濱口礼院長の独自取材記事

れい歯科クリニック

(尾張旭市／旭前駅)

最終更新日：2024/03/15

名鉄瀬戸線「旭前」駅から徒歩7分、山手通り沿い、旭野高校東交差点の角にある「れい歯科クリニック」。2007年の開業以来、濱口礼院長は、大切な歯を残すために、「総合的かつ根本的な治療」を行うことをモットーに、診療を続けてきた。虫歯や歯周病の治療からマイクロスコープを用いた精密根管治療、小児の歯列矯正、インプラント治療、歯科口腔外科からホワイトニングまで、幅広い分野の歯科診療に対応し「患者さんのお口の健康を守り続けたい」と、定期的なメンテナンスによる予防歯科に力を入れる。穏やかな口調の中にも熱意が感じられる濱口院長に、診療のこと、歯科医療の大切さ、支えてくれるスタッフに対する思いまで、答えてもらった。

（取材日2024年2月15日）

総合的・根本的な診療で口腔内の健康維持をめざす
歯科衛生士と連携し、口腔トラブルの予防に注力
かかりつけ歯科医師として地域医療に貢献

総合的・根本的な診療で口腔内の健康維持をめざす

どのような患者さんが受診しますか。

当院では、開業から17年間、その場しのぎで虫歯や歯周病を治療するのではなく「総合的に根本的に治療すること」を理念とし、治療後はそのままの状態を保つことを大切に診療を続けており、「大事な歯を守りたい」という患者さんが、定期的にメンテナンスに通ってくださっています。患者さんのいろんなお口の状態に対応できるよう「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」として、毎月でも保険適用でメンテナンスを行うことができるようになっています。

総合的・根本的な診療について、お聞かせください。

まず、専門分野に特化するというのではなく、口の中全体を診るという考えが根本にあります。ですから、当院では、虫歯や歯周病の治療から精密根管治療、子どもの歯列矯正、インプラント治療、歯科口腔外科からホワイトニングまで、幅広い分野の歯科診療に対応しています。手術室が必要な治療などの例外はありますが、患者さんのお口の問題に対し、ご要望を伺いながら、トータルでお口の健康状態を考え、さまざまな治療を駆使して提供しています。その際に、長い目で見てお口の良い状態を保つことができるように、根本的な治療を行い、治療後は定期的なメンテナンスに通っていただきます。

患者と接する際に心がけていることはありますか。

患者さんが何を望んでおられるかで治療の方向性も変わってきますので、丁寧なヒアリングと説明で納得の上で治療を受けていただけるように心がけています。例えば、虫歯の治療の場合、検査やクリーニングで患者さんのお口の状態を調べた上で、カウンセリングにより治療方針を決めていくわけですが、患者さんのご要望を聞き出し、治療法の説明にアニメーションを用いるなど、丁寧にわかりやすくご説明します。複数の治療法が考えられる場合はそれぞれのメリットやデメリットを示し、患者さんのご要望も踏まえて決定していきます。1回の診療は30分を目安にしているため、すぐに答えが出ない場合もあるでしょう。そのようなときは、もう1回カウンセリングの時間を設けて、じっくりご相談させていただいています。

歯科衛生士と連携し、口腔トラブルの予防に注力

定期的なメンテナンスで重視していることを教えてください。

当院では、歯科衛生士が歯や歯茎の状態を確認し、歯石除去やクリーニングを行ったら、必ず歯科医師によるチェックを行います。徹底的なチェックを行い、トラブルが発生する前に未然に防ぐことが何よりも大切です。例えば、噛み合わせのチェックでは、噛み癖により強く当たっている部分がないか、知覚過敏になっていないかなどを確認します。お口の中の問題は、崩れ出したらあっという間で、元に戻すのは難しいので、トラブルの芽は早めに摘まなくてはいけないのです。歯科衛生士と歯科医師のダブルチェックで、お口の異変を見逃さないようにしています。

歯科衛生士との連携が大切なのですね。

メンテナンスの際には、お口の汚れ具合や炎症の有無といった患者さんの情報を共有し、状態が良くない場合は、通常3ヵ月に1回のメンテナンスのところを早めに受診してもらう、治療を再開するなど、常に相談しながら良い状態を保つために臨機応変に対応します。それから、伝達事項を書き込むノートに、例えば必要な検査など、次回のメンテナンス時に向けた申し送りをしています。また、スタッフには「毎回、同じことの繰り返しでは、患者さんはもう行かなくていいと思ってしまう。どの歯が磨けていなかったのか、どこに炎症があるのか、状態は良くなっているのか、というように具体的に状態を説明してほしい」といつも話しています。せっかく定期的なメンテナンスで状態をキープできたとしても、通院をリタイアしては元も子もありません。患者さんのモチベーションを高める医療提供を、スタッフとともにしていきたいです。

噛み合わせのチェックのお話がありましたが、自覚症状がなくても治療が必要な場合もあるのですか。

噛み合わせの問題を見つけて歯ぎしりの可能性を指摘しても「絶対に私は歯ぎしりしません」と、気づいておられない方は多いです。でも、顎をちょっとずらしていただくとピタッと上下が合う場所があるので、実際に歯が削れた箇所をお見せして「これだけずらして歯ぎしりしていますよ。だから、ここが削れているのです」と説明します。銀歯やセラミックの歯でも削れることがあり、悪化すると骨の形が変わってエックス線画像でもわかります。食いしばりや歯ぎしりで骨に影響したり歯が折れることもあるので、ひどい方にはマウスピースを用いた治療を行います。マウスピースの厚みで噛む力を逃して、最大の力で噛めないようにすることをめざすのです。

かかりつけ歯科医師として地域医療に貢献

スタッフさんをとても大事にしていらっしゃるのですね。

当院のスタッフはみんな明るく自慢のスタッフです。みんな私の理念である患者さんを根本的に治したいというのにうれしいことに共感してくれていますね。私は患者さんはもちろんですが、スタッフのみんながやりがいを持って楽しく働ける職場にしたいと日々考えています。そもそもスタッフの力がなければ、診療が成り立ちません。スタッフを大事にすることの取り組みが、結果として患者さんのためになると考えているからです。さらには、仕事に楽しさを感じてもらえるよういろいろ教えるのも私の役割だと思っているので、そこも日々勉強しています。やはり、仕事をするからには楽しんでほしいですからね。また当院はスタッフ同士も仲が良く、月に2回ケーキをクリニックから差し入れをしてみんなで食べるなど、和気あいあいと働いていますよ。

今後の展望をお聞かせください。

診療の質を保つには、スタッフの存在が欠かせません。当院では、スタッフがやりがい持って働ける環境づくりに力を入れています。健康保険は一般企業同様の協会けんぽに加入しています。出産時に支給される費用が国民健康保険に比べてかなり手厚いので、女性スタッフにメリットがあると考えたのです。また、しっかりと休むことも大切なので、有給休暇は100％消化してもらってます。業務を通じて歯科の知識や技術を高めることもやりがいになりますが、さらにスキルアップしたければ、講習会の参加費用も負担します。今後もスタッフに気持ち良く働いてもらい、それをしっかり患者さんに還元できるように、働き方改革を進めていきたいです。ちなみに僕は、今流行りの性格診断はISTJ（管理者）なので皆さんの期待には応えたくなってしまうんですよね（笑）。

最後に、読者の皆さんへのメッセージをお願いします。

お口の中を家に例えると、歯は柱です。木造家屋の柱が1本シロアリに食べられたら、屋根は傾きます。虫歯になった状態です。柱がダメになったら、屋根が落ちてしまいます。噛み合わせが崩れちゃいます。そこに同じ木の柱、つまり天然歯を入れることはできないけれど、例えば鉄骨のようなインプラントを埋め込んだり、代わりの柱を立てることは可能です。また、柱がしっかりしていても土台が揺らいだら、家は崩れてしまいますよね。これは歯周病です。歯の本数が減れば、それだけ残った歯の負担が増えたり、噛み合わせのバランスも悪くなります。家が潰れてしまわないように、皆さんが大切な歯を失わないために、当院では技術を駆使して、最良の治療を提供できるように全力を尽くします。でも、シロアリを早めに見つけて駆除するように、トラブルを未然に防ぐに越したことはないので、定期的なメンテナンスとセルフケアが何よりも大切だと強調したいです。