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中家 麻里 院長の独自取材記事

なかや歯科

(大阪市都島区/都島駅)

最終更新日:2023/02/13

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大阪市営地下鉄谷町線都島駅より徒歩2分の「なかや歯科」。院長は、快活で明るい性格が患者に人気の中家麻里先生。歯科医師として日々の診療に取り組む一方で、講習会で講師を務め、2010年にはハーバード大学で歯周病を専攻する学生への講義も行った歯周病のエキスパートでもある。歯周病予防の大切さを熱く語るその様子から、歯科医師という仕事に対する誇りと愛情がひしひしと伝わってくる。「患者さまを良くしたい、その一心で診させてもらってます」 とほほ笑む中家院長に、歯周病の治療や予防について聞いた。

(取材日2017年5月25日)

食べる楽しみを味わえる幸せ。噛むことの大切さ

先生は「一生おいしく食べる」をコンセプトに、治療に取り組んでいるそうですね。

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食べることは、人が死ぬまで続く営みです。「今日のお昼は、何食べよう?」とか、「夜はあれを食べるから、それまで仕事を頑張ろう!」というように、食べることを楽しみに思えることって、実はすごく幸せなことなんです。だってストレスがあると、食べることが楽しみじゃなくなってきますから。年齢を重ねても、恋愛感情を持てるって幸せですよね。でもそれは相手があってのことですし、いくつになっても持ち続けることが実はなかなか難しい。それに比べたら、食べることへの欲求は最後まで持てるものではないでしょうか。健康の源はやはり食べること。しっかりよく噛んで食べることで、より効率よく全身に栄養が行き届きます。そのためには歯が健康でなければいけません。それをサポートするのが私たち歯科医師の仕事です。

その一環として、こちらではインプラント治療に力を入れているとお聞きしました。

私がインプラント治療に取り組むようになったのは、もともとの専門である歯周病治療がきっかけです。歯周病で歯を失ってしまう人がとにかく多く、抜くしかないところまで重症化してしまうケースもたくさん診てきました。じゃあ天然の歯を失ってしまった方々に、次はどういう手段があるか。治療の選択肢はブリッジか入れ歯かインプラントになります。それぞれにメリットとデメリットがありますが、残った天然歯に負担をかけずにしっかり噛めることが期待できるのは、インプラントであると私は考えます。しっかり噛める環境をつくることができれば、食事もおいしく食べられるでしょう。それだけじゃありません。噛むことで顏の筋肉が鍛えられて表情も変わってきますし、たるみも解消されて若返ってくることにつながるかもしれません。クオリティーオブライフ略して「QOL」といいますが、その人の「生活の質」がすごく上がるんです。

歯を失って噛めなくなると、どんなリスクが発生するのでしょう。

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しっかり噛めなければ満足にものが食べられませんし、咀嚼には脳に刺激を与える重要な役割もあります。実際、奥歯がない人は、認知症を引き起こす物質が脳から分泌されるという研究結果も出ています。ですから歯がなくなって噛めないという状況は、何としてでも避けなければなりません。歯がなくなった状態で放置するのではなく、治療によりきちんと噛める環境を作ることは、とても大切なことなのです。

ただ、インプラントを入れてすべて解決するわけではないんですね。

はい。インプラント治療は「入れたら終わり」ではなく、「入れてから始まる」と言っても過言ではありません。特に注意が必要なのは、歯周病が原因で歯を失った方。なぜかというと、歯周病のばい菌はお口の中に依然として住み続けているからです。数自体は少なくなるものの口腔内に残っています。インプラントは人工の素材でも、それを支えている骨自体は自然の骨のままですから、正しくケアしないと歯周病菌によってインプラントの周りの骨が溶かされ、インプラントが抜け落ちてしまう恐れがあるんですね。これを「インプラント周囲炎」といいます。手入れを怠れば、たとえ人工の歯でも長持ちさせることはできないのです。

行った治療が、10年20年30年と維持できるように

先生がインプラント治療で重視していることは?

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一番は長期間安定させるためにどうするかということです。ここがすごく大事です。例えば50歳でインプラント入れたとしても、平均寿命からしたらあと30年。その間インプラントを長く維持できるかどうかまで考える必要があります。いったん治療が終われば、あとは定期検診で2〜3ヵ月に1回の通院になります。それ以降は患者さま自身のケアにかかってくるので、正しくケアできる環境を私たちが患者さまに提供しなければいけません。入れたら終わりじゃなく、入れてから始まるのですから。

歯周病治療にはどのように取り組んでいますか?

歯の状態や悩みに合わせた治療法をご提案しています。初期であれば歯石除去や正しい歯磨きで改善が期待できますが、中等度・重度の症状にはそれらの処置に加えて、骨の再生療法や歯周外科手術を行う必要があります。ただ症状の進み具合によってはできる治療、できない治療があるのでご理解ください。診療していて残念なのは、早い段階で適切に治療していたら残せていた歯はもっと多いはずだというケースに遭遇することです。治療の選択肢を狭めないためにも定期検診はぜひ受けていただきたいです。

とりわけブラッシングの指導に熱心だそうですね。

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正しい磨き方を身につけるのがまず大事ですから。例えば、握手するときに力が強い人もいれば弱い人もいるように、力任せに強く磨く人もいれば、優しく磨く人もいる。癖というのはなかなか直りませんから、それはもう根気よくお伝えします。そしてちゃんと磨けたら「今回出血も少なくてすごくきれいに磨けてます。頑張ってますね!」としっかりお伝えします。なぜかと言うと患者さまに習慣づけてもらいたいからです。毎日お風呂に入ってる人は1日入らないと気持ち悪く感じますよね? それと同じ感覚をお口にも持ってもらいたいんです。そこまでのレールに誘導していくため、歯科医師もスタッフも皆頑張っています。そうすることによって、行った治療が10年20年30年と長く維持できるのです。

全身の健康をも左右する口腔環境。口は「命の入り口」

お口の健康と体の健康は、密接に絡んでいるそうですね。

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食べ物を体に取り込む口は、いわば体の入り口。そこがばい菌だらけだとどうなるでしょう。ばい菌も食べ物と同じように体の中に入ってきてしまいます。呼吸をする鼻には、菌の進入を防ぐ免疫機能がありますが、お口の中にはそもそもそういうブロック機能がないために、ばい菌が体の中に簡単に入っていってしまいます。だから口呼吸はよくないとされているんです。そして、口から入ったばい菌が脳や心臓に行った場合、結果的に、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こしかねないというのがここ何年かでわかってきています。糖尿病の合併症として歯周病があることも注目されています。ですから、体の健康のためにはまず口の中を健康にしないといけないのです。

歯の健康を守るためのアドバイスはありますか?

「病は気から」とはよく言ったもので、人間の体というのは本人に「治ろう!」という気持ちがなければ治っていかないものです。生きているといろんなトラブルが起こるわけで、そのとき患者さまご自身が、その病気やトラブルとどのように向き合うかで結果は全然違ってくるんじゃないか、私はそう思っているんです。これは歯だけに限らず、全身の健康も同じです。ですから患者さまには「治ろう! 治そう!」とする気持ちを持って治療に臨んでいただきたいです。歯周病は時間をかけて悪くなる病気です。だから当然治療にも時間がかかります。痛みを伴う処置をしなければならないときもあるでしょう。それが嫌だからと避けていては悪くなる一方です。ご自分の体のことです。それを理解して頑張れば、その先にはきっと明るい未来が必ず待っているはずです。

最後に、今後の展望についてお聞かせください。

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これまで多くの治療を手がけてきて実感しているのは「健康は口元から」ということです。しっかり噛めるとおいしく食事ができるだけでなく、お顔の表情だって明るく変わってきます。初診時には口元を気にして笑えなかった方が、自然に笑えるようになる。すると顔つきそのものがとても魅力的に変わっていくんです。ですから、今後も現役でいる限りプロとしての責任を持って、来てくださった患者さまの人生や生活の質を良い方向に変えるお手伝いをしていきたいです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療:約100万円(症例や、状態によって大きく異なります。あくまで目安となりますので詳細は歯科医院までお問い合わせください)

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