自覚症状がほとんどない緑内障
早期発見と早期治療が大切
大川眼科
(四日市市/近鉄四日市駅)
最終更新日:2021/10/12
- 保険診療
緑内障は、何らかの原因で視野が狭くなる病気。よほど進行しない限り自覚症状がほとんどなく、原因が明確でないため日常的な予防が難しい上、一度失った視野を元に戻す方法は現状ないという。そのため、緑内障のことをよく理解することが、自分自身の目を守る一つの術となるだろう。40年以上続く「大川眼科」は、専門的な治療や手術を数多く施し、幅広い患者のニーズに応えているクリニック。日本眼科学会眼科専門医である大川親宏院長は、緑内障治療に力を注ぎ、「悪化する前に早期発見し、治療を開始することが何よりも大切」と、定期的な検診や眼科での検査を啓発している。先鋭の検査機器を取りそろえ、的確な検査と診断を行っていくことをポリシーとする大川院長に、緑内障について詳しく語ってもらった。
(取材日2019年2月7日)
目次
精密な検査で早期発見を。患者に合わせた治療とアドバイスで通院の大切さを伝え、生涯にわたりサポート
- Q緑内障とはどのような病気ですか?
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A
緑内障とは、目の奥にある視神経が弱ってくることによって、見える範囲が狭くなる病気です。老眼や近眼などと違い、眼鏡やコンタクトレンズでは見え方が戻らないような見にくさで、片目の場合も両目の場合もあります。緑内障の原因はわかっていませんが、身内に緑内障の方がいらっしゃったり、近視が強い場合は、危険因子といって緑内障になりやすいといわれています。また、早期には自覚症状がないのでほとんどの方が気づくことができず、検診や人間ドック、もしくは眼科にかかった際にたまたま見つかるというケースが多いでしょう。見にくいなどの自覚症状があって緑内障だとわかった時点では、かなり進行した状態と考えられます。
- Q検査のタイミングや内容について教えてください。
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A
自覚症状がほとんどありませんので、まずは眼科検診や人間ドックを受けていただくのが一番だと思います。そこでは眼底写真といって目の奥の写真を撮りますが、異常のある場合は眼科で詳しい検査をする必要があります。当院ではまず、視力検査など一般的な検査の後、緑内障早期発見に重要な眼圧検査とOCT検査、視野検査を行います。OCTというのは、目の奥の断層写真を撮る機器のことで、神経の状態が細かくわかるようになったため早期発見に役立っています。視野検査を後日に行う場合もありますが、かかる時間はトータルすると1時間ほどで、保険診療の範囲内です。検査結果についてはその日のうちに説明し、治療の提案をしています。
- Q緑内障とわかったら、具体的にどのような治療を行いますか?
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A
体には血圧があるのと同じように、目の中にも水がぐるぐると流れていて、その圧力を眼圧といいます。緑内障治療では、眼圧を下げることによって進行を抑えていきます。具体的な方法として、点眼薬を主に用います。それを毎日、決まった時間、回数を守り点眼していただくのが基本となります。飲み薬は副作用が考えられますので、よほど重症な時に使用しますがめったに使いません。治療をしていても視野の欠損が進むという場合は目薬を2、3種類組み合わせて使い、それでもうまくいかない場合は手術を行います。手術は専門の施設に紹介し、手術後は当院で通院いただけるような体制を整えていますからご安心ください。
- Qなぜ継続して通院しないといけないのでしょうか?
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A
一度緑内障になってしまうと改善はしません。失われた視野が元に戻ることはなく、あくまでも残っている視野を守るため、生涯的な点眼が必要です。定期検診では眼圧や視野の様子など経過を見ていきます。だいたい1ヵ月に1回、落ち着いてくれば2ヵ月に1回の目安ですね。中には、通院や点眼が面倒になったり、診察費が負担に感じられる方もいらっしゃるようですが、将来的に失明してしまうリスクがあることを考えると、通院への意識を持ち続けることは大切だと考えます。ですから当院では、治療をやめてしまった患者さんに向けてお手紙を送ったりもしますし、通院しやすいようなスタッフの対応や院内の雰囲気づくりなどを常に心がけています。
- Q早期発見のために気をつけることは何でしょうか?
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A
緑内障は原因がわかりませんし、自覚症状がほとんどなく、知らないうちに病気が進行していることが多いため、日常的に気をつけようがありません。なるべく年1回のペースで眼科検診を受け、自覚症状の出る前に発見し早期治療するのがベストです。緑内障だと診断されてもごく初期の場合には、定期的に検査だけをしていく患者さんもいらっしゃいます。また、コンタクト処方など緑内障とは別の件で眼科にかかられた際でも、緑内障の疑いのある方には、視神経の状態を見て判断しその時に怪しければしっかりと調べていきます。どんな状況で来院いただいても、常に緑内障を念頭に置いて診察することがポリシーです。