交流するようになりました。地元の協力を得て現在まで続けている活動は、被災地の現状を写真や動画に収めて次世代に残すことと、動物でも小さな命を少しでも救うこと。大変な災害があったことを忘れないでほしい、この経験をもとに二度と同じことを起こさないでほしい。そうした被災者の方々の願いを広く知ってもらうために、少しでもお役に立てたらと思っています。また私自身はボランティア活動でいろいろな方との出会いが生まれ、一人ひとりのつらい思いにふれさせていただき、医師として患者さんの話を伺う際に病気の背景への理解が少しですが広がったように感じています。

地域の皆さんにメッセージをお願いします。

小西由美子院長 小西医院皮ふ科6

当院は60年以上前からある診療所で、地域の一員として医療を担ってきました。皮膚科のことに限らず、いわゆるホームドクターとして、ちょっとしたことでも気軽にご相談いただければと思います。もちろん専門の皮膚科では、私も高度な医療や新しい医療を常に勉強して、病院との連携がよりスムーズになるように心がけています。また当院はこれまで地域の皆さんに育てていただいたので、将来はいい先生に引き継いで診療を継続したいですね。