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村田 和彦 院長の独自取材記事

むらた眼科

(広島市安佐南区/西原駅)

最終更新日:2023/03/24

村田和彦院長 むらた眼科 main

広島市のベッドタウンである安佐南区、アストラムライン・西原駅から徒歩5分の場所で、2008年から診療を続けている「むらた眼科」。院長の村田和彦先生は、愛知県豊田市出身。広島大学医学部に進み、県内の赤十字病院や地域の総合病院で、経験を重ねてきた眼科専門の医師だ。田舎で育ったという素朴な人柄、愛犬の話では目尻が下がる優しい雰囲気の村田院長だが、失明の話になると、急に語り口が厳しくなった。自覚症状が出てからの治療では遅い、取り返しのつかない事態になる前に積極的に治療に取り組んでほしいという、村田院長の思いが伝わるインタビューとなった。

(取材日2022年12月19日)

患者にとって適切な医療につなぐのも、医師の技量

先生ご自身とクリニックについてご紹介ください。

村田和彦院長 むらた眼科1

大学を卒業してからは、広島大学病院などで経験を積んだ後、広島県の山間部の総合病院で働かせてもらっていました。都市部の大きな病院と違って、できることが限られていて資材も乏しいけれど、その中でできることを精いっぱいやって、できないことは適切な病院や医師を紹介するという役割をずっとやってきました。大学病院からの派遣でしたから、順番が来ればいずれ大きい病院に戻ることはできますが、1人で診るのもやりがいがあるかなと考えて、異動を待たずにここで開業したのが15年前です。当院では加齢性黄斑変性や緑内障の治療、白内障や翼状片などの日帰り手術、飛蚊症やドライアイの治療、近視、遠視、乱視、弱視、斜視など、目に関するさまざなご相談と診断、治療に対応しています。

患者さんはどんな方が多いのでしょうか。

2つの層があるようで、一つは主に広島市内に通勤する転勤族の若いファミリー層、もう一つは昔ながらのシニア層とご家族の世代ですね。患者さんの特徴は、どこでもあまり変わりません。若い人なら結膜炎やアレルギー性結膜炎、子どもの近視相談、高齢者の方は白内障手術希望という傾向です。週に1回、三原赤十字病院で外来勤務をしていますが、そこも同じ傾向です。ただ、新型コロナウイルス感染症が流行してから、白内障や緑内障などでは、かなりひどくなってから初診という方が増えてきたように思います。感染症を避けて通院を我慢していたけれど、症状が進んでしまったために、やむを得ず通院するようになったのかもしれません。

診療方針を教えてください。

村田和彦院長 むらた眼科2

科学的な裏づけをもとに治療方針を決めること、こちらから一方通行の治療をしないことです。また、大学病院は眼科の中でも、緑内障の専門、網膜の専門、角膜の専門など細かく分かれていて、それぞれがスペシャリストです。当院はそんな専門性の高い医療機関ではなく、幅広い領域を扱うことで一人ひとりの患者さんと長く付き合い、必要と判断すれば専門の医療機関に紹介する役割を担っています。そんなふうに地域医療として責任を果たしていくことも、開業当時からの方針です。そして、家族そろって通えるクリニックをめざしているので、まずはご相談いただき方向性を決めて、当院でできる治療は当院で行います。大きな病院で手術を実施された方の、術後管理や定期的な診察も引き受けています。

幅広い世代の複雑なニーズに応えられる対応力を

街の眼科医院なのに、医療機器や設備が充実していますね。

村田和彦院長 むらた眼科3

意外に思われるかもしれませんが、大きい病院や公立病院は予算がつかないと新しい機材が買えません。街の眼科医院のほうが新しい機材がそろっている場合も多いので、詳しい検査結果が早くわかることもよくあります。眼科は機材の発展が治療の質に寄与することが大きい分野で、この15年の間に新しい機械がいくつも出ていますので、当院でもできるだけ導入しています。検査の際には屈折率や視野、眼圧、網膜など、症状や訴えに応じた機材を使用します。検査結果に基づいて診断し、入院の必要な方や斜視のように特殊な手術などは、大学病院や基幹病院にご紹介します。子どもの斜視の場合は手術をいつするか、成長を見守りつつ、生活のステージが変化するタイミングを計りながら、紹介先を決めることが多いですね。

医師の仕事を志した理由を教えてください。

両親も兄も企業で働く勤め人だったので、身近に医療関係者はいません。人の役に立ててかっこいい仕事だと思って、小学生の頃から医師になりたいと単純に憧れていました。出身は愛知県の豊田市で、豊田の中でも郊外の田舎のほうだったので、そもそも私立校がなく小中高と公立で、塾にも行きませんでしたし、高校も進学校ではありませんでした。周囲にも医学部に行く人はあまりいませんでしたね。大学は広島大学医学部に進んだのですが、同じ進学校から何人も入学していたことに驚きました。小学校からずっと続けていた野球にも打ち込んでいて、将来はプロ野球選手になれたらいいなと思ったこともあったのですが、そちらのほうが医師になるよりよっぽど難しいですよね(笑)。

この仕事をしていて、忘れられないご経験はありますか。

村田和彦院長 むらた眼科4

以前、末期がんで予後が短い患者さんが、どうしてもやりたいということで、主治医の許可を取って白内障の手術をしました。視力を失うほど悪くはなかったですし、余命を考えると手術までしなくてもと思ったのですが、患者さんご本人は気になっていたのでしょう。難しい手術ではないですし、スムーズにに手術は終えましたが、その後1ヵ月ほどで亡くなられてしまいました。まだ術後管理の点眼薬をしているタイミングでした。人生の最後を自分の目で、きれいに見える状態で迎えたいというご希望に力を尽くすことで、亡くなった患者さんがたいへん喜ばれていたとご家族から伺いました。

失明を避けるために、通院間隔は守ってほしい

休日はどのように過ごされていますか。

村田和彦院長 むらた眼科5

大学時代は山岳部でしたが、今は山登りする時間は取れません。最近は、飼い始めて1年になる愛犬に夢中です。帰宅すると毎日、大喜びで迎えてくれます。リリーという名前のトイプードルで、一緒に散歩するのが楽しみなんです。散歩中は他の飼い主さんたちとコミュニケーションできるのがまたいいですね。飼い主さんたちの個人的なことは知らないし、僕も「リリーちゃんのパパ」として情報交換できるのが楽しいです。休診日は散歩だけでなく、勉強もしないといけません。医療情報はある程度の時間がたつと変わることもありますし、科学的根拠がアップデートしたら、治療も変わります。10年前の治療基準や治療法が正しいとは限りませんから、できるだけ勉強会にも参加したいです。近頃は遠方まで行かなくても、リモートで見られる講演が増えていてありがたいですね。

今後の展望をお聞かせください。

医療の仕事は、発明や創造から何かを生み出すのではなくて、こういう状態ならこういう検査をして治療はこうするというように、ガイドラインに沿って進めていくものです。ガイドラインのない病気もありますが、いずれにしても天才的な何かが必要な仕事ではなく、科学的見地に基づいた治療をする努力が求められます。そして、医療の世界は日進月歩といわれるとおり、変化することで進歩しています。特に眼科は検査や治療機材の発展が著しいため、先進の知見と機材を使って治療を進めることが、患者さんの利益になります。当院でも、時代の流れに沿ったかたちで知識と技術と設備を常にアップデートして、適切な医療を提供していきたいですね。

地域の患者さんや読者へメッセージをお願いします。

村田和彦院長 むらた眼科6

早期発見・早期治療は眼科でも大切で、自覚症状が現れてから治療を開始するのでは遅いことがあります。緑内障や糖尿病性網膜症では、かなり進んでから来院される方もいます。糖尿病の場合、内科での治療が進むと眼科を受診されなくなる患者さんも少なくありません。血液検査のデータが正常になったとしても、糖尿病網膜症が進行してしまうことはあります。過去、視力低下を自覚し慌てて受診されたけれど、治療のかいなく視力障害が残ってしまう方もいらっしゃいました。通院間隔は専門の医師の知識と経験に基づき、患者さんのリスクを考えて通院間隔をお伝えしているので、守っていただきたいです。自覚症状がないと足が遠のきますが、受け止めてもらいたいですね。ご家族には「大丈夫、大丈夫」と言う患者さんも多いのですが、実はご自身に言い聞かせて不安を抑えていることもあります。失明はあり得ることと考え、気になることがあれば早めにご相談ください。

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