大熊 一稔 院長の独自取材記事
大熊歯科
(福岡市中央区/赤坂駅)
最終更新日:2024/07/10

赤坂駅から徒歩約10分、けやき通り沿いにある「大熊歯科」は患者とのコミュニケーションを重視しながら、口腔内のさまざまな困り事解決に注力している歯科医院。それを可能にするのが、福岡歯科大学病院で歯の根管治療を学び、幅広い症例に対応してくれる大熊一稔(かずとし)院長だ。初期虫歯の保存的治療から神経を抜く抜髄治療、歯周病ケアやホワイトニング、さまざまな角度からのアプローチで患者の口腔環境改善に取り組んでいる。またメンテナンスの面では、クリニック内を治療エリアとメンテナンスエリアに切り分けて設置するなどして強化。患者に寄り添うパーソナルトレーナーのような歯科をめざしている。そんな大熊院長に、初期虫歯治療のポイントや力を入れているメンテナンスなどについて話を聞いた。
(取材日2020年7月18日)
初期虫歯はあえて削らずに管理していく
大学病院で携わった歯科保存領域について教えていただけますか?

当時在籍した大学の歯科保存学教室は3つに分かれており、保存修復学、歯内療法学、歯周治療学があったのですが、私はこの中でも歯内療法学、いわゆる歯の根管治療である神経の治療に携わりました。そのため一般歯科の歯科医師として数多くの臨床経験ができたのではないかと思っています。歯の根の治療は目に見えない部分ではあるものの、歯科にとっては基本中の基本。ここをどれだけ丁寧に治療できるかは、歯の痛みなど長期的な健康に関係してくるため、非常に大切な技術であると考えています。
大学病院では難症例への対応が多い印象なのですが、初期虫歯の治療が多かったそうですね。
大学卒業当時、今では一般的になりました予防歯科的アプローチがようやく日本にも取り入れられるようになってきました。歯の一層目であるエナメル質で虫歯がとどめられるかどうかがポイント。初期虫歯は痛みもなく、一度切削してしまえば元には戻りません。そのために最初の段階で口腔内の診査をしっかり行い、リスク因子を把握し歯科医師と患者さんとが一緒に、初期虫歯を管理下に置いて悪化しないように見守っていくという方法を選択することがあります。もちろん早期に治療が必要なケースもありますが、最小限の侵襲で、可能な限り削らないミニマム・インターベンションを心がけています。したがって初期虫歯であってもむやみに削ることはせず、患者さんの意思を尊重しながら保存していく治療にも取り組んでいます。
初期虫歯の管理において、大切にしていることを教えていただけますか?

虫歯の状態だけではなく、患者さんの口腔内全体の環境を把握することですね。例えば唾液検査をして口腔内の細菌を把握したり、甘いものを過剰に摂取していないかなど食生活を伺ったり。あるいはセルフケアのブラッシングが行き届いているか、これまでの治療の歴史はどうかなど、総合的に判断して切削するのか管理していくのかを決めるようにしています。歯科医師の力だけで初期虫歯を管理していくことはできませんから。
より良い医療を提供していくためのこだわりの環境
大学病院に勤務された後は一般歯科でキャリアを積まれたそうですね。

大学病院在籍時に数多くの歯科医院に非常勤で勤務させていただきましたが、その後都心部ではなく、田園風景が広がる郊外の一般歯科などに勤務しました。そこでは農家の方も多く定期的に通院することが難しいため、集中的な治療を経験してきました。もちろん虫歯の根管治療にも取り組んできましたが、歯周病のケア、義歯治療など、さまざまな症例経験を蓄積できたと思っています。キャリアを積む中でダリル・レイモンド・ビーチ先生が提唱する水平診療などの考え方に出会い、これを実現したいと考え2002年に当クリニックを開院しました。
この水平診療とはどのようなものなのでしょうか?
診療台はフラットに倒れることで、歯科医師や歯科衛生士が座位で治療に専念できるようにします。また治療器具も診療台の肩口に備えられ、患者さんの目にふれず恐怖感などを拭うことにも役立っています。受付窓口の設置や予約制診療、カウンセリングルームの確保など現在では一般的ですが、そうした診療システムを導入しています。メンテナンスにも力を入れており、治療エリアとは切り分けた専用のメンテナンスエリアを設置。当院に初めて来られる患者さんは、緊急性のある症状を取り除いた後メンテナンスエリアで口腔内の資料を集め、歯科衛生士による清掃指導・口腔内の環境改善からスタートするのが治療の流れの基本としています。そのほか器具の徹底した滅菌、医療用空気清浄機の設置など衛生面にも力を入れています。女性の患者さんは治療でメイクが崩れることもあるので、専用のメイクルームも完備。より良い医療を提供するためには環境も重要ですから。
今はどのような症状で来られる患者さんが多いのでしょうか?

老若男女、満遍なくご来院いただいており、40%ほどの方はメンテナンスのために通院していただいていますが、それ以外の60%は虫歯や歯周病の治療、急な痛みなどですね。クリニックの近くにある赤坂小学校の学校歯科医を担当させていただいているので、最近は小学生の患者さんも増えていますよ。開業当時に比べてマンションも増え、親子でいらっしゃる方も多くなってきました。けやき通りというエリアの特性かもしれませんが、審美面を気にされる方が多いという印象がありますね。
患者に寄り添うパーソナルトレーナーに
幅広い世代に対応するため、さまざまな治療ができるのもクリニックの特徴だと思います。

虫歯や歯周病の治療はもちろん、小児歯科、インプラント治療、審美歯科、簡単な矯正にも対応しています。中でも審美面でお困りの方も多く、ホワイトニングで通院される方も増えています。当クリニックではホワイトニングコーディネーターが患者さんそれぞれの歯の状態や色に合ったホワイトニングをご提案します。一度挑戦したけれど思ったよりも満足できなかった方、歯にしみて断念した方からの相談も多いです。加えてすきっ歯の患者さんからは審美的な部分矯正のご要望もあり、マウスピース型の装置を用いた部分矯正にも対応しているほか、必要に応じて保険診療内での金属を用いないかぶせ物での調整などもお勧めしています。歯がきれいになればそれだけ歯に対する意識も高まり、結果的に口腔内の長期的な健康につなげていけると思います。審美的なお困り事がある方も気軽にご相談ください。
小児歯科領域では月に1回予防教室を開催されているそうですね。
大学から専門の講師の先生を招いて、子どもたちに対する予防教室を実施し、ブラッシング指導などを行っています。食習慣や食生活に関する指導のほか、お子さんの仕上げ磨きとして保護者の方にアドバイスをすることもありますよ。小さなお子さんの歯磨きトレーニングでお困りの方もいらっしゃると思いますが、まずは歯を磨くことに集中し過ぎず歯ブラシの毛先で舌に触るベロタッチから始めてみてください。根気は必要ですが、将来の虫歯予防のためにも頑張りましょう。
メンテナンスについて、注意すべきポイントを教えてください。

当クリニックのモットーは、患者さんに寄り添うパーソナルトレーナーのような歯科です。そのためにも3ヵ月に一度はご来院いただき、メンテナンスをさせていただきたいと思っています。ただし定期的にプロフェッショナルケアによるクリーニングを受けているからといって、完全に虫歯や歯周病を防げるわけではありません。そのためにもセルフケアが重要になってくるので、ブラッシング指導を行いながら一緒に口腔内の管理ができるようになればと思っています。
最後に読者へメッセージをお願いします。
しっかりとお話を聞いて、患者さん一人ひとりのお困り事に対してさまざまなアプローチの中から最適な方法を提案していくのが当クリニックの診療スタイルです。そのためセカンドオピニオンにも対応しているのが一つの特徴かもしれません。また、2020年の2月には歯科用CTと口腔内スキャナーを取り入れましたので、診断と治療の精度により磨きをかけていきたいと思っていますし、医科の先生とも連携して患者さんの全身の健康管理にも協力していきたいですね。まずは皆さんの口腔内の悩み事を聞かせてください。
自由診療費用の目安
自由診療とはオフィスホワイトニング
お試しコース(上前歯6本)/5000円(税込)
通常2回コース(1回60分)/3万3000円(税込)
通常5回コース(1回60分)/4万9000円(税込)
ホームホワイトニング
上下専用のトレー、ホワイトニングジェル、ホワイトニング専用歯磨剤/4万9000円(税込)
マウスピース型装置を用いた部分矯正/3万3000円~
インプラント治療/33万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。