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平野 享 院長の独自取材記事

ひらの歯科医院

(神戸市垂水区/山陽垂水駅)

最終更新日:2022/08/05

平野享院長 ひらの歯科医院 main

訪問診療と一般診療の2軸で地域医療に貢献する「ひらの歯科医院」。地元である神戸で同院を開業した平野享院長は、院内・介護施設・患者の自宅とさまざまな場所で日々ニーズに応える。介護保険の導入からほどなくして訪問診療を開始し、口腔管理に長年注力してきた平野院長。とりわけ噛み合わせなどの機能回復と、誤嚥性肺炎などの病気の予防に重きを置いているという。また認知症の患者に対しても、コミュニケーションの工夫により最大限の意思疎通を図り、より良い治療と口腔の健康につなげているそうだ。患者だけでなく、その家族や入居先の施設のメリットまで考えた診療は、まさに相手の気持ちや要望をくみ取ろうとする平野院長ならではの特徴といえる。今回は平野院長の人柄に迫るとともに、高齢者の口腔環境を整える重要性についても聞いた。

(取材日2022年7月25日)

訪問診療を通して口腔の衛生管理と機能回復をめざす

初めにクリニックの歴史や特徴、診療のコンセプトを教えてください。

平野享院長 ひらの歯科医院1

当院は1992年に開業したクリニックで、最初は現在地から少し離れた場所にありました。その後、立地条件や診療する際の利便性を考慮して、10年ほど前にこちらに移転した次第です。私たちは患者さんファーストを理念に虫歯・歯周病治療といった一般診療を行っているほか、介護保険の誕生後は、施設からの要望を受けて訪問診療も20年近く実施しています。訪問に重きを置いていることもあり、院内はチェアが1台のこぢんまりとした雰囲気ですね。普段は非常勤の歯科医師2人とスタッフ3人の体制で、外来診療と訪問診療の両方に柔軟に対応している状況です。訪問先はグループホームなどの介護施設がメインで、入居者さんだけでなく施設スタッフの方々のメリットにもつながるようにと考えて診療にあたっています。施設向けの勉強会も開催し、口腔ケアやお口の中を治療する必要性について啓発しているんですよ。

施設側のメリットのため、他にはどのようなことに取り組んでおられますか?

大きく分けて2つあり、1つ目は「口腔内の機能回復」です。まず、入居者さんのご飯を食べたり飲み込んだりする機能が向上すれば、食事介助の方の負担が減ります。さらに噛み合わせも改善できれば、入居者さんがお一人でできることが増えるでしょう。人間は力を入れて体を動かす際、上下の歯を噛みしめますので、噛み合わせは非常に重要なんです。それができないと、自力で立ち上がったり、寝返りを打ったりすることが難しくなり、転びそうなときに体を支えられず転んでしまうといったデメリットが伴います。こうしたトラブルを避けるために、当院では機能回復を重視した診察を行っています。2つ目は「口腔内の衛生管理」です。お口の中が不衛生だと、ご高齢者に多い誤嚥性肺炎のリスクが高まりますので、常に口腔環境を保ち病気の予防に努めています。

訪問歯科診療ならではのやりがいや大変さはありますか?

平野享院長 ひらの歯科医院2

現在の主な訪問先であるグループホームは、認知症対応型の施設です。そのため診療に対する意思の確認が難しく、こちら側の意図をご理解いただけないケースも少なくありません。認知症の方に「口を開けてください」などと普通に声をかけても伝わりませんので、いかに診療に誘導するかが苦労するところですね。だからこそ、言い方を工夫したりして診療を軌道に乗せ、無事治療を完結できたときはやりがいや喜びを感じます。訪問歯科診療を始めた当時は、認知症の患者さんの特性はおろか、適切な対応の仕方もわかりませんでした。しかし現在は、長年のトライアンドエラーによって蓄積したノウハウがあります。みんなの頭の中にある知識や経験を新しいスタッフにも引き継ぎながら、地域のために訪問歯科診療を提供し続けています。

予防のためのケアや入れ歯による噛み合わせ改善に注力

具体的な診療内容についても伺います。

平野享院長 ひらの歯科医院3

訪問診療では毎週・隔週など、さまざまな頻度で施設に伺い、口腔衛生を第一に必要なケアを行っています。その一方で、噛み合わせや使用している入れ歯に問題があればそちらにも対応し、機能改善を図ります。また、ご高齢の方が多い地域柄、一般診療で実施する内容は訪問とほぼ変わりません。患者さんにも同じスタンスで接しており、定期検診の時期をお伝えするはがきをお出ししながら継続的な予防に取り組んでいます。今まで通院していた患者さんが施設に入居し、今度は訪問診療でお口の中を診ることも過去にありましたね。訪問中はクリニックを留守にするため、一般診療の患者さんには受診日を調整していただくこともありますが、必ず自分が責任を持って診療を担当しています。

治療で特に力を入れていることはありますか?

入れ歯の作製です。口腔機能の回復という一大目標がありますので、噛み合わせの改善と正常な嚥下・噛みしめのために注力しています。それに、入居者さんの介助はスタッフの方の力だけでは大変です。介助がもっと楽になるよう、ご本人が力を発揮して体を動かせる状態に導くことも、施設側のメリットになると考えています。入れ歯は保険診療・自由診療ともに作製可能ですが、基本的には保険で対応します。入居者さんの背景にいらっしゃるご家族の金銭的負担を考えると、こちらから自費の入れ歯をお勧めするなんてできません。それに、せっかく高いお金を払って入れ歯を作っても、認知症の方が使いこなせるかどうかは別問題です。中には使ってもらえずに終わってしまったケースもありましたので、保険診療であっても噛み合わせをきちんと確立できるような入れ歯の作製を心がけています。

訪問歯科診療では、地域連携も大切だと思います。

平野享院長 ひらの歯科医院4

何らかの病気を抱えている方に外科的な処置を行う場合は、内科の先生と適宜連携しています。認知症が絡む特殊な状況での治療は注意が必要で、抜歯や麻酔は全身の状態を把握した上で実施しなければなりません。内科のほかにも、同じ患者さんを診ている他科の先生と連絡を取り合いながら慎重に治療を進めていますね。どうしても当院で対応しきれない場合には、地域で歯科や歯科口腔外科を標榜している大きな病院へご紹介する体制も整えています。ただ、お口のトラブルが起きた際の対処ももちろん行いますが、私たちはそもそもトラブルが起きないよう、日頃からの口腔ケアを大事にしています。

患者のニーズを引き出し、応えられる診療をしたい

歯科医師をめざした理由や、開業までのご経歴を伺います。

平野享院長 ひらの歯科医院5

医学関係の職業には学生時代から興味があったんです。私は父に似て手先が器用なところがありましたので、外科などにも一時憧れたものの、最終的には得意を生かせる歯科の道に進みました。大阪歯科大学を卒業後は、大学の先生の弟でもある恩師の歯科医院に就職し、神戸に戻って開業するまでの約5年間お世話になりました。さらに大学の先生の診療所もかけ持ちしながら、一般歯科から外科領域まで幅広い分野で実践的な経験を積めたのは大きかったですね。お2人とも本当に優しくて面倒見の良い方で、心から感謝しています。

現在の診療につながる、恩師の先生方からの学びはありますか?

患者さんの言うことをよく聞き、理解し、それを治療に反映する姿勢は勉強になりました。話術とはまた違う、患者さんの真のニーズを引き出せるような対応は、単に歯科医療の技術があるだけでは身につかなかったと思います。お2人の人柄があってこそのスキルかもしれませんが、私もなるべく相手が話しやすいと感じる対話を日々意識しています。そのかいあってか、基本的には難しい認知症の患者さんとの会話の中で、はっきりとした言葉で感謝してもらえる場面があります。以前、入れ歯をお作りした方にご飯を食べられるか聞いたときに「食べられるよ。ありがとう」と言っていただけたときはうれしかったですね。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

平野享院長 ひらの歯科医院6

今後は周りの先生方にも協力してもらい、訪問診療を希望される方への対応を広げたいと考えています。保険の訪問診療の対応範囲は半径16km以内という制限がありますので、それを超えるニーズがあれば、サテライトとしてもう一つクリニックを開業したいですね。私がいつまで現役でいられるかはわかりませんが、そのための法人設立でもありますので、方針としては訪問の規模拡大をめざしています。現在は施設に出向いての診療が中心ではあるものの、ご自宅への訪問にももちろん対応可能です。ご家族の中に歯科医院に通院できない状態の方がおりましたら、遠慮なく当院までお電話ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

入れ歯(金属床義歯)/25万円~
※使用金属により異なります

入れ歯(ノンクラスプデンチャー)/15万円~
※大きさにより異なります

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