上野 泰之 院長の独自取材記事
ウエノ歯科
(堺市西区/浜寺公園駅)
最終更新日:2023/08/03
2005年の開業以来、地域に密着して診療を行う「ウエノ歯科」。院長の上野泰之先生がめざすのは、自信を持って笑える口元をつくることだ。一般歯科はもちろん、審美面に配慮した診療の経験も多く、患者の負担に配慮した歯列矯正を提案しているのだという。特に小児については、顎の成長発育を促し、呼吸法から正しく整える指導を行っているそうだ。心がけているのは、自分がしてほしい診療を患者にも提供すること。その考えはスタッフとも共有し、一つのチームとして治療やケアにあたっている。自身のクリニックを、気軽に通えるサロンのような場所にできればと話す上野院長に、「すてきな笑顔づくり」を実現するため、どのような治療を行っているのかなど、詳しく話を聞いた。
(取材日2019年4月9日)
美しい歯並びは顎の成長発育と正しい呼吸法が重要
開業までのご経歴を教えてください。
大学が横浜だったので、卒業後は表参道の歯科に2年弱勤務しました。場所柄、自費診療での審美補綴を希望される患者さんが多いところでしたね。当初からゆくゆくは実家がある堺市で地域に貢献したいという気持ちがあり、関西圏でも修業をしたいと考えていました。それでご縁があった伊丹市の歯科医院で、約4年ほど働きました。そちらはほとんどが保険診療でしたので、開業前にどちらも対応できる経験が積めたのが良かったですね。保険診療で補えないところは自費診療でこだわった材料を使ったりもできますので、患者さんには選択肢の幅を広くご提案できたらなと考えています。何でも屋になるのではなく、自分のできることはきっちりやって、守備範囲外のことは地域のエキスパートの先生と連携を取って、良い歯科医療を提供していけたらなという思いでやっています。
地域への貢献の一環として学校歯科医もされているそうですね。
はい。現在は小学校の学校歯科医をしているのですが、歯並びの悪い子が多いことが気になっています。食べ物がやわらかくなってきたり、さまざまな理由から顎が小さくなってきているようで、顎の大きさに対して歯が並びきらなくなっているんです。開業当初は矯正専門の先生に紹介していたのですが、患者さんのお話を聞いていると専門のクリニックだと費用がかかりそうだとか、通いづらいイメージがあることがわかってきました。それで当院でも何かできないかと思って取り入れたのが、マウスピース型の装置を用いる方法です。口腔筋の機能改善と歯列矯正、2つの方法をご提案していますが、これによって顎の成長発育を促していきます。また、そのためには正しい呼吸法を身につけることも大切なので、そういったことも指導しています。
顎の成長発育のためには何歳頃からケアすべきでしょうか?
マウスピース型装置を使うとすると、口腔内の成長に合わせるため5~6歳くらいから小学校低学年頃までに始めて、中学1~2年まで続けてもらうのが理想です。そうすると顎の土台が広がりやすいんですよ。また、もし成人していても同様の装置で対応できる方法もあります。この方法だと、従来の矯正のような痛みはあまり感じず、食事時には外すことも可能です。食べる時のストレスがなく、虫歯にもなりにくいという意味でもお勧めできる方法ですね。当院では前の方だけの歯列矯正をご紹介していますので、口腔全体の歯列矯正よりは費用的にも負担が少ないでしょう。期間もワイヤー型より短く、だいたい半年から、かかっても10ヵ月くらい。気楽に取り組みやすいと思います。
自分がしてほしい歯科治療を患者にも提供
先生がめざしている歯科医療はどういったものですか?
歯を気にして笑えないという方が多いので、歯並びを直したり見た目をきれいにすることで、患者さんの「すてきな笑顔づくり」を応援したいです。口の中の機能が整って、しっかりお食事できるというのは当たり前のこと。プラスアルファとして、手軽にきれいになれる方法をご提供したいです。そのためにも、痛いから来るのではなくて、サロン感覚で気軽に来られる場所になれたらうれしいですね。また、当院では予防にも力を入れていて、顕微鏡で口腔内の細菌の状態を確認することもやっています。床にワックスがけをする前に、ホコリを取ってきれいにしたほうが良いのと同じで、ベースを整えた状態にしてから、歯石を取ったり虫歯の治療ができる方法があるということをお伝えしたいですね。他には口臭の測定器もあるので、幅広いケアをご提案できたらと思います。
治療の際のコンセプトを教えてください。
可能な限りという条件はつきますが、「抜かない、削らない、痛くない」という治療です。自分が患者だったら、気軽に抜かないでほしいし、無意味に削らないでほしいし、極力痛くないほうがいいなというのがあるので。自分がされたら嫌なことはしないというのが大前提ですね。それから、時間は予約制ですが、約束なので極力待たせないように気をつけています。そうして、診療時には自分でないとできないことを提供したいので、患者さんには簡潔に必要なことだけ伝えて治療に集中します。その分、衛生士を担当制にして、日常のコミュニケーションなどは彼女たちに任せています。スタッフにも輝いてほしいし、チーム医療で患者さんのケアを行いたいので。そのためにも、朝礼をしたり情報共有はしっかりやっています。
スポーツ用マウスガードの作製も対応されているそうですね。
ポスターが貼ってあるのでわかると思うのですが、私は大のプロレスファンなんですよ。当院にはそういった格闘技をされる方も診療にいらっしゃいます。そういったつながりから、スポーツ用のマウスガードの必要性を感じていて、普及に力を入れていきたいと思っています。脳震とうのリスクを減らすことにも重要なんです。なので、部活をしているお子さんにもお勧めしていきたいですね。ただ、お子さんの場合は先ほども言った通り、まずは呼吸からですが。
自信を持って笑える口元づくりを応援したい
すべては呼吸が基本なのですね。
そうですね。呼吸がちゃんとできてない子は本当に多いのですが、歯並びが悪くて口で呼吸していると、集中力がもたないし、口の中が乾燥して細菌が繁殖しやすくなり虫歯にもなりやすい。全部つながるんです。一概に、歯磨きを頑張りましょう、だけじゃダメな部分があるのですが、まだまだ知られていないですよね。だから、まずは呼吸からちゃんとしましょうと声がけをしています。鼻呼吸をしっかりして、顎の成長発育をマウスピース型の装置などで導いていくことで、さまざまなことにプラスにつながっていくと考えています。いいことづくめなんですよ。歯がきれいになると自信が出てくるので、自信を持った子どもが増えることにもなるかもしれません。未来ある子どもたちのために、そういったことを啓発していけたらと思っています。
お忙しい毎日だと思いますが、休日はどのように過ごされていますか?
家族と過ごすことが多いですね。あとは趣味のゴルフとプロレス観戦もよく行きます。健康法としては、やはり睡眠が大事だなと思っています。ゴールデンタイムと言われる10時、11時から夜中の2時、3時の間はしっかり寝ていたい。と言いつつ、できていない時も結構ありますが(笑)。子どもが2歳、5歳、7歳と3人いて、一緒に寝ると早く寝られるし、やっぱりそれが一番調子がいいですね。妻は歯科衛生士で一緒に仕事をしているので、家は近くにあります。近所に住んでいるというのもあって、妻と2人で地域医療に貢献できたらという思いはありますね。
最後に今後の展望と読者へのメッセージをお聞かせください。
一番は、自分が通いたい歯科医院をつくり上げたい、自分の家族や友達にするレベルのことを患者さんにも届けて、皆さんの健康を守りたいということです。大切な人にすることと、患者さんへの内容にズレがないように、家族同様の感覚で患者さんにも接したいですね。メッセージとして伝えたいのは、「すてきな笑顔を作りませんか」ということ。着飾るほうが先で、歯は後回しにされがちですが、歯をきれいにすれば全部きっちりすると思うので、まず口元をちゃんとしてほしいです。食事も噛めないとおいしくないし、食べないと弱っていきます。逆に食事がおいしいと、笑いながらで会話も楽しめる。歯科医師というのはそういう一面と関われる仕事なので、すごく良い仕事だなと思っています。これからも皆さんの笑顔のために、できることを提供していきたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはスポーツマウスガード/2万2000円、マウスピース型矯正装置を用いた矯正/36万3000円~、小児用顎矯正装置/9万9000円~、ワイヤー矯正/88万円~、部分矯正/16万5000円~、裏側矯正/88万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。