全国のドクター13,614人の想いを取材
クリニック・病院 157,273件の情報を掲載(2025年3月17日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 神奈川県
  3. 伊勢原市
  4. 伊勢原駅
  5. 梶山内科クリニック
  6. 梶山 和恵 院長

梶山 和恵 院長の独自取材記事

梶山内科クリニック

(伊勢原市/伊勢原駅)

最終更新日:2024/05/30

梶山和恵院長 梶山内科クリニック main

伊勢原市伊勢原、丹沢の山並みを望む静かな住宅街にある「梶山内科クリニック」。広々とした駐車場からバリアフリーでのアクセスも可能な、通いやすさも魅力のクリニックだ。外来診療から訪問診療、在宅での看取りまで対応し、地域に貢献してきた。「病気を治すのは薬ではなく自分自身と心得ていただきたいと伝え続けています」と話す梶山和恵院長。西洋医学に加えて漢方などの東洋医学も取り入れ、感染症の諸症状への対処から生活習慣病の管理、慢性疼痛へのアプローチまで、幅広く提供している。信頼関係を大切に、じっくりと時間をかけて話を聞く診療を心がけているという梶山院長に、慌ただしい診療の合間に時間をもらい、クリニックのことや診療について詳しく聞いてみた。

(取材日2024年4月12日)

外来に加え訪問、在宅診療で、内科一般をトータルに

開業から16年が経過されたそうですね。

梶山和恵院長 梶山内科クリニック1

はい。2008年の開業なので、今年で17年目になります。夫の地元である伊勢原にクリニックを開く前は、横浜市内で院長として医院の立ち上げに関わるなどの経験をしてきました。当時のことを思い返しても、この辺りの患者さんはゆったりと余裕のある方が多いと感じています。患者さんはご高齢の方が中心ですが、穏やかな方が多く、診療しやすいですね。また、山が近く自然がいっぱいで、往診の際にはちょっとしたドライブ気分で移動を楽しめるところも気に入っています(笑)。

診療について教えてください。

風邪などの急性感染症や生活習慣病に対する、一般的な内科診療が中心です。内科全般をトータルに診る家庭医療の提供をめざしています。外来に加えて、通院中の方で受診が難しい場合の往診や、高齢や慢性疾患により通院困難な方のもとに定期的に伺う訪問診療も行っています。また、近隣の高齢者介護施設にも訪問診療を実施していて、入所者の持病の管理はもちろん、頭痛や肩凝りといったさまざまな不調を改善するためのアプローチも行っています。

多くの患者さんを迎えていらっしゃいますね。

梶山和恵院長 梶山内科クリニック2

おかげさまで近隣住民の方の受診も増え、お待たせする時間が長くなってしまうことも。また、当院ではお一人お一人の診療に時間を十分に取ってお話を聞く方針を大切にしている上、新型コロナウイルス感染症の流行以降、発熱症状のある方は事前にお電話いただいて車など院外でお待ちいただき診療するスタイルを続けていますので、どうしても時間がかかってしまうのです。そこで、少しでも待ち時間を短縮するため、順番予約制を導入しました。ご高齢の方も多くウェブシステムなどは操作が難しいということで、前日午後からお電話をいただき、だいたいの目安時間をお伝えするかたちです。予定の時間が前後しそうな場合は、都度スタッフがお電話を入れるようにしています。手間のかかる方法ではありますが、当院にとって今ところはこれがベストな方法かなと考えています。

治すのは薬でなく自分自身。体と向き合う時間を大切に

漢方も診療に取り入れていらっしゃるそうですね。

梶山和恵院長 梶山内科クリニック3

医師として内科診療を続けてきた経験から、どうしても西洋医学だけではコントロールが難しい症状があり、それらに東洋医学の漢方が役立つことも多いと感じたことから、当院でも導入しています。冷え性や軽い精神症状、感染症の諸症状に処方することが多いですね。筋肉の炎症や関節痛、肩凝りなどの痛みの治療では、半導体レーザー治療機も組み合わせてできるだけ早い改善をめざしています。

個人に合わせた治療はどのように提案されるのですか?

とにかくしっかりとお話を聞くこと、患者さんをよく診ることです。診療室に入って来られた瞬間から様子を拝見し、お話を伺う中で、「この方には漢方が合うのではないか」「この方法で痛みが取れるのではないか」などと感じた場合に、それぞれの治療をお勧めしています。症状はもちろん、生活習慣や性格、顔色や話す声のトーンなど、さまざまな情報を手がかりに、総合的に判断しています。

お話を聞くことを大切にしていらっしゃるのですね。

梶山和恵院長 梶山内科クリニック4

体調のことだけでなく、家庭や職場、学校でのお悩みなど、あらゆるお話を聞いています。不眠や胃痛、食欲不振、肩凝りといった症状は、バックグラウンドに精神的なストレスが影響していることもよくあります。症状を緩和するためのお薬を出すだけでなく、根本にあるストレスを緩和していくことも、大切な治療法の一つなのです。不眠のご相談を受けるケースも多いですが、当院では原則入眠剤は処方していません。ゆっくりとお話を聞いて不安を取り除き、漢方などで体調を整えるアプローチを取っています。

別視点のアドバイスが、悩み解消につながることも

医師を志されたきっかけがあれば教えてください。

梶山和恵院長 梶山内科クリニック5

高校卒業後、一度は大学の工学部に入学したのですが、「何かが違うな」と感じて医学部を受験し直しました。父が医師であったことにも影響を受けたと思います。当初から、いずれは開業して地域医療に携わりたいと思い、また地域医療に携わるなら、看取りを含めた在宅医療を行うことは必然とも考えていました。私自身、人として年を重ね、医師として診療を重ねてきたことで、ようやくわかってきたことも多くあります。悩みを抱えた当事者から少し離れた視点からアドバイスを提供することで、視野が広がり悩みが解消へと向かうこともあると感じています。

今後の展望を教えてください。

国策として医療のDX化が推進されており、当院としてもできるだけのことはしていきたいと考えています。とはいえ、80代以上の患者さんが多い当院では、システムを導入すれば万事OKとはいかないのも事実。現場の負担も増大してしまいます。人の手を介した現在の仕組みを基本としつつ、さらに診療を効率化していきたいですね。また、介護施設への訪問診療は今後も継続していきたいと考えています。施設での診療は、高齢者への治療対応を学べるだけでなく、治療経過のデータを得られるメリットがあり、外来診療にも還元できる部分が大きいのです。診療を通して得られた生身の情報で、さらに診療の質を上げていきたいと思います。

読者へのメッセージをひと言お願いします。

梶山和恵院長 梶山内科クリニック6

不調を治すのは薬ではなくご自分であると心得ていただきたいと思います。薬はあくまで、それぞれが持つ体の免疫機能を補助するのが役割。時間をかけて休養を取り、免疫力を働かせることが、回復のためには必要なのです。性急に薬の効果を求めるのではなく、ご自身の体と向き合う時間を取ってください。また、ご高齢の方とそのご家族にお伝えしたいのは、死の前にはハードルがある場合があるということ。健康な状態からスッと死に至ることができれば理想ですが、現実的にはその前に苦痛が横たわっているケースもあります。ご本人が人工呼吸器や胃ろうは使わず、自然の経過での看取りを希望されていたとしても、苦痛に晒された姿を前に、慌てて医療に頼ってしまうケースも目にします。看取りにおいては、見守るご家族にも覚悟が必要となることも、事前に知っておいていただきたいのです。そうした覚悟についても事前に時間を取ってお話しするようにしています。

Access