全国のドクター9,148人の想いを取材
クリニック・病院 161,385件の情報を掲載(2020年5月28日現在)

  1. TOP
  2. 愛媛県
  3. 松山市
  4. 伊予和気駅
  5. 医療法人 産科・婦人科 米本マタニティクリニック
  6. 米本 寿志 院長

米本 寿志 院長の独自取材記事

産科・婦人科 米本マタニティクリニック

(松山市/伊予和気駅)

最終更新日:2020/05/18

0515 %e7%b1%b3%e6%9c%ac%e3%83%9e%e3%82%bf%e3%83%8b%e3%83%86%e3%82%a3%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%8b%e3%83%83%e3%82%af main

見通しの良い道路に面し、周囲に田畑も見えるのどかな環境。広い駐車場を備え伊予鉄バス「三光前」停留所からも徒歩約1分という立地は、妊娠中の女性にも通いやすいだろう。院長の米本寿志(ひさし)先生は順天堂大学産婦人科で准教授を務め、経験を豊富に積んで2008年に帰郷し開業した。現在は愛媛大学産婦人科の非常勤講師も務めている。隅々まで行き届いた心の通う対応が評判を呼び、開業以来クチコミや紹介の輪が広がり続けているという同院。クリニックが提供するすべての医療とサービスの背景には、経験から導き出された根拠と流行に惑わされない確固たる信念がある。さらなる研鑽を積みながら、広く深く長期的な視野で新しい生命の誕生を支える米本先生に話を聞いた。
(取材日2019年10月9日)

高齢出産が増加する時代に対応し未来を見据えた医療

先生は胎児の超音波検査がご専門と伺いました。

Df1

産婦人科の診療は「産科」「腫瘍」「不妊」の3本柱があるといわれています。これからの時代に必要なのは、いずれも「広く浅くこなすこと」ではなく、「何かに特化すること」だと思っています。例えば欲しいブランドの商品があるとき、どんなブランドの商品も6割の品ぞろえの百貨店よりも、10割完全にそろうそのブランドの旗艦店を選ぶというような考え方ですね。多くのクリニック、多くの医師がある中で、専門性を高めていくことが大切だと思うんです。私は超音波検査を専門とし、高齢出産が増加している今の時代において非常に重要な、胎児超音波検査に力を入れています。

高齢出産の増加は産科・婦人科のあり方にも影響を与えていますか?

やはり近年の大きな変化は妊娠出産の高齢化です。初産も経産婦も平均年齢は30歳を超え、40代という方もいますし、今後も高齢出産数はさらに増えていくと思います。そうなると、どうしても染色体異常などの不安を拭えないという方もいらっしゃるでしょう。時代の動きに対応するには何が必要か。過去にはクリニックのアメニティーや食事の質が高ければ良いとされる時代も確かにありましたが、もうそんな時代ではなく、必要なのは、高齢でも安心して出産できる医療だと考えます。それが胎児超音波検査の重要性につながるのです。検査を希望する人も増えてきていますし、これからのクリニックはそんなスタイルに変わっていくかもしれません。

超音波を使って行う胎児超音波検査について教えてください。

Df2

超音波はあくまでも形態学です。肝臓が大きい、心臓に異常があるなどの形状を診ます。気をつけないといけないのは、ダウン症などの染色体異常は、それとイコールではないということです。超音波で異常が見つかると患者さんは染色体異常だと思いがちですが、それらは切り離して考えないといけません。

胎児超音波検査の意義、そのために必要な知識と技術

胎児超音波検査について、もう少し詳しく教えてください。

Df3

妊娠13週前後に超音波で赤ちゃんの頭や心臓などの形状を測定し、異常がないかを確認していき、何か異常があれば、今後どのような対応が必要となってくるかご説明をしています。年間でも非常に数多くの検査を行っており、それほど検査を受けたいと思う方が増えているということ。最初はその必要性を知らない方もいらっしゃいましたが、今はニーズも認知度もどんどん高まっています。当クリニックのスタンスは開院当初から変わらず、胎児超音波検査を重視しています。高齢出産で避けて通れない問題に対応すべく、超音波検査のさらなる技術向上をめざし続けています。そのように時代の必要性にきちんと対応できることが、良いクリニックの条件でもあると考えています。

出生前検査についてはいろいろな意見も耳にします。

胎児超音波検査とは、「異常を見つける」ことではなく、「異常なきを確認する」ことだと私は捉えています。そしてお産を無事に終えられるようにすること。それが私たちの役割です。仮に異常が見つかっても妊娠を諦めてほしくはなく、もしも産むか産まないか迷う方がいれば、産む方向へ導くのが産科の医師だと思うのです。でも産むことを勧めるにしても、適切な情報を提供できなければ何の説得力もありません。また、連携先に正しい情報を伝えるためにも、検査の精度を高めていかないといけません。そして発見は早いほど良いですから、早く確実な検査というものを常に追求しています。

「正しい情報」ということについて教えてください。

Df4

もしも異常が見つかった場合、それは成長とともに治っていくのか、それとも出生後すぐに治療が必要なのか、あるいは1歳の時点で治療すればいいのか。異常にもそれぞれ程度があります。その程度を正確に判断できないなら、検査を行うべきではないと私は考えています。出生後に小児科へ治療をお願いするなら、正しい情報を伝えなければなりません。「どこかおかしい」というのと、「ここが怪しいのでそこを中心に診てください」というのとではまったく違うでしょう。それが医療連携の向上であり、医療レベルの向上につながると思います。そして正しい情報は、お母さんに対しても必要です。いたずらに不安をあおることなく説明しなければなりません。そのためには、豊富な経験に基づいた見識が必要です。

今を支える経験を糧に、今後もさらなる向上をめざして

順天堂大学時代の経験もお聞かせください。

Df5

尊敬するたくさんの先生方のもとで学ぶことができました。人工子宮の研究で知られる桑原教授もその一人で、教授の「産科の医師になるなら超音波検査ができないと」という言葉が後の私にもつながっています。順天堂大学医学部附属浦安病院では産婦人科超音波検査のパイオニア的存在である竹内先生の弟子として学び、超音波検査の特訓に懸命に取り組みました。大学での10年余り、実に多数の胎児疾患を診ました。そしてただ診るだけではなく、生後に小児科・小児外科での治療を確認し、「あの時見えた異常はこういうことだったのか」と何年もフィードバックを続ける。そのカリキュラムを着実に実施しました。正しい診断が必須とされる厳しい世界で長年鍛えられ、確かな目を培ってきたと自負しています。重要なのは正確な情報。「彼からの情報なら間違いない」と思われるまでレベルを上げなければなりません。これらの学びは、現在もなお継続しています。

話は変わりますが、クリニックでは東洋医学の考えも取り入れているそうですね。

骨盤位(逆子)が非常に多いのですが帝王切開をなんとか減らしたく、東洋医学に注目しました。婦人科は古くから東洋医学とは切り離せない関係にあるともいわれますので、西洋医学一辺倒ではなく、原点回帰で東洋医学の視点を取り入れようと考えたのです。また母子の健康のためにクリニックで行っているさまざまな取り組みは、産科の医師が近くにいますので安心感があるのではと思います。

最後に、インタビューを終えて今後の展望をお聞かせください

Df6

ニーズが多様化する今の時代、求めるものは人それぞれです。私が力を注ぎたいのは胎児超音波検査で、同じ思いの人が来てくださることと思います。設備やサービスにも工夫を凝らしていますが、すべてのベースにあるのは確かな医療だと考えます。経験と実績を重ね、しっかりと基盤を固めた上に成り立つものであるとともに、さらに先の時代を見据えて今後も学びは続きます。出産で起こるかもしれない万が一の事態を「0」にするのが、私たちの仕事です。どうか不必要に出産に不安や恐れを抱かないでください。真剣にはなってほしいけれど、深刻になることはありません。

Access