米倉 雅之 院長の独自取材記事
よねくらクリニック
(芦屋市/芦屋駅)
最終更新日:2023/05/16
JR神戸線の芦屋駅の改札を出てすぐのモンテメール西館5階にある医療モール内にある「よねくらクリニック」。一般整形外科疾患のほか、リウマチ、骨粗しょう症治療、変形性膝関節症など多様な治療で、子どもから高齢者まで幅広く診療している。「勤務医時代に麻酔科の医師として手術麻酔管理や救急医療、ペインクリニックに携わった経験を生かし、患者さんの痛みを軽減し、日常生活レベルをアップさせることが私の仕事です」と語る米倉雅之院長。その人柄はとてもフランクで、飾らない雰囲気が患者をリラックスさせる。骨関節・筋肉など運動器の疾患や外傷を中心に、高齢者の骨折予防にも注力している米倉院長に、同院の特長についてたっぷり聞いた。
(取材日2022年12月12日)
骨粗しょう症治療に注力し、高齢者の骨折を防ぐ
クリニックの特長についてお聞かせください。
当院は、街の中の一般的な整形外科です。腰痛・肩凝り・捻挫・外傷と幅広く診療しています。そんな中で強いて特長をいうなら、骨粗しょう症による骨折予防に注力していることでしょうか。日常生活レベルにおける転倒による骨折、または、いわゆる「いつの間にか骨折」などです。中高齢者の方がなりやすく、手関節、肩関節、背骨や大腿骨の付け根などに骨折が生じます。骨折すると、QOL(生活の質)の低下だけでなく、生命リスクの増大にも直結することがあります。予防が重要ですので、早期に発見し進行程度に応じた適切な治療方針を立てることが大事です。特に女性では45歳以上、男性では50歳以上になったら定期的に検査し、注意していく必要があると感じています。
力を注いでいる診療はありますか?
中高年層の増加によって膝のお悩みは増えてきていますので、変形性膝関節症の治療には力を注いでいます。今までの治療法では、ヒアルロン酸注射をして、それでも駄目な場合は人工関節の手術に進むということが一般的でしたが、近年その間のステップとなる治療法が進んできました。患者さんの中には手術に抵抗を感じている人も多いので、治療法の選択肢を増やし、適応する患者さんに手術を受けずに楽になっていただけたらと思っています。
先進の機器や治療も積極的に導入されているそうですね。
最近では、超音波検査機器を入れ替えました。リウマチや靱帯損傷、筋腱断裂の補助診断として使っており、画像が鮮明になったことで、より精密な診断に結びついてくるのではないかと期待しています。また、2年前にはDEXA法を用いた骨密度測定を導入しました。こちらも精度、再現性に期待ができ、治療においてたいへん役に立っています。ほかにも、将来的にウェブ問診やオンライン診療にも対応できるよう電子カルテシステムの入れ替えやデジタル対応したエックス線の導入を予定しています。クリニックで扱う機器は定期的に見直していて、できるだけ先進の医療を提供できるように心がけています。
患者を自ら治療したいと、麻酔科から整形外科へ
院長はこれまで、さまざまなご経験を積んでこられたそうですね。
神戸大学を卒業後、大阪大学麻酔科に入局し関連病院で全身麻酔管理、救急医療・集中治療、ペインクリニックを学びました。その後、整形外科の医師に転身し、大阪大学の関連病院にて一般整形外科・外傷・小児整形外科・スポーツ障害・リウマチなどの分野でさまざまな経験を積ませていただきました。市立芦屋病院で整形外科部長を務めた後、クリニックを開業しました。麻酔科では全身管理を学び、ペインクリニックでは痛みの機序や治療を学びました。整形外科では痛みを訴えて来られる患者さんも多く、これらの経験が診療に生かされていると考えています。自己研鑽を積み、地域の医療機関と連携を取り、患者さんに必要な医療提供ができればと考えております。
麻酔科から整形外科に転向したのはどうしてですか?
麻酔科でさまざまな手術に関わる中で、それぞれの医師が可能な限り手を尽くしている姿を目の当たりにし、中でも多くの疾患を手がける整形外科に興味が湧いてきたからです。整形外科には体育会系気質の医師が多く、私もスポーツが好きなので合っているのかなとも思いました。麻酔科では手術中の患者さんの安全性に配慮し、ペインクリニックでは神経ブロックなどの手法を用いて治療を行います。しかし、どちらの科も患者さんと直接話をして診断を下し、治療方針を立てるということはありません。患者さんを一から診ていきたいという思いから整形外科に興味を持ったというのも転向した理由です。
こちらの医院モールは受診しやすいシステムが取られていますね。
この医院モールは整形外科・内科・皮膚科・眼科・耳鼻咽喉科・心療内科などがあり、総合病院のような形態をイメージして造られていて、総合受付で受付をし、クリニックに来ていただくようになっています。複数の診療科を同時に受診できるので、とても便利です。当院もここの医療モールと同時に2007年3月にオープンしました。モール内にあるからか、中高年の患者さんだけでなく、幼児や小中学生、高校生、大学生、社会人の方もけがや骨折・捻挫などの外傷、スポーツ障害などでも患者さんが来られます。
患者の悩みを捉えて「頼れるクリニック」をめざす
診療時に、心がけていることは何ですか?
基本的には患者さんの抱えている問題をしっかり解決してあげるということですね。膝が痛いということであれば、痛みの緩和をめざし、クラブでけがをしたということであれば、早くスポーツに復帰できるように治療をしアドバイスをしてあげるなど、投薬、リハビリテーション、関節内注射や神経ブロック療法など、さまざまなアプローチで患者さん一人ひとりのニーズに合わせた治療を心がけています。また、腫れや痛みの原因が整形外科疾患によるものとは限りません。見落としがないように、ということには特に気をつけています。近隣には神戸大学で同級の友人のクリニックも多数あり、内科疾患が疑われる場合には、迅速に検査や診療をしてもらっています。
院長にとってのやりがいについて、教えてください。
15年以上も診療しているとさまざまな出会いがあります。来院した子どもさんが「先生みたいなお医者さんになる!」って言ってくれたり、パスポートを取りに行った先の受付で「米倉先生ですよね? 以前息子が骨折した時に先生に手術してもらったんですよ」って声をかけられたり。また、子どもの頃から知っている子が、仕事先の淡路島から何度も来院してくれたり、海外留学の帰省の際に来院してくれたりして。受診してくれたうれしさと成長を見て喜びを感じています。そんなことがあると、医師をやっていて良かったなと思いますね。これからも患者さんがいつでも気軽に来れる雰囲気づくりをスタッフとともに大切にしていきたいと思います。
ところで、休日はどのように過ごしていますか?
学生時代からサッカーやテニスなどスポーツが好きで、今でもテニスを続けています。そのほかに、友人とコーラスをしたり、中高校生時代に少々かじったギターのレッスンを受けたりしています。10年程度続けていると趣味を通じて職種や年齢など問わない仲間ができて、いろいろな人の話を聞くことができ、一時的に仕事を離れて活力を取り戻すことができます。
最後に、読者の方へメッセージをお願いします。
開業当初は、自分のしたい治療、やってきた治療をすると考えていましたが、時を重ねるにつれ「患者さんの求めに応じた治療を提供しなければ」と考えるようになりました。例えば、患者さんの多くは普段から仕事に追われる毎日で、学生さんも勉強やスポーツ活動などに多忙で、病院を受診する時間は限られてしまいます。当院のような駅近でアクセスの良いクリニックが医療を受ける際の入り口となり、ここでできない手術や検査は大きな病院へスムーズに紹介するといった、医療のすみ分けが大事だと思っています。当院スタッフは温かい人ばかりです。いつでもご相談にお越しください。