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酒向 誠 院長の独自取材記事

酒向歯科口腔外科クリニック

(大田区/西馬込駅)

最終更新日:2020/04/01

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西馬込駅、久が原駅のどちらからもアクセス可能な「酒向歯科口腔外科クリニック」。駅から少し距離はあるが、近隣住民を中心にクチコミで来院する患者が増えているという。酒向誠院長は「一生懸命に診療していることが評価されたのだと感じますね」とうれしそうに語る。歯科口腔外科専門医として、総合病院での豊富な治療経験と優れた外科技術を持ちながらも、「抜かない治療」をポリシーとする酒向院長。めざしているという「口の中の総合医」について、そして全力で地域医療に貢献したいと語る、その熱い気持ちを聞いた。
(取材日2016年7月5日)

歯科口腔外科分野に全力投球した勤務医時代

先生が歯科医師になったきっかけを教えてください。

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私の父は84歳になるつい最近まで、現役の耳鼻咽喉科の開業医でした。その姿を見て育ったので、私も自然と医療の道に進みたいと考えたんです。医学部を中心に進路を検討している時、歯学部の講師だった叔父の勧めで愛知学院大学歯学部を受験し、そのまま入学を決めました。私は手先が器用で、何事にも熱心に打ち込む性格だったので、歯科医師の勉強は向いていたようです。実技の実習では常に一番早く、正確に終わっていましたね。この特性をもっと生かしたいと考え、より高いレベルで歯科治療を行う口腔外科をめざして大学院に進学しました。

歯科口腔外科とはどういう分野なのでしょうか?

主に口の中の外科手術と、耳鼻咽喉科と眼科が専門とする部位を除いた首から上のさまざまな外科手術を行います。事故による顔面外傷が代表例ですね。といっても手術ばかりではなく、内服薬のみで経過観察をする症例もあるんですよ。いずれにせよ、虫歯以外の口の中の疾患すべてを診ると思ってください。全身の病気やけがとも深く関わるので、医師との密接な協力、歯科と医科の両分野にわたる知識と治療技術が求められます。

知識や技術はどこで身につけたのですか?

大学院修了後に勤めた名古屋第一赤十字病院の歯科口腔外科で、非常に厳しい先生のもと基礎を学びました。例えば手術の補助をしていると、次々質問されるんです。「この病気はどう治療する?」「この手術の次の手順は?」と。現場に出たばかりでも関係ありません。毎日が口述試験、実技試験でしたね。それだけに実践で知識が身につき、常に考えながら仕事をすることで、短期間で力が伸びたと感じます。もともと抜歯のセンスには定評があり、他の先生が苦労している難しい抜歯を途中で代わることはしょっちゅうでした。その後、東京女子医科大学でも働きましたが、そこでトップレベルだった先輩に「お前にはかなわない」と実力を認められたほど。ただ私は担当した仕事を丁寧に全力で取り組み、周囲に評価されたいだけです。一生懸命やって結果がついてくれば、自然と次の患者さんがやってくる。この考えは今も変わりません。

その後、聖路加国際病院にもお勤めなんですね?

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歯科口腔外科の創設メンバーとして参加しました。当時の日野原重明病院長が、救急外来に力を入れるには歯科口腔外科がどうしても必要とのお考えだったんです。聖路加国際病院にはもともと歯科しかありませんでしたから、他の先生に歯科との違いを理解してもらうためにも、歯科口腔外科医は腕の見せ所。「来た患者さんはすべて治療する、絶対に断らない」という診療方針のもと、私も虫歯の治療から顔面外傷や口腔がんまで、ほぼすべての手術を経験しました。基本的に「わかりません」「できません」は通用しない世界ですからね。さらに救命救急センターと連携しながら救急対応も行いますから、正確性とスピードが必要。責任感も大きく、やりがいのある仕事でした。

めざすのは地域の健康を守る、口の中の「総合医」

先生がめざす歯科医師像についてお聞かせください。

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歯科口腔外科の経験を生かして口の中の病気をすべて診る「口の中の総合医」です。痛みがある部分だけでなく、最初に口の中を全部を診ること。もちろん必要がないという患者さんには無理に勧めません。レントゲンも患者さんの許可をいただいて撮影し、「ここが現在の痛みのもと。他にもこの辺と、この辺に小さな虫歯があります」と、現状をすべて説明することから診療は始まるんです。また歯が欠けて顎関節症を引き起こしているなど、気になる点はすべてチェックしていきますね。中には「信じられない」と、そのまま痛む箇所だけの治療を希望して終わる方も多いです。しかししばらくして詰め物が脱離してきて、「やっぱり本当だった。痛みが出てきたよ」とお見えになる場合もありますから、やはり最初に正直にお伝えするのは大切だと感じています。

「総合医」とは具体的にどんな存在なのですか?

全身疾患との関わりも考え、全身疾患のいち症状か? 口腔内単独のものなのか? 良性か悪性か? そういうことが判断できる、小さな虫歯から、口腔内の診断に苦慮する疾患まで診るというのが、「口の中の総合医」です。もちろん自分では処置ができない、精密検査が必要なケースは、総合病院や大学病院と連携を取ります。何か病気の兆候に気づいたら、適切な病院で検査を受けるようお勧めする、総合医療の入り口的な役割も私の役目だと考えています。先日は当院の患者さんに白血病の疑いがあり、詳しい検査をお勧めしました。分からないから「とにかく病院で調べてもらって」というのでは、患者さんの負担があまりに大きい。本当は少し勉強しておくと、簡単なものは歯科医院で判断できるんですよ。私はこれまでの経験を生かして、その場で問題ない程度の異常なのか判断し、検査が必要ならどの病院、どの診療科がいいのかまで具体的にお伝えしています。

お子さんの受診も多いかと思いますが?

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子どもは大人に比べて、本当は痛みに対して鈍いと考えてください。乳歯から永久歯に生え替わる痛みに耐えられるのですからね。それなのに「歯が痛い」と言い始めたら、これはもう赤信号。待ったなしで本当に痛いんです。大人は「もう少し様子を見よう」と先延ばしできますが、お子さんの痛みはすぐに治療したほうがいいと思います。私はお母さんたちから電話などで相談を受けると、「予約なしでいいから、すぐ連れてきてください」とお伝えするんです。予約された患者さんには本当に申し訳ないのですが、優先的にお子さんの治療を受け付けています。

急患にも丁寧に対応する、地域に根差した歯科医院

ホームページも充実していますね。

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実は当院のホームページは、一緒に働くスタッフの募集目的の意味が大きいんです。診療内容の幅広さと合わせて、スタッフたちの写真や気持ちをたくさん載せていたでしょう。そして仕事のやりがいを感じてもらえるよう、患者さんからの感想も手書き文字のまま掲載しています。私はスタッフの協力がないと、歯科医院は成り立たないと考えています。少し駅から離れた場所ですが、地域密着の医療にやりがいを感じる人に来てほしくて、当院を紹介しているんですよ。

診療の際に大切にしていることはありますか?

私は歯科口腔外科専門医で、外科手術の経験も豊富ですから、抜歯はそう難しくありません。しかし抜いた歯、削った歯は元に戻らないんですよ。だから「極力削らない、抜かない治療」を大前提にしています。インプラントがどれだけ発達しても、やはり天然の歯に勝るものはありません。もちろんやむを得ず抜歯というケースもあるでしょう。それでも最初から「無理です。抜きましょう」と諦めるより、「こうしたら抜かずに済むかも知れません」と提案するほうが有意義だと思うんです。当院はクチコミのおかげで患者さんが増えてきました。だからなおさら、期待してお見えになった患者さんも、紹介してくださった方もがっかりさせたくないんです。一生懸命やっていれば伝わるはずですからね。

急患の相談も断らないそうですね。

予約の方が優先になるのでお待ちいただくことになりますが、空き時間に治療をするなど、できる限りの対応をしています。患者さんが困っている時に対応するのは、地域に根差した歯科医療なら当然だと考えています。

今後の心構えをお願いします。

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私は治療が終わると患者さんに、「今日がスタートライン。定期的に検診やクリーニング受けて、虫歯をできるだけ小さいうちに見つけて治しましょう」と説明しています。予防を意識して早めの治療を心がければ、そもそも歯を抜くか、抜かないでどう治療するかと悩むほど症状は進行しませんからね。今後も皆さんがいつまでも自分の歯で噛めるよう、地域の中でしっかりと早期の予防と治療に努めたいと思います。

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