永縄 友紀子 院長の独自取材記事
あいち松葉公園矯正歯科クリニック
(名古屋市中川区/烏森駅)
最終更新日:2021/10/12
名古屋市中川区の住宅街にある「あいち松葉公園矯正歯科クリニック」。通院患者の利便性を考えて駐車場も完備されている。淡い青緑のガラス張りとなっている院内は透明感があり、入り口やキッズルーム、診察室には大きめのフィギュアを展示。永縄友紀子院長が楽しい雰囲気にしたいとレイアウトしたものだ。同院は矯正歯科を専門に扱っており、全て完全な自費治療である。患者はすべての歯が永久歯に生え替わる前の幼児から高齢者までと幅広い。最近では男性も増加傾向にあり、年代や口腔内の状態に合わせてさまざまな治療法を提案している。できるだけ歯を抜かずに治療を行うことをモットーにしている永縄院長に、クリニックの特色や矯正歯科への思いを語ってもらった。
(取材日2016年7月28日)
幼い頃から医療に親しみ、自然とめざした歯科医師の道
歯科医師を志した理由をお聞かせください。
祖父と伯母が歯科医師、祖母と父が内科の医師という家庭に育ちましたから、将来他の職業に就くことは考えていなかったですね。診療している姿を見ていて、人の役に立つ仕事だと感じていましたし、私自身もそうなりたいと思いました。実家は兵庫県なんですが、愛知学院大学歯学部への進学をきっかけに名古屋に来ました。歯科というと痛みを取り除く治療というイメージがありますが、矯正歯科は審美的な要素が強く、歯並びを矯正することで患者さんの人生に影響があることもあり、興味を持ちました。卒業後は大学附属病院の歯科矯正学講座や開業医のもとで勤務し、2006年に開業しました。
クリニックの特色を教えてください。
病原菌や感染症に対する消毒・滅菌を徹底して行っています。手袋はもちろん、使い捨てにできるものはすべて対応しています。治療に使用する器具などはすべてオートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)で滅菌しています。この滅菌は、微生物を死滅・除去する方法です。一方で消毒は微生物の数を減らすための方法なので、殺滅しているわけではありません。つまり、アルコール消毒などではウィルスを完全に除去することはできないんです。そこで当院では、患者さんのお口に入る機器などはすべて、この滅菌処理を施しています。歯科医院にきて病気になってしまうのは誰でも嫌ですし、そのようなことがあってはならないですから、1回1回オートクレーブを使用して滅菌しています。また、お子さんが楽しく通院できるようにキッズルームも完備していますよ。
診療の際に心がけていることは何ですか?
患者さんがどこを気にしていて、治療後はどのような姿を思い描いているのかをしっかりと理解できるように、話をよく聞くようにしています。お子さんの場合には親御さんからの話がメインになりますね。男の子の場合は本人の関心が低いこともありますが、女の子は歯並びを気にしていることがほとんどですから、お子さんでも本人から話を聞くこともあります。当院では、できる限り歯を抜かずに治療することも診療方針としています。私自身が治療を受けることを考えたときに、健康な歯は抜きたくないと思うからです。もちろん、顎の骨格や歯列の状況によっては抜かざるを得ないこともありますが、できるだけ抜歯はせずに治療したいと常に考えています。
できるだけ抜歯はしないのが診療モットー
どのような患者さんが来院されますか?
永久歯に生え替わり始めたお子さんから、20~30代の女性が多いですね。通院しているお子さんのお母さんが「私も」と言って始めることもあるんですよ。ここ何年かで男性患者さんが非常に増えましたね。最近では美意識の高い男性が増えてきているからではないでしょうか。ホワイトニングを希望する方もいます。またご年配の方も歯並びを改善したいと来院されることもあります。当院は矯正歯科を専門としており、完全予約制で診療にしっかりと時間をとっています。
年代によって治療は変わるのでしょうか?
お子さんの場合には始める時期が非常に重要です。例えば、受け口になってしまっている場合には幼児期から開始したほうがいいですね。また歯列がガタガタだったり、前歯が出てしまっている場合には永久歯に生え替わることで状態が変わってくる可能性もありますので、上下前歯4本が生えそろってから始めることもあります。生え替わりは個人差がありますから、年齢によって一概に決めることはできません。経過観察しつつ開始時期を見極めることが大切です。成長に合わせて治療を進めていくので抜歯せずに歯並びを治すことも期待できます。永久歯が生え揃ってからでは抜歯が必要になることもあります。成人の方は、患者さん本人がイメージしている治療後の具体的な形がありますから、そこがあまり違いすぎないように気をつけて治療を行います。顔全体のバランスや審美的な基準から、なるべく希望に近い形にできるように努力します。
では、高齢者の場合はどうでしょうか?
ご年配の方は、これまで自分の歯並びに我慢してきた歳月があります。いざ治療をすると決めると、求めるものやめざすところが高い傾向がありますね。しかし加齢と共に治療の負担は大きくなりますから、患者さんが考えている治療のゴールと、こちらが提供できるゴールの着地点が異なることが多々あります。できるだけ患者さんに歩み寄る治療を心がけていますが、歯周病の患者さんはまずそちらの治療が優先されます。歯周病の専門家に治療を依頼し、治癒してから初めて矯正治療を行うことになります。ただ歯周病が再発してしまうこともあり、なかなか治療が進められないということもありますね。基本的には、患者さん自身の歯がきちんと残っていれば治療は可能ですが、年齢に合わせた条件があることをきちんと伝えるようにしています。
共に理想の歯列をめざす。患者の人生を変える治療を
スタッフの中には歯科技工士もいると伺いました。
矯正に使用する器具は、口の動きと連動する装置が多く、そのために痛みが伴うこともあります。そこで技工士にも立ち会ってもらい、実際に口腔内を診ながら相談して装置を改善していきます。型を取って装置を作成することもできますが、止まっている状態ではなく動いている状態を技工士に観察してもらうことで、より患者さんに合った装置をつくることができますから、治療には必要不可欠な存在ですね。また当院の歯科衛生士は優秀で、器具の針金交換や舌・唇の筋力を鍛える機能訓練などの指導も行っています。歯列が改善されても筋力がないと元に戻ってしまう可能性があるからです。通常、歯科衛生士は歯科医師の助手というイメージが強いですが、当院の場合は補助ではなく個人が患者さんを担当しています。私1人ではなくスタッフに支えられて診療を行うことができていますから、とても感謝しています。
院長が今後めざしていく歯科医師像を教えてください。
内科の医師だった祖母は97歳まで現役の医師で診療を行っていました。晩年は、治療ではなく長寿の医師に会いに来るという目的の患者さんが多かったようにも思います。祖母は皆さんに愛されている医師でした。私も祖母のように長生きをしていつまでも元気で長く現役を続けていきたいと思っています。また患者さんに対しては、治療の苦労や悩みを共に受け止めて寄り添える歯科医師でありたいですね。矯正歯科は治療が長期間に及びますから、途中でやめてしまいたくなる方もいます。それには必ず理由がありますから、もし今の時点で治療をやめてしまうとどのようなデメリットがあるかをきちんと説明するようにしています。これまでの頑張りもすべて無かったことになってしまいますからね。装置を付けたままの状態で治療を放棄してしまう人もいますが、さまざまな弊害が考えられますから、その場合には何度も連絡するようにしています。
最後に読者へメッセージをお願いします。
矯正を受けた後、人生が変わったように感じる人がたくさんいます。矯正治療の前後で、服装や話し方、雰囲気まで変わってくる方もいます。表情も明るくなり、自分に自信が出てくるんだと思います。男性も同じですよ。最近では金具を用いた装置だけではなく、マウスピース型の装置もあります。矯正のアフターケアとしてホワイトニングも行っています。歯並びに関して悩みやコンプレックスを抱えている方は、ぜひ一度受診してみてください。相談だけも受け付けていますので、気軽に来院してほしいですね。一人ひとり、お口の中の環境は違いますから、それぞれに合った治療法を話し合って決めていきます。一緒に理想の歯並びを手に入れましょう。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正/75万円~、歯列矯正/表側:75万円~(すべて税込)
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。