河村 啓司 院長の独自取材記事
河村歯科医院
(八尾市/八尾駅)
最終更新日:2022/10/17

八尾駅から徒歩7分、近鉄八尾駅から徒歩15分の場所にある「河村歯科医院」。河村啓司先生が院長を務める同院は、バリアフリー設計であることに加え、院内の感染症対策を徹底。そんな同院の一番の特徴は、治療と予防を区分して行っていること。特に予防歯科に注力し、自宅でのセルフケアまでを見据えたメンテナンスや定期検診に取り組むため、歯科衛生士と協力しながら日々の診療にあたっているという。また、院内に飾られたスタッフとの写真や、地域住民から集まる信頼からは、常にスタッフへの感謝の気持ちを忘れず、患者との関係性も大切にしている院長の気さくで温かな人柄が感じられる。今回は、重視している予防歯科や今後の展望などについて、河村院長にたっぷりと話を聞いた。
(取材日2019年6月7日/再取材日2022年7月26日)
歯科衛生士とともに予防に注力。健康な歯を長く守る
八尾はどのような地域ですか?

ほかの地域はあまり知りませんが、八尾は本当に良いところですよ。有名なとんかつ屋やコロッケ屋といった飲食店が充実していることに加えて、歩いてどこへでも行けるので、住みやすい街だと思います。当院に来院される患者さんも、若い世代から高齢の方まで年齢層は幅広く、フレンドリーなお人柄の方が多いため、良い場所で開業できたなと実感しています。
先生はさまざまな診療を行っているそうですね。
当院は、治療と予防をきちんと分けて診療を行っています。治療では一般歯科、歯科口腔外科、小児歯科、審美面に配慮した治療など、幅広い診療に対応するほか、口臭ケアの提供や、アスリートをめざす子どもたちを中心に、マウスピースやマウスガードを作るスポーツ歯科にも携わっています。予防歯科は、当院が最も注力していることです。例えば、虫歯などで欠損した部分を治療して元の状態に戻したとしても、人工物に置き換わっているだけであって、自然な歯のボリュームは減ってしまいます。皮膚の傷などと違って、一度失った歯は二度と元には戻らず、治療すればするほど自分の歯は減ってしまうのです。何よりも大切である健康な歯を、生涯にわたって守っていただきたいと思い、予防歯科に力を入れて取り組んでいます。
予防歯科にはスタッフさんの協力も欠かせないのでは?

予防歯科でメインとなる定期検診やメンテナンスにおいては、歯科衛生士の存在がとても重要です。ですから当院でも、歯科衛生士たちの力を借りながら患者さんに予防の大切さを伝え、皆さんの予防意識を高められるよう工夫を重ねています。歯科衛生士に期待したいことは、「口腔ケアのプロ」になってもらうこと。歯についた汚れを取り除くだけでなく、汚れがつかなくなるようなブラッシング指導までを行ってもらいたいと考えています。というのも、3ヵ月に1回、年に4回メンテナンスに通っていただいたとしても、本当に大切なのは歯科医院に通院する日を除く、残り361日の自宅ケアだからです。ブラッシング指導の内容をもとに、患者さんが自宅でもケアを頑張っていただけるような工夫を、スタッフと協力して実施していきたいと考えています。
口腔外科・麻酔科での経験から、質の高い治療を提供
診療において心がけていることはありますか?

患者さん一人ひとりのことを、できる限り理解するよう心がけています。なぜなら、病院やクリニックに患者さんが来院した時点で、医師や歯科医師、その他スタッフたちが少なからずその方の人生に介入するからです。開業したからには、患者さんのことをきちんと知って、同じスタンスで年を重ねていきたい。その想いが根本にあり、時にはメンタル面で応援するなど、診療時の患者さんとのコミュニケーションの工夫に結びついていると思っています。また、口腔ケアは生活のパフォーマンス維持に欠かせません。例えば歯が痛いと、仕事などに影響を及ぼしてしまい、その人が持つ最大のパフォーマンスを発揮できない場合もあるでしょう。そうならないよう、縁の下の力持ちとして、社会や家庭においても良い循環になるようなサポートを歯科医師としてしていけたらいいですね。
そのほかにはいかがですか?
予防歯科を重視している一方で、「最低限を維持すること」も大切にしています。虫歯を放置している人でも、普通にごはんを食べることはできますよね。また、歯周病があるといっても、何も食べられないわけではありません。今現在食べられているのであればその3年後、5年後も食べられるように、というのが「最低限」という意味です。もちろん、患者さんの苦痛は取り除きたいですし、より快適に食事を楽しめるようになったほうが良いですから、治療をしたほうがいいと思っていますが、まずは現在の歯の状態を維持できるようにサポートを続けていきたいですね。
口腔外科や麻酔科で経験を重ねてこられたと伺いました。

大学を卒業した後は、恩師から京都府立医科大学附属病院の歯科を紹介してもらい入局しました。当時から専門性の高い口腔外科に興味を持ち「口腔外科を学びたい」とずっと思っていたので、専門的に勉強を始めました。その後も複数の関連病院に勤務し、麻酔科での研修も受けました。専門用語や略語が多く、初めの頃は難しく感じていましたが、経験を重ねるにつれて他診療科の医師の友人も増えました。そんな中、縁があり法医学教室での研究の機会もいただき、基礎的な研究を通して医学博士を取得できましたし、麻酔科で培った知識と経験はその後の総合病院での勤務にも生かすことができたため、広い視野を持てるようになったと思います。
「治療が済んだらメンテナンス」が当たり前の社会に
先生は患者さんだけでなく、スタッフさんも同じくらい大切にされているそうですね。

当院は幅広い背景を持つスタッフがいますが、全員に幸せになってほしいですね。限りある人生の中で、当院の診療を助けてくれているのはとてもありがたいことですし、かけがえのない存在だと思っていつも感謝しています。歯科衛生士や歯科助手、受付のスタッフが、それぞれの役割の中、当院での仕事を通して社会に貢献してほしいと考えています。そういった思いを感じ取ってくれてか、熱心なスタッフが多く、歯科衛生士が中心となって、乳幼児期からの離乳食相談や口腔機能育成にも取り組んでいます。小さな子どもさんの受診も徐々にですが増えてきており、学びたいというスタッフの気持ちを育てサポートしていくことも、院長としての役割だと感じています。特別なことは何もしてあげられませんが、プライベートと仕事を両方とも楽しんで、自分の望む幸せを実現してほしいと願っています。
今後の展望をお聞かせください。
私が学生だった昭和の終わりに学んだことと、現在の一般歯科の治療法を照らし合わせると、異なることはたくさんあります。医療は日進月歩で、どんどん新しい技術が確立されますから。当院でも、この度マイクロスコープを導入し、炭酸レーザーやCAD/CAMシステム、生体モニターといった機器を一新しました。正確な診断や治療を行うためには、先進の機器や道具が欠かせないからです。まだまだやれることはたくさんありますし、困っている患者さんの手助けができるように、常に新しい治療へアップデートしていきたいと考えています。ほかにも、安心して通院していただけるように、感染症対策にも徹底して取り組んでいます。先進のエアロシステム搭載の空調や、非接触対応の自動精算機を取り入れるほか、複数のウイルスに対応できるよう数種類の消毒液を併用して使用するなど、工夫を重ねながら取り組んでいきたいと思います。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

ほかの診療科は病気になってから行くのが当たり前の中で、歯科では予防のための治療が行えます。悪くなってから歯科医院に行くのではなく、悪くならないように歯科医院に行くということに、ぜひ目を向けてもらいたいですね。当院がこの地に開業して16年がたち、やっと地域に根づいたという気がします。また、一方で、これまでの啓発活動や歯科衛生士の取り組みによって、最近は新しい世代の患者さんたちも増えてきています。一人ひとりとじっくり向き合って満足度の高い治療の提供をめざしつつ、今後もこの地域で長期的にお役に立っていきたいですね。笑顔を向けると笑顔が返ってくる、そんな当たり前の町にしたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/20万円~、オフィスホワイトニング/1万4000円~、スポーツ用マウスガード作製/4000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供を行っております。
カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)については、効果・効能に関して個人差があるため、 カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)を用いた治療を行う場合は、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。