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内川 友義 院長の独自取材記事

内川整形外科医院

(川崎市中原区/平間駅)

最終更新日:2022/03/11

内川友義院長 内川整形外科医院 main

JR南武線の平間駅近くにある「内川整形外科医院」。父親が開設した医院を受け継ぎ、整形外科医として「身体全般について常に真心を持って、相手の立場で考えること」をモットーに、地域医療を実践してきた内川友義院長。大学院で「細胞間シグナル伝達」をテーマに研究に携わった経験もあり、今も昭和大学や文京学院大学で若い医療人の育成にも取り組む。また、スポーツ整形にも詳しく、昭和大学北岳診療部の活動にもボランティアとして参加。さらに地域貢献も熱心に行うなど、多方面で活躍するドクターだ。穏やかな笑顔と楽しい語り口も印象的で、多くの患者に慕われることが納得できる。そんな内川院長に、その診療方針や診療の特徴などを詳しく聞いた。

(取材日2022年3月2日)

川崎市平間で、半世紀にわたり地域を支える整形外科

こちらは、長い歴史のある整形外科医院とお聞きしました。

内川友義院長 内川整形外科医院1

1975年に父である内川勝義が当地に開業した医院で、2002年に私が院長として継承しました。父から引き継いだ建物は手術室や入院設備があり、その時代には当たり前であった土間で靴を脱ぎ、スリッパに履き替える玄関でしたので、時代に合わせて改築を行いました。バリアフリーに留意してエレベーターも設け、受付から診察室、検査室、処置室、トイレ、2階のリハビリテーション室まで、すべて車いすで移動できる設計になっています。また、DXA法による腰椎・大腿骨の骨密度測定機器を導入し、リハビリテーション用の設備も整えました。平間は歴史のある地域ですが、再開発の進む武蔵小杉や新川崎からも近く、若いファミリー層も増えています。ですから、当院にも小さいお子さんから高齢の方まで幅広い年齢層の患者さんが来院されます。

先生の診療方針や理念について聞かせてください。

幼稚園から小学校まで過ごした洗足学園では、互いに足を洗えと教しとキリスト教の感謝と献身、犠牲と奉仕を幼心に学びました。駒場東邦中学校・高等学校で学んだのは、フェアプレー・フレンドシップ・ファイティングスピリットの「3F」精神。「自主独立の気概」「紳士たれ」との教えとともに、現在のあらゆる活動の原動力となっています。大学・大学院、卒後臨床研修と学んだ昭和大学の建学精神「至誠一貫」は、私の医療人としての姿勢です。これは“常に相手の立場を考え、真心を尽くす”という精神で、 “痛みを抱える患者さんに対し、医療に従事する者は真心を持って接する”という考え方です。また医学部卒業後、昭和大学藤が丘病院、昭和大学藤が丘リハビリテーション病院整形外科で、多職種、とりわけ理学療法士と寝食をともにして学ぶ機会を得られたことは、整形外科医として生涯かけがえのない財産になりました。

先代院長からはどんなことを学びましたか。

内川友義院長 内川整形外科医院2

小学生の頃から診療に携わる父の背中をずっと見て過ごしてきましたから、私自身、整形外科医以外は考えられず、当然のように地域医療をめざして開業しました。継承する時に父に教えられたのは「バランスが大切」ということです。診療の質を担保する、スタッフとワンチームで診療することとともに、経営面も重要で、そのバランスが大切であると。地域で診療を持続していくためには、理想だけを追求しては駄目だと言われました。継承後は「指示系統が2つになるのは良くない」とすべてを任せてくれたのもありがたかったですね。また「勉強できる時には勉強しなさい」と、大学院に至るまで充実した学びの機会を与えてくれたことにも感謝しています。

骨粗しょう症診療やスポーツ整形、リハビリにも注力

先生の診療にはどのような特徴がありますか。

内川友義院長 内川整形外科医院3

大学院では薬理学教室で、基礎研究に集中する機会を得ました。当時、研究のトピックであった事象が四半世紀を経て、今、神経障害性疼痛治療薬や骨代謝治療薬として、患者さんのQOL改善に役立っていることに深い感慨を覚えています。母校で「整形外科領域における創薬・育薬」をテーマに講義を担当する機会にも恵まれました。こうした経緯から、当院では薬物療法にも注力して、骨粗しょう症治療薬や、疼痛治療薬を中心に最小限の薬は院内処方で対応しています。保存療法では薬物療法と運動療法が車の両輪として重要ですから、バランス良く症状改善に寄与できるよう努めています。

骨粗しょう症診療やスポーツ整形にも注力していると聞きました。

骨粗しょう症に関しては、腰椎と大腿骨近位部で骨密度を精密に計測できる検査を行っています。高齢者の場合、脊椎の圧迫骨折や、大腿骨頸部・腰椎の骨折から寝たきりになることは多く、骨粗しょう症は明らかに健康寿命に影響します。川崎市には「骨粗しょう症検診」という制度があり、40歳以上の女性は5年ごとに骨量測定が受けられます。ぜひ多くの方に検査を受けていただき、リスクのある方への積極的な治療や、若いうちからの予防を啓発していきたいと考えています。またスポーツ整形では、理学療法士とも連携した診療を行っており、少年野球から、運動部の中高生、クラブチームなどさまざまな方が受診されます。手術療法が必要な場合は、連携する医療施設を紹介して術前術後の管理やリハビリを当院で行います。

リハビリの特徴を教えてください。

内川友義院長 内川整形外科医院4

理学療法士は病気やケガなどで身体機能が低下した方に対し、運動療法や、物理療法といって電気・光線・超音波・温水など物理的な方法で症状にアプローチする方法を用いてリハビリテーションを行う、体の動作に精通したスペシャリストです。当院では常時3~5人の理学療法士が在籍して良い姿勢の取り方や、起き上がる、立ち上がる、歩くといった基本動作能力の回復、スポーツによるケガの予防やパフォーマンスの向上まで幅広くサポートしています。義肢装具士による装具作製も行い、身体障碍者診断書・意見書にも対応しています。

院外とも連携したチーム医療、介護職との連携も重視

ところで、プライベートな時間の過ごし方は?

内川友義院長 内川整形外科医院5

中学以来の鉄道ファンで、感染症の流行で旅行がかなわない現在は写真や模型を楽しんでいます。診察室には鉄道写真カレンダーがあり、お子さんが興味を示してくれると、こちらもうれしくなりますね。私自身が巳年生まれなので、蛇行して進む姿に共感するのかもしれません(笑)。もう一つの趣味は映画・演劇ならびにコンサート鑑賞です。日常とは異なる空間に身を置くとリフレッシュできる気がするのです。また、今も大学で非常勤で講義を担当していますし、昭和大学北岳診療部ボランティア活動にも参加しています。日常とはまったく違った環境での活動や、若い世代との交流はとても刺激になりますね。

これからの展望について聞かせてください。

やはり地域医療への貢献ですね。川崎市医師会、特に川崎市整形外科医会を中心とする地域医療活動にも積極的に参加しており、少年野球肘検診、骨と関節の日・市民公開講座の開催、救急休日委員会など、他の先生方と協力して行う活動に充実感を得ています。また病診連携の会などを通じて面識を広げ、手術療法が必要な患者さんをスムーズに紹介できるよう、院外とも連携したチーム医療に努めていきたいと考えています。介護認定審査会にも長年携わり、医療から介護へのシームレスな連携もめざしています。当院は、スタッフや家族の協力を得ながら、先代からの土・日・祝日の午前診療を続けています。かかりつけ医は、地域で医療を提供し続けること、歴史を紡ぐことが重要です。医師は私一人の体制ですので限界はありますが、多くの方々と連携しながらこれからも地域医療に取り組んでいきたいと考えています。

読者へのメッセージをお願いします。

内川友義院長 内川整形外科医院6

整形外科は体全般の痛みや不具合に対応する診療科です。整形外科領域における治療薬は目覚ましく進展し、新たな治療法も増えています。長く続く痛みに悩んでいる方や、マッサージなどではなかなか改善につながらないという方は、ぜひ整形外科を受診して、適切な治療を受けていただきたいと思います。また女性の場合は特に、若い時からバランスの良い食事と適度な運動により「骨の貯金」をして骨粗しょう症を予防することが大切です。過度なダイエットなどすると若くても骨量が落ちるケースもありますので注意してください。お子さんの場合、歩き方や動き方がいつもと違う、どこか変だと思われたら整形外科を受診していただきたいですね。何もなければ安心ですし、問題があれば早めの対応ができます。当院としては、可能な限り親身な診察を心がける一方、待ち時間を減らす大切さも認識しています。初診の方には、お薬手帳の提示などご協力をお願いします。

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