全国のドクター9,025人の想いを取材
クリニック・病院 161,457件の情報を掲載(2020年2月28日現在)

  1. TOP
  2. 大阪府
  3. 豊中市
  4. 園田駅
  5. いちかわ歯科医院
  6. 市川 智一 院長

市川 智一 院長の独自取材記事

いちかわ歯科医院

(豊中市/園田駅)

最終更新日:2019/08/28

152612 %e3%81%84%e3%81%a1%e3%81%8b%e3%82%8f%e6%ad%af%e7%a7%91%e5%8c%bb%e9%99%a2

豊中市の西端、利倉西地区にある「いちかわ歯科医院」は、阪急神戸本線園田駅から車で5分ほど北へ上がった住宅地にある。全面バリアフリー仕様の院内で患者様を迎えるのは、人気の「人工クラゲ浮遊体アート」。おもちゃが出るカプセルトイは、治療を頑張った子どもたちのお目あての一つだ。また、毎年恒例クリスマスイルミネーションは、ニュースでも紹介される冬の風物詩として近隣の目を楽しませている。市川智一院長はかつて瀬戸内海に浮かぶ離島へ赴き、無医村である島の診療に貢献してきた経歴の持ち主。自宅開業を選んだのも公私ともに地域に根付くことを望んだからと話す。地元住民のファミリードクターとして慕われる市川院長に、診療へのこだわりや方針、趣味の話まで多彩に聞くことができた。
(取材日2018年7月23日)

無医村へ赴いた勤務医時代

なぜ歯科医師をめざされたのですか?

1

両親は医療従事者ではありませんでしたが、私はわりと早くから医歯薬系に進みたいと思っていました。医師と迷った時期はあったものの最終的に大阪大学歯学部に進みました。実は祖母に「あなたが生きている間に戦争が起こらないとも限らない、もしそうなっても戦争で死んでほしくない、戦地に行かなくてよいのは医者や歯医者だ」とよく聞かされました。祖母は若くして戦争で夫を亡くし、その後女手一つで母を育てたそうです。大変苦労したらしく孫の私にはそうはなってほしくないと思っていたのでしょう。当の私は、この先戦争なんかあるわけないと思っていましたが、先のことはわかりませんね。ただ結果的にはよかったと思っています。

勤務医時代の印象深かったことを教えてください。

やはりなんといっても離島診療を経験したことでしょうか。離島、無医村といっても、瀬戸内海の島々へ船で渡るのです。島民が数十人という小さな過疎の島から、数百人規模の比較的大きな島まで診療に赴いていたことです。交通機関となる船はそれなりの運航数があるのですが、当時から高齢により島外へ診療を受けに行くことが難しい方も増えてこられていて島に歯科の診療所が望まれていました。今では医科のほうは離島の方でも検査などができる船による設備などもあるようですが、歯科のほうはそういった施設はまったくなく、また歯科医師を募集してもなかなか集まらず難航していたそうです。そんな中、恩師は最初私に「遊びに来ない?」とだけいってきて、診療の話には触れませんでした(笑)。いつしか平日は大阪で歯科医院勤務、週末は瀬戸内の島々で診療という日々を送るようになりました。

訪問診療の先駆けのような感じですね。

2

先駆けとまで言えるかはわかりませんが、15年前は、この先団塊の世代が定年を迎え、高齢社会の訪れが見込まれつつも、まだ歯科での訪問診療は珍しかった時代ですね。島側の協力体制のもと公民館などを間借りさせてもらい機器を持ち込むことで、虫歯治療から義歯、メンテナンスに至るまで通常の診療メニューを提供することができました。治療をあきらめていた年配の方たちも、どんどん来てくれるようになってうれしかったですね。「なり手が見つかるまで」との要請から気がつけば3年がたち、結婚と開業準備のために後任へ引き継ぐことになりました。いつも温かく迎えてくれていた地元スタッフの方々と今も連絡を取り合っています。

地域に密着し、衛生環境に配慮した診療を提供

この地に開業された理由はありますか?

3

園田には親戚がおりなじみもあったことで親近感を覚える町でした。なかなかピンとくる開業物件も見つからず悩んでいたのですが、それならこの地での自宅開業もいいかなと思い開業を決意しました。患者さんはご近所さんであり、子どもの同級生の親御さんでありと公私ともにつながりを持つことになりますので、本当の意味での地域密着になりますね。ながく続いてきた地域のお祭りでは10年間毎年屋台の輪投げ屋を担当し、他にも町内会のいろいろな行事に参加してきました。ここはちょうど尼崎市と豊中市の境目にあたり、最寄駅は園田駅、だけれど子どもたちの通う学校は川向こうの豊中市。役所関連も豊中だけど、生活圏は尼崎という特徴のある地域で、両市から患者さんが来られます。

こだわりのある設備について教えてください。

開業当初からずっとこだわってきたのは滅菌です。問題になっていたタービンの使い回しなどは私には考えられません。世界水準とされるクラスB規格の条件を満たした滅菌器も導入しています。治療は一生懸命トレーニングを積んでやっと上達していく、腕を磨いて技術を自分のものにするのに年数を要するわけですが、滅菌は導入するかしないかなのです。コストはかかっても時間はかからず、すぐに提供できます。目に見えないところまで、より安全な衛生環境を整えて患者さんの治療にかかることを最優先に取り組んできました。あと、歯科用CTも今では根管治療やインプラント治療において不可欠な設備として取り入れています。的確な治療のために立体的に見ることのできるCTはやはり必須です。

患者層は幅広いそうですね。

4

あらゆる世代の来院があります。中高生の頃から診てきた子供たちが大学生や社会人になって他府県で生活するようになっても、帰省時に「歯科はここです」と来てくれたり、結婚して大きなお腹の妊婦さんになってきてくれたり、出産し、その生まれたばかりの赤ちゃんを抱っこして連れて来てくれたり……。時は流れているなあと思いつつも感激することは多いですよ。医者冥利に尽きるとでもいうのでしょうか。また一人での通院が困難になり介護の方に車いすを押してもらって来られる患者さんもいますので、バリアフリーにしていて良かったとつくづく感じます。あとキッズスペースですが最初はカウンセリングコーナーでした。お母さんの治療中に子どもさんに入ってもらっていたら、いつの間にか子どもの遊び場になってしまい、今では小さな子どもたちは来た途端に診療室に入ってきてキッズスペースに直行していきます。

地元住まいならではの信頼関係で診療を提供する

スタッフの皆さんの雰囲気もいいですね。

5

みんな地元の方です。11年前の開業時からずっと勤めてくれているスタッフもいて、まさに「かゆいところに手が届く」のですが、一方で遠慮がなくなってきたように感じることもあります(笑)。患者さんにとっても、いつも同じスタッフの顔があると安心なのですよね。私には言いにくい、聞きにくいことでも話せますからね。私以上に患者さんそれぞれのことをよく知っていて配慮できるスタッフの存在は大きいです。まさに当院の「コンシェルジュ」ですかね。お母さんたちも子どもが生まれる前から、スタッフが赤ちゃんを抱っこしたり、子守りしているのを見ているので「ここなら安心」と産後すぐからでも通ってこられます。おしゃべりを楽しみに来られる患者さんも少なくないので、今日は暇かなと感じたらずっと受付で話しておられますが、混んでいるときは気を利かせてスッと帰られます。地域に根差していればこその関係性を築いてこられたかなと感じています。

リフレッシュはされていますか?

昔からモータースポーツが好きでした。もともと機械を動かすことに関心があり、エンジンやモーターが付いているものが好きでした。だから歯科医には向いているのかもしれませんね(笑)。車の運転や船の操縦と相通ずるものを感じます。ただ最近では近所の猪名川公園で家族や友人とテニスをするのが楽しみです。診療も息抜きも長く続けられることがキモですかね。

今後の展望について聞かせてください。

6

患者さんはご近所の方がほとんどですので、当院の診療はこれまで育んできた関係・信頼の上に成り立っていると言えます。例えばインプラント治療でも、その治療にかかるずっと前から通院されているわけで、今もたせている歯が限界を迎えたときのことを、すでに話し合っているんですよね。私はベーシックな治療をオールマイティーに提供するスタイルを基本としていますが、専門性のある治療もニーズがあれば応えられるようにスタディグループで技術を磨き設備も整えています。選択肢を広げてあげたいですからね。例えば奥さんが当院でインプラントにして良かったと、美味しそうによく噛んで食べているのを見てご主人が「自分もしてほしい」と希望されたり、その話を聞いた親戚や知人方が遠方から来られたりもします。これからも地域とのつながりを大切に、終生ここで腰を据えて診療に取り組んでいきたいと思っています。

Access