未来を生きる子どもへの贈り物
親子で取り組む咬合育成・小児矯正
医療法人白輝会 ふるいち歯科クリニック
(北九州市若松区/若松駅)
最終更新日:2022/07/07


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歯科に関する情報が入手しやすくなり、歯と健康との関連性が一般に認知されるようになった現代において、小児矯正に興味を持つ親は増えている。親の価値観や関心事に影響され、子どもが自ら矯正を望むケースも最近は珍しくないという。「ふるいち歯科クリニック」の古市卓也院長は、金銭的・時間的・精神的な負担が少ない小児矯正に注力。長年の治療経験を踏まえ「歯に対する意識は年々高まり、歯並びが人生そのものを左右する未来が来るかもしれません」と語る。不正咬合の種類や小児矯正の開始時期は人それぞれ。しかし、特定の時期までに診断をつけ、子と親、そして歯科医師が一丸となって治療に取り組むことが、将来的なメリットを考えたときに重要なのだそうだ。そこで小児矯正の実状や、院長が大切にする咬合育成の考え方について詳しく聞いた。
(取材日2022年6月1日)
目次
小児矯正は予防であり先行投資。咬合育成で理想的な成長の促しをめざし、自分の歯で一生噛める口腔環境へ
- Qお子さんの歯並びへの意識は、昔から大きく変わったそうですね。
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A
▲子どもの将来を見据え、小児矯正を行っている古市院長
近年は国民全体が「健康のために歯を守る」という意識に変わってきており、その一環として歯並びも重視され始めました。審美的な問題だけでなく、歯並びの機能的な問題にも目が向けられ、自分の歯で一生噛み続けるには歯並びが整っていることが有利であるとの認識が広がっています。親御さんの歯に対する意識が高いと、お子さんにも同じ意識が芽生えるようです。さらに、歯並びを一種のステータスとする風潮も浸透しつつあり、社会的にも整った歯並びが前提とされる時代になってきたと実感します。私は開業以来「きれいな歯並びは究極の予防」という考えのもと、将来を見据えた先行投資として、咬合育成・小児矯正をご提供しています。
- Q先行投資によって、どのようなメリットが得られるのでしょうか?
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A
▲小児の咬合育成にも注力している
歯並びが整っている口腔内は、きちんと片づいている部屋に例えられます。つまり、歯ブラシがうまく当たらない箇所がほぼなく、掃除がしやすい状態なのです。そして咬合力を分散して、特定の歯に無理な力が加わることがないため、歯周病になりにくい点も大きなメリット。矯正の本来の結果が出るのは20~50歳以降です。「あの時矯正を受けて良かった」と、ご自身のお子さんを連れてきてくださる方もは少なくありません。逆に歯並びの問題を放置した方は、高齢になった時に歯をどんどん失ってしまう恐れがあります。虫歯や歯周病になりにくく、将来的に歯を失わずに済むような口腔環境をつくることが、子どもの頃に歯並びを整える意義ですね。
- Q実際に、どのようなきっかけから矯正を始める方が多いですか?
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A
▲長年の経験をもとに、患者の疑問には徹底的に答える
親御さんが矯正治療を受け、自分の子どもにもと望まれるケースのほか、知り合いの方からのご紹介で受診されるケースも多いです。そのような方々には、ご希望に応じて資料をそろえ、将来的なリスクをお伝えします。その後は経過観察と、お子さんが歯科医院に慣れるための歯磨き指導などを提案し、治療の必要性と開始時期を見極めます。また、定期検診でお子さんの成長を見守る中で、こちらからご提案する場合もありますね。当院では3・7・5歳などの奇数年に、適切な成長段階を踏めているかを確認しています。その子の歯並びを左右する、越えるべきハードルが年齢ごとにあり、越えられていない場合は適切な手助けを行っているのが特徴です。
- Q小児矯正の際に、先生が大切にしていることはありますか?
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A
▲子どもには、「うそをつかない、約束を守ること」を心がけている
子どもの治療は医療者とお子さん、親御さんの三位一体ですので、経済的・時間的・精神的に無理がない治療をモットーとしています。塾や習い事と同じくらいの出費で、治療を受けてほしいと考え価格を設定しております。迷っている数ヵ月の間にも子どもの体はどんどん変化します。親御さんには小児矯正も一つの習い事と捉えていただきたいですね。そして、お子さんの自立と自律を促すために、診療室にはお子さんだけで入ってもらいます。幅広い年代の人といろいろな会話をし、体の変調を自分の口から伝える。そんな「年齢を超えたコミュニケーション」は、より多くの情報を咀嚼しアウトプットする脳力を伸ばすと考えています。
- Qこちらの歯科医院での小児矯正の流れを具体的に教えてください。
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A
▲患者とコミュニケーションを取ることを大切にしている
小児矯正とは、永久歯が生えそろってから本格矯正をしなくて済むように、正しい噛み合わせや歯並びを誘導していくための咬合育成のことをいいます。流れとしては、まずは子どもの成長の妨げになる異常な力を排除します。指しゃぶりや口呼吸もその一つですね。こうした悪い習慣の改善のほか、呼吸法・嚥下法も習得し、力を適切に加えて顎の幅の調整を図ります。歯が並ぶための空間を確保できたら、実際に歯が正しい位置に生えるよう誘導し、歯並びをおおまかに整えることをめざします。そして、最終的に噛み合わせを確認し終了です。注意点として、骨を拡大する咬合育成には年齢制限があり、9歳までに治療を開始するのが望ましいと考えています。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正(咬合育成)/2万7500円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。