全国のドクター9,182人の想いを取材
クリニック・病院 158,625件の情報を掲載(2024年4月25日現在)

  1. TOP
  2. 兵庫県
  3. 芦屋市
  4. 芦屋駅
  5. 医療法人 デンタルクリニックツジ
  6. 辻 博之 院長

辻 博之 院長の独自取材記事

デンタルクリニックツジ

(芦屋市/芦屋駅)

最終更新日:2022/03/10

辻博之院長 デンタルクリニックツジ main

芦屋駅から南芦屋浜へ車で約5分の距離にある「デンタルクリニックツジ」。コンクリート造りの外観がアートギャラリー風のモダンな雰囲気を漂わせている。待合室は家の応接間のようなくつろぎ感があり、診療室はアーチ型に配した全面ガラス張りの窓が印象的な清潔感あふれる空間だ。院長の辻博之先生は手間を惜しまず根本からきっちり治す診療を信条とし、衛生面へのこだわりも強い。治療器具の滅菌・殺菌処理はもちろん、インプラント施術を行う前には半日かけてチェア周りの清掃まで行う徹底ぶりだ。バングラデシュでの医療支援から、学校教育を受けられるよう10人の里親にもなっているという辻院長に、診療におけるこだわりや力を入れている治療など、さまざまに話を聞いた。

(取材日2020年12月17日)

顕微鏡を用いた精密歯科治療

なぜ歯科医師をめざされたのですか?

辻博之院長 デンタルクリニックツジ1

高校生の頃、なりたかった職業は、冒険家、CMプロデューサー、医師でした。しかし、冒険家は収入源がはっきりしておらず、CMプロデューサーも狭き門。そこで、医師は人から感謝される良い職業だと思い、めざしましたが、真面目に勉強していなかったのでどこの医学部も不合格。奇跡的に合格した歯学部に行くことになりました。当初は歯科医師になりたくなかったので、歯学部へ通いながら来年医学部を再受験しようと思っていました。ところが歯の勉強が進んでいくうちに、歯と全身が大きく関わっており、体ってうまくできているなあと歯の勉強が面白くなってきたんです。そして、歯科医師になって初めての患者さんを担当した時に、生まれて初めて人から頼りにされていると感じ、歯科医師になってからのほうが勉強が必要だと知りました。

卒業後の経緯を聞かせてください。

大阪歯科大学で1年の臨床研修後、とても厳しいと聞いていた垂水にあるクリニックで勤務医として働き、一般歯科から専門性の高いインプラント治療まで研鑽を積むことができました。また、週に一度勤務終わりの勉強会では、経験豊富な先生方が、初歩的なことから高度なテクニックまで、さまざまな質問に答えてくださるので、その翌日から治療に生かして経験を積んでいきました。常に向上意欲を持って学ぶことの大切さが身につき、貴重な知識や技術を習得することができた5年間は私の歯科医師としてのベースになっています。その後一つのクリニックを任され院長を務めていた時に、開業することを念頭に置いて工夫を試みたことも良い経験となりました。

診療において心がけておられることは何ですか?

辻博之院長 デンタルクリニックツジ2

時間と手間を要しても質の高い治療をすることです。そのため、当院ではマイクロスコープという手術用顕微鏡を導入。歯の根の治療を行うようなとても細かい部分の治療でも、患部や入り組んだ部分を鮮明に見ることができるため、治療の精度が格段に上がり、再治療のリスク軽減に役立てています。さらに治療の際に患部に唾液が入ると、唾液の中の細菌が付着したままかぶせ物をしてしまうことになりかねないため、ラバーダムというカバーをかぶせて細菌が患部に入らないよう治療しています。虫歯の治療後には、う蝕検知液で虫歯の取り残しがないか、念入りにチェックをしています。このチェックをすることで、虫歯の削り残しを防ぐことや、健康な歯の削りすぎ防止にも役立っていますね。患者さん一人ひとりに対して1回の診療枠も45分~1時間と長く取っています。時間と手間を要しますが、自分にできることはすべてやって根本から治したいと思っています。

インプラント治療で長期安定を

インプラント治療の需要が高いようですね。

辻博之院長 デンタルクリニックツジ3

当院でも毎週のようにインプラント治療を行っていますね。周囲の歯にバネをかけず独立した歯として機能するため、歯茎や周囲の歯への負担も少なく済みます。失った歯を補う方法には入れ歯治療もありますが、入れ歯の場合、歯茎の上に乗せる構造のため、噛むたびに歯茎の弾力分沈み込み、負荷がかかってしまいます。また、入れ歯装着のためにバネがかけられた歯も、噛む動きに伴い圧がかかった状態で揺さぶられ、徐々に劣化して弱くなる可能性があります。そのため各治療のメリット・デメリットをきちんとお伝えし、患者さん一人ひとりに合った治療方法をご相談させていただいています。

定期検診についての考えをお聞かせください。

普段から口腔の環境を整えておくこと、そして何かの症状で治療した後もその良い状態を長持ちさせるために定期検診は重要です。当院で大切にしているのは「患者さんが痛い思いをしないこと」。歯垢や歯石の除去する際に痛みを感じてしまうと、「もう行きたくないな」と思ってしまう。そこでできる限り力を入れず、痛みを感じないよう時間をかけて丁寧にクリーニングを行うことを心がけています。さらに治療中は、患者さんが痛いと感じても「痛い」となかなか言えず、我慢してしまう傾向にあります。ですが人が痛いと感じたときはまぶたがピクリと動くので、患者さんのまぶたを常に視野に入れて治療を行っています。定期的なクリーニングは継続することが何より大事だと思っています。5~10年続けた人と続けていない人では、歯の状態が全然違いますから。

最近増えてきている主訴はありますか?

辻博之院長 デンタルクリニックツジ4

当院には小さいお子さんから高齢者まで幅広い年齢の方が通院しています。患者さんの主訴としては虫歯や歯周病などさまざまですが、最近顎関節症を訴える方が増えてきています。顎関節症は現代病ともいわれていますが、その大きな原因は食生活にあると考えています。昔と比べると、やわらかい食べ物を食べることが多いため、顎の関節が弱くなってきています。顎関節のズレは、顎の痛みはもちろん、頭痛や肩凝り、全身の体のゆがみと大きく関わっています。当院ではマウスピース型の装置で噛み合わせの調整をすることで、顎関節の負担を減らし、症状の緩和をめざします。

マウスピース型装置を用いた矯正

小児の歯科治療や歯列矯正についても教えていただけますか?

辻博之院長 デンタルクリニックツジ5

乳歯は歯と歯の間から虫歯になりやすく隣接面が溶けると歯が寄ってくるため、奥に生えてきた6歳臼歯まで前に寄ってきてしまうことがあります。そうなると永久歯に生え替わるときのスペースが狭くなり、永久歯同士が重なり合った状態で生えてしまいやすく、歯並びが悪くなってしまうことも。全部が関連し合っているので、乳歯の虫歯も早めの治療が必要ですね。矯正については小学生のうちに始めることをお勧めしています。大人になってからですと顎の骨の成長が終わっているため、抜歯を必要とした矯正になることが多いのですが、成長期であれば顎の骨の成長促進から取り組めますので、歯を抜かずに進められることが多いです。また、成長期が過ぎてからの矯正の場合、歯は元の状態に戻ろうとするので、夜はマウスピース型装置の使用を習慣にしていただくことが重要ですね。

訪問診療も行っているそうですね。

高齢者施設や個人のお宅を訪れ、口腔内のクリーニングや入れ歯の調整を行う訪問診療を行っています。食べ物を口に入れた際に、細菌が肺に流れ込むことで生じる「誤嚥性肺炎」は、高齢者の死亡原因の一つですから。それを防ぐためにも、施設スタッフや家族への食事指導も併せて行っています。

お忙しい中、バングラデシュで医療支援活動もされているとか。

辻博之院長 デンタルクリニックツジ6

そうですね。私が訪れている地域は、近年人工甘味料を含んだ食べ物の普及が進んでいるんです。現地の食べ物を食べていれば虫歯にはなりにくいのですが、そういった食べ物を食べる機会が増えたことにより、虫歯になる子どもたちが急増しているのです。にもかかわらず、歯ブラシを買うお金がなく、虫歯予防さえできないという深刻な状況に陥っています。治療を受けたくても受けられない、そんな子どもたちのサポートができればという思いから医療支援を始めました。今では約10人の子どもたちの里親として当院の売り上げの一部を教育費として寄付しています。今後も時間を見つけて続けていければと思います。

伝えたいメッセージや今後の展望を聞かせてください。

患者さんから感謝されることが一番の喜びとやりがいであり、歯科医師としての自分の存在意義はそこにあると感じています。また淡々と作業するより、一人ひとりに向き合いしっかりと思いを込めて治療する中で、治療後の仕上がりは変わってくると信じています。これからも皆さんに信頼していただけるよう、しっかりと取り組んでいきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/35万円~
小児矯正/20万円~、成人の矯正/60万円~

Access