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宮本 日出 院長の独自取材記事

幸町歯科口腔外科医院

(志木市/志木駅)

最終更新日:2025/05/16

宮本日出院長 幸町歯科口腔外科医院 main

東武東上線・志木駅南口から徒歩約10分の立地にある「幸町歯科口腔外科医院」。一般歯科・歯科口腔外科・小児歯科を標榜する同院は、3人の歯科医師全員が口腔外科を専門とし、他院から抜歯や外科処置、口腔がん検診などの依頼も多い。また、歯科衛生士が患者一人ひとりに応じた口腔ケアに注力していることも特徴の一つだ。院長の宮本日出(ひずる)先生は、顎関節に関する見識が深く、近年では特に口腔機能の維持・向上に関わる診療に尽力。行政や地域の歯科・医科と連携した啓発活動にも歯科衛生士たちとともに取り組んでいる。そんな宮本院長や歯科衛生士を信頼して長年通院を続ける患者も多い。「口腔機能は全身の健康とつながっている」と語る宮本院長に、口腔ケアの重要性や歯科衛生士たちへの思いなどを聞いた。

(取材日2025年4月8日)

歯科口腔外科を専門とする3人の歯科医師が在籍

貴院の特徴について教えていただけますか?

宮本日出院長 幸町歯科口腔外科医院1

当院には常勤の歯科医師が私を含めて3人おり、全員が口腔外科を専門としています。1次医療機関が一般的な歯科医院、2次が入院施設のある病院と考えたとき、中間の1.5次の診療をめざし、大学病院などに行かなくても親知らずの抜歯や口腔内のできものなどの手術、口腔がん検診などを行える体制を整えています。近隣の医療機関からの紹介も多く、地域の約60の歯科、約40の医科と連携しています。また、現在は歯科衛生士が11人おり、院内での対応に加え、院外でのイベントや地域貢献事業などにも積極的に取り組んでくれていることも特徴の一つです。

どのような患者さんが多く受診していますか?

お子さんからご高齢の方まで幅広い世代の方が受診されています。舌や粘膜のできもの、治りの悪い口内炎、顎関節症などの他、お子さんでは転倒による歯や舌のけがなども多いですね。また、クリーニングやメンテナンスなどの口腔ケアで定期的に来院される患者さんも多くいらっしゃいます。ご高齢の方だけでなく比較的若い30代、40代の方が多いことも当院の特徴といえるでしょう。オフィス街や駅前にあるクリニックではないにもかかわらず来てくださっているということは、通院が便利というだけでなく、当院を信頼して来てくださっているのかな、とうれしく思っています。

特に力を入れている診療があれば教えてください。

宮本日出院長 幸町歯科口腔外科医院2

口腔機能の維持・向上をめざす取り組みに力を入れています。近年では、噛む、飲み込む、話す、呼吸するといった「口腔機能」が日本人全体、中でも特にお子さんや若い世代で低下している傾向があります。お子さんの口腔機能低下は、歯並びや食事・会話の不具合、口呼吸などさまざまな弊害につながり、将来的に「オーラルフレイル(お口の機能の衰え)」につながるリスクが考えられます。高齢者では、口腔機能の低下が唾液の減少やお口の乾燥、虫歯や歯周病のリスク増加、口臭などの原因になり、さらには栄養不足や体力の衰えなど、全身の健康にも影響することが考えられます。このような状態を防ぐため、当院は行政などと連携し、お口の機能低下を予防するための取り組みを行っています。口腔機能不全についてはまだ知らない方も多いため、まずは多くの方に知っていただくことを重視しています。

歯科衛生士によるケアで機能維持と病気予防をめざす

口腔機能の低下を予防するために、どのような取り組みをしているのですか?

宮本日出院長 幸町歯科口腔外科医院3

「べろマッチョ同好会」として、地域の方々への啓発活動を行っています。当院の歯科衛生士が中心となり、舌圧測定やお口の筋トレ、口腔機能低下によるリスクやオーラルフレイルについての講演会や歯科衛生士による口腔機能トレーニングなどを定期的に実施しています。「よく笑う人はオーラルフレイルになりにくい」という研究報告もありますし、どんなに役立つことでも楽しくなければやる気にならないですよね。まずは笑いながら楽しく参加してもらうことをモットーに、口腔機能の低下によるリスクを知ってもらうこと、覚えてもらって次も参加していただくことをめざしています。お子さんには夏休みキッズイベントを開催し、唇の閉じる力を測定する検査をしたり、「お口ポカン」で起こるトラブルについて動画を見てもらったり、お口周りの筋肉のトレーニングを一緒にしたりして「お口マッチョ」をめざしています。

院内でも歯科衛生士さんが活躍されているとお聞きしました。

院内外での啓発活動だけでなく、日々においても歯科衛生士たちがメンテナンスや予防処置などの口腔ケアに積極的に取り組んでくれています。当院では担当制で歯科衛生士が毎回同じ患者さんを担当し、口腔内のチェック、歯のクリーニング、歯磨きのアドバイスなどを中心に患者さんのケアを行っています。1ヵ月毎、あるいは3ヵ月毎など、頻度は患者さんの口腔内の状態や生活背景、ブラッシングの仕方などを見ながら歯科衛生士と患者さんで相談しながら決めています。また、当院では通院してくださっている患者さんに「1年検診」を実施。お口の中のエックス線検査や口腔機能の検査・唾液検査をして、その結果を見ながらケアの頻度や方法の見直しとご提案をしています。

治療だけでなくメンテナンスを継続することの大切さを教えてください。

宮本日出院長 幸町歯科口腔外科医院4

虫歯や歯周病はお口の中の病気ですが、実はその影響はお口の問題だけにとどまらず、さまざまな病気や全身の健康と深い関わりがあるといわれています。そのため、虫歯や歯周病を予防するためのメンテナンスが非常に重要になるのです。口腔ケアは、歯科での検査やクリーニングのプロケアと、ご家庭で患者さん自身が行うセルフケア、その2つを両輪として「継続していく」ことが必要です。それは患者さんにとって面倒なことでもあり、続けていくということは大変です。ですから歯科衛生士たちは常に、どうしたら患者さんにお口の健康について興味を持っていただけるか、その大切さを理解し継続していただけるかを考え、まずは患者さんのお話をよく聞いて少しずつ信頼関係を築く、患者さんお一人お一人の性格や生活背景なども理解した上で、その方に合う方法でアドバイスするなど、試行錯誤と工夫を重ねながらサポートを続けてくれています。

ずっと健康でいるためにプロの力を活用してほしい

歯科衛生士さんに期待していることはどのようなことですか?

宮本日出院長 幸町歯科口腔外科医院5

私はよく彼女たちのことを「娘たち」と呼ぶのですが、本当に自分の娘のように思っています。いつか彼女たちが後で振り返ったときに「幸せだったな」と思える人生を送ってほしい。そのためにも社会で役に立てるよう心身ともに成長し、困難を乗り越える力を身に着けてもらいたいですし、歯科衛生士として患者さんが健康に社会生活を送るための基礎を固める仕事をしていることに自信を持ち、前向きに人生を歩いて行ってもらえたらうれしいですね。せっかく縁あって当院で働いてくれているので、能力を存分に発揮できる環境を整えることが自分の務めだと考えています。当院の歯科衛生士たちは今でも地域貢献活動を行ったり、海外の大学に学びに行ったりとさまざまな挑戦をしています。今後もどんどん広い世界に飛び出して、存分に活躍してくれることを期待しています。

今後の展望や目標について教えてください。

幸いなことに志木市は、市の方針で口腔機能管理事業に積極的なため、当院と連携して啓発活動などを行っていますが、今後は地域でともに活動を進めていける医療機関がさらに増えることを期待しています。すでに取り組みはしているのですが、まだ始まったばかりです。なので、実際に啓発活動の成果が得られるのはもう少し先になるのかな、と思っています。ただ、お口の機能を維持・向上させることが健康のために大切であると地域の方々に理解していただくためのきっかけづくりには着手できていると思いますので、今後も歯科衛生士たちと一緒に取り組みを続けていきたいと考えています。

読者へのメッセージをお願いします。

宮本日出院長 幸町歯科口腔外科医院6

繰り返しになりますが、お口の病気や口腔機能の低下は、全身の病気や健康に大きく影響することがわかっています。健康づくりへの第一歩は歯科から始まると私は考えています。病気になったら困るからと健康診断を受けるように、ぜひ歯科検診も受けてください。それがさまざまな病気の予防につながります。お口のケアではセルフケアも大切ですが、残念ながら患者さんのお口のケアだけではケアが届かない難しい箇所もあります。そこを私たちがお手伝いしますので、ぜひプロの力を頼っていただけたらと思います。

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