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廣辻 雅喜 院長の独自取材記事

ひろ整形外科クリニック

(香芝市/志都美駅)

最終更新日:2022/07/01

廣辻雅喜院長 ひろ整形外科クリニック main

JR志都美駅から徒歩18分の場所に位置する「ひろ整形外科クリニック」は、整形外科・ペインクリニック外科・リハビリテーション科・リウマチ科・内科を標榜するクリニックだ。院長の廣辻雅喜先生は大阪府八尾市出身で、和歌山県立医科大学医学部を卒業後、大阪大学医学部附属病院や関西地方の総合病院などで研鑽を積んだ。「患者さんとより近い距離で診療に携わりたい」という想いから、2008年10月に同院を開業。子どもから働き盛りの成人、高齢者まで幅広い年齢層の患者が受診するという。また同院では訪問診療にも力を入れており、通院の難しい患者への診療や家族へのサポートにも尽力する。今回は廣辻院長に開業に至るまでの経緯や診療で大切にしていること、医師をめざすようになったきっかけなどについて語ってもらった。

(取材日2022年3月30日)

一歩踏み出した診療を提供するために

この地に開業したきっかけについて教えてください。

廣辻雅喜院長 ひろ整形外科クリニック1

私はもともと大阪大学付属病院や総合病院で整形外科の医師として勤務しており、最初から開業を意識していたわけではありませんでした。やはり外科領域の医師なので、大学病院や総合病院でできる手術治療にやりがいを感じていましたし、もっと腕を磨きたいと考えていたからです。しかし、ちょうど友人から開業の話を持ちかけられた頃、大学病院や総合病院で手がけてみたいと思っていたことを一通り経験し、「より患者さんと近い距離で診療をしてみたい」という気持ちが芽生えていたんです。そこで「そろそろ開業もいいな」と思いました。

どのような患者さんがいらっしゃるのでしょうか?

お子さんから働き盛りのお父さんやお母さん、高齢の方まで、幅広い年齢層の患者さんがお越しになります。整形外科と聞くと高齢の患者さんが多いというイメージを持つ方も少なくないのですが、ここは新興住宅地でもあるため、地域の特性もあって若い方にも多く受診していただいています。主訴としてはやはり首や肩、腰などの痛みに関するお悩みが多いですね。また当院では訪問診療も行っており、医療機関まで足を運ぶことが難しい高齢の患者さんや終末期の患者さんなども診療しています。訪問診療といえば内科の医師が行うことが中心ですので、整形外科の医師が訪問診療を行っているクリニックは比較的少ないかもしれません。

特徴的な診療内容は何ですか?

廣辻雅喜院長 ひろ整形外科クリニック2

当院では「一歩踏み出した診療」を意識し、幅広い診療内容を取りそろえています。特に整形外科は痛みと向き合うことの多い診療科なので、ペインクリニックの領域である痛みに対する薬物療法や注射による神経ブロック療法、リハビリテーションなどを提案することもあります。また訪問診療では終末期の患者さんも多く診療していますので、穏やかな終末期を過ごしていただけるよう、患者さんとそのご家族を精力的にサポートしています。医師になったばかりの頃は患者さんの病気を治すことだけが医師の仕事だと思っていましたが、今では患者さんを支えること、見守ることも医師の大切な仕事の一つだと感じています。患者さんのご自宅に伺い声をかけることで、患者さんが元気になったり、ご家族さんが安心したりしてくれる様子を見ると、私もうれしく思います。

父の病気をきっかけに医師になることを決意

院長は初めから医師をめざしていたわけではないと伺いました。

廣辻雅喜院長 ひろ整形外科クリニック3

はい。私は高校卒業から1年浪人をしているのですが、当初は法学部へ進むことをめざしていました。医学部をめざすきっかけになったのは、浪人時代に父の胃がんが見つかったことです。父は突然血を吐いて倒れてしまい、近所の総合病院で治療を受けることになったのですが、その時の主治医の先生が頼もしく、「私もこんなふうに患者さんや家族を安心させられる医師になりたい」と憧れて、医学部を志すことにしました。父が入院している間、その先生は毎日数分ではありますが、父の姿を見に来てくださり、「大丈夫ですか」と優しく声をかけていました。また私が父の枕元で勉強をしていると、その先生は「勉強しているんだね、頑張ってね」などと気遣ってくれました。この出会いが私を医師の道へといざなってくれたので、今でも父の病気が自分に天命を与えてくれたと思っています。

中でも整形外科の医師になった経緯についてお聞かせください。

前述のとおり、父の胃がんをきっかけに医学部へ進学したので、当初は消化器外科など内臓のがんを手術するような診療科へ進もうと考えていました。しかし、研修や実習でさまざまな診療科を巡っていくと、それぞれの診療科に魅力や難しさを感じるようになったんです。中でも整形外科は命に関わる病気が少なく、多くの患者さんが元気に帰っていく診療科であることに魅力を感じました。また当時お世話になった先生方も、厳しさはありつつ明るくてすてきな方が多かったので、そうした人柄に惹かれた部分もあります。こうして整形外科の医師になった私ですが、現在は訪問診療でがんの患者さんを診療することもありますので、自分の原点でもある「命と向き合う医師の仕事」に強いやりがいを感じていますね。

学生時代や研修医時代などの経験で、現在に役立っていることはありますか?

廣辻雅喜院長 ひろ整形外科クリニック4

学生時代は野球、サッカー、ラグビー、ハンドボールなど、とにかくスポーツを熱心にやっていたので、体力や精神力が鍛えられたと思っています。研修医時代は朝が早くて休みもなかったので大変でしたが、部活で鍛えられていたことによって、耐えられた部分があります。開業医になった今でもハードな日々が続いていますので、自分に体力があって本当に良かったと感じますね。また当時の外科系の診療科では、先輩方から口頭で何かを教えてもらったり、文献を読んで学んだりするというよりは、先輩方が行う手術を見て覚えるという風潮があったので、とにかく必死でついていくような印象でした。厳しい先輩方でしたが、いろいろなことを吸収できましたね。

いつまでも自分自身を好きでいてほしい

診療する上で先生が心がけていることは何でしょうか?

廣辻雅喜院長 ひろ整形外科クリニック5

患者さんの病状だけでなく、希望や気持ちも素早くくみ取って診療することですね。一人の患者さんにかけられる診療時間はどうしても限られてしまいますので、その中でどれだけ患者さんのお悩みや希望を引き出し、それに対応するかということを常に考えています。少しでも多くの情報を得たいという思いから、診療室へ患者さんを呼び込むときは私自身が入り口まで出向いてお名前を呼び、患者さんの立ち姿、歩く姿なども観察しているんです。もう一つは患者さんが少しでも自分自身を好きでいられるよう、ポジティブな声がけをすることです。例えば、肩が上がりにくくなってしまった患者さんに対して「そこまでしか上がりませんか?」と否定的に声をかけるより、「ここまでは上がりますね」と肯定的に声をかけたほうが、患者さんも自分ができることに目が向きやすいと感じます。

先生がめざすクリニック像を教えてください。

患者さんが「ここに来たら元気になる」と思ってくださるようなクリニックをめざしています。そのためには医学的な知識や技術を高めることももちろん大切なのですが、スタッフを含めたクリニック全体の温かい雰囲気が大切だと考えています。当院のスタッフはみんな明るく患者さん思いで、私にとっても自慢のスタッフです。上司と部下という関係ではなく、本当に頼れる仲間だと感じていますし、安心して患者さんを任せることができます。これからもスタッフみんなで一丸となって、診療にあたっていきたいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

廣辻雅喜院長 ひろ整形外科クリニック6

人間の体は年齢とともに変化していきます。「好きだったスポーツができなくなってきた」「ご飯が前より食べられなくなった」など、昔できていたことができなくなってしまうと、強く落ち込んでしまう方も少なくありません。しかし、私はそんなときこそ自分のことを好きでい続けてほしいと思います。自分を好きでいることで心が健康になり、痛みやできないことに対する捉え方が変わることで前向きになる方もいます。どうかオンリーワンの自分を大切にしてください。また健康について不安なことがあったときのために、近くに信頼できる医師がいると良いと思います。私自身もその一人となれるよう、これからも全力で取り組んでいきたいと考えています。

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