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宮崎 彰 院長の独自取材記事

宮崎医院

(川崎市中原区/武蔵新城駅)

最終更新日:2021/10/12

宮崎彰院長 宮崎医院  main

JR南武線武蔵新城駅から徒歩3分。「宮崎医院」は40年以上ものあいだ地域住民の健康を守り続けてきた。2代目院長の宮崎彰先生は消化器外科が専門で中核病院の外科医長を務めた経験もある。院長就任後はホームドクターとして、幅広い診療にあたり、病院との連携だけではなく地域の診療所との連携も大切にしている。穏やかな口調と笑顔が素敵で、ユーモアあふれる宮崎院長に、診療方針や一次診療としての役割のほか、休日の過ごし方などプライベートな話も交えてたっぷりと話を聞いた。

(取材日2012年10月30日)

近隣の医療機関との連携で地域医療の向上を図る

院長就任のいきさつについてお聞かせください。

宮崎彰院長 宮崎医院 1

「宮崎医院」は私の父が開業しました。私が院長に就任したのは1991年ですが、クリニックとしては40年以上も続く、老舗のクリニックです。父の体が弱ってきた時にクリニックを閉院するかどうか迷ったのですが、勤務医だった私はちょうど開業について考えていたので、思い切って引き継ぐことにしました。父が院長の時には私が週に1回手伝いに来ていましたし、私の代になってからも父が元気なうちは手伝ってもらって、結局、最後の最後まで一緒に働いていましたね。それが親孝行になったかどうかはわかりませんが、そのように感じてくれていたのならうれしいです。診察室に父の写真を飾っているのですが、昔からの患者さんとはその写真を見ながら父のいた頃の話に花が咲くこともあるんですよ。

患者さんも古くからのつき合いの方が多いのですか?

古くからの方も多いですが、この辺りは新興住宅街でマンションがどんどん建っていることから、若いファミリー層も増えています。私はもともと外科出身で、内科的な治療はこの診療所で始めたようなものですが、赤ちゃんからお年寄りまで家族ぐるみで来られる方もいらっしゃるので、家族で同じ風邪にかかっているなとか家系で多い病気や家庭環境などをヒントに、専門内外にかかわらずホームドクターとして、患者さんからのさまざまな相談にわかる範囲でアドバイスをしています。また外科の知識を生かして小さい手術なども行っていますから、ほかの診療所からの紹介で来る方もいますし、専門的な治療が必要な場合には当院からほかの診療所へ紹介することもあります。

地域の医療機関と積極的に連携を取っているのですね。

宮崎彰院長 宮崎医院 2

病院との連携はもちろん、診療所同士の「診診連携」を行うことで地域医療のレベルも上がると考えています。当院の診療のみでは患者さんにとっての最適な医療を提供できない場合、近隣の医療機関を積極的に紹介しています。患者さんもより的確な診療を受けることができますし、病院や診療所とはお互い持ちつ持たれつのよい関係が築けていると思います。内容によっては大きな病院を紹介し、町の診療所として健康診断などによる早期発見に努めています。病院への紹介後、落ち着いたらこちらで薬を出し経過観察をすることも多いですね。過去に当院から紹介し、神奈川県立がんセンターで手術を受けられた方がいるのですが、この方とは現在もおつき合いが続いています。こういった方がいることは医師冥利に尽きると同時に、快く患者さんを受け入れてくれる病院や医療機関は私にとってのまさに頼れるドクターです(笑)。

自身が大病を経験し、改めて感じた早期発見の大切さ

一次診療の医院としては的確な診断が必要になるのでしょうか?

宮崎彰院長 宮崎医院 3

もちろん診療所で診断することも大切ですが、診断がつかなくても、初めから病院に行ったほうがいい場合や、ある程度めどが立ち、症状や疑いがあるという段階で紹介することもあります。こちらで最後まで検査をしても同じ検査を紹介先の病院で行う場合は患者さんへの負担が大きくなりますからね。ホームドクターには病院への橋渡し的役割があります。昔は当院もそうだったように入院施設があり手術をする診療所もありましたが、今は診療所で治せるものは診療所で治す、できないものは病院へ送るというように、互いの役割が特化されてきていると感じます。当院でも往診を行っていますが、在宅医療においても支援診療所のような保険の後ろ盾がある専門機関や診療所同士の提携による24時間体勢が可能な施設も増えています。やはり一つの診療所レベルでできることには限界がありますから、今後は病院や専門機関と連携し協力していく部分も出てくるでしょうね。

日々の診療において大切にされていることを教えてください。

最初は患者さん本位での診療を心がけ、希望に忠実なアドバイスをしていました。しかし、数年前に私自身が大病を患ってからは、改めて治療の原点である早期発見・治療の大切さを感じ、志すようになりました。患者の立場を経験したことで、病気になった時の不安感や心配が身をもってわかりましたね。耳の遠いお年寄りや小さな子どもの多い地域ですから、なるべく丁寧に接し、優しい言葉をかけるように心がけています。反対に、ご自身でお調べになってある程度の情報をお持ちの方には、専門的な話も交えてさらに詳しく説明をすることもあります。子どもの予防接種に関することはさまざまな情報が入り乱れているせいかよくご相談を受けますね。中には私の専門外の相談内容もありますが、たとえ答えが出なくても話すことで楽になることや気がつくこともありますから、まずはご相談ください。

初めて担当した患者さんを覚えていますか?

宮崎彰院長 宮崎医院 4

大学を卒業して医局に入り初めて手術をした患者さんとは、その後もずっと年賀状のやり取りをしています。一度、こちらからお出しできなかった年にけがをされたそうで、私からの年賀状がお守りのように感じていると言われてから、私も毎年送るようにしています。また、千葉の病院に勤務していた頃からの患者さんが、年に一度、健康診断のために当院まで通われ、元気な顔をお互いに見せ合っています。このように元気にお過ごしの方もたくさんいらっしゃいますが、印象に残っているのはどちらかというと治療や手術がうまくいかなかった患者さんが多いんですよね。特に外科は常に生命と対峙している科なので、今でも反省と戒めの気持ちのほうが強く心に残っています。

ホームドクターとして地域住民に信頼される診療を

医師になったのは、やはりお父さまの影響なのでしょうか?

宮崎彰院長 宮崎医院 5

そうですね。父の姿を見て迷うことなく医師になり、父と同じ外科を選択しました。メスを握る外科に憧れがあったのでしょうね。だから、父の後を継いで院長に就任した時は、この先手術をすることがなくなるということに多少ためらいがありました。でもこの医院をなくしたくなかったですし、なんとか続けていきたいという気持ちが勝りました。今は引き継いでよかったと思います。私たち医師にとっては患者さんが先生です。患者さんからさまざまなことを学び成長させてもらっていると実感していますし、まだまだ勉強して、やらなくてはならないことがたくさんあります。年齢とともに体力が落ちて来ることは否めませんが、長年の積み重ねである医学の知識や経験でお役に立てればいいですね。

お忙しい中、休日はどのように過ごされますか?

家でのんびりすることが多いですが、ゴルフが好きなので自分でプレーするほかに観戦にも出かけます。ゴルフ観戦は結構な距離を歩くことになるのでいい運動になるんですよ。ただ、最初はいいのですが、だんだん山道を登っていくことになるので疲れますね(笑)。最近は、患者さんで馬主の方がいるのですが、その方のお誘いで一口馬主になり馬主生活を楽しんでいます。レースにも出ているのですがなかなか勝てないんですよね。デビューまでが楽しくて、デビュー戦は子どもの初めての運動会のような感覚で見守りました。

最後に、今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。

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現状を維持しながら、健康診断やがん検診などを通して早期発見・治療に努めたいです。父の代から続いて来たこの医院は地元の方にとっても安心感があると思うので、私の代で途切れてしまわないようにしたいですね。私自身は体力の続く限り勉強をしながら医師を続けていきたいです。そのためにはもう少し運動する機会を増やしてきちんと健康管理する必要があるかな(笑)。これからもホームドクターとして地域の方に信頼していただける医院をめざしてさらに頑張っていきたいと思っています。もし、何かお困りのことがあれば気軽にご相談ください。

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