瀬谷 隆 院長の独自取材記事
せや眼科
(三田市/三田駅)
最終更新日:2025/07/30

三田駅から徒歩3分、駅からも見えるビルの1階で2006年から診療を行ってきた「せや眼科」。2024年7月、駅前再開発に伴うビルの建て替えで仮施設での診療を開始したが、仮施設も三田駅の駅前とあって、従来と同様、通勤・通学途中の若い世代や働き世代をはじめ、老若男女幅広い患者が通う。院長は、なんでも相談できそうな優しい笑顔が印象的な瀬谷隆(せや・りゅう)先生。専門の緑内障の治療のほか、白内障の日帰り手術や硝子体手術、眼瞼下垂症などさまざまな手術に対応している。精密な治療を行うため視野計や光干渉断層計など先進機器を活用。これら検査機器や手術に必要な設備もすべて仮施設に移し、従来と変わらない診療を提供している。地域医療への思いや、同院で注力している手術や治療、専門の緑内障について瀬谷院長に話を聞いた。
(取材日2024年10月25日)
ゆかりある地域に密着・貢献できるクリニックをめざす
眼科医をめざされるまでの経緯をお聞かせください。

父が外科、兄は歯科、おじは産婦人科と、親戚や身近な人に医師が多かったため、小さい頃から医療関係の仕事に就きたいと思っていました。今は義理の父も脳神経外科なので、親戚で総合病院ができるのではないかと思うくらい、それぞれ違う科を選んでいて、眼科の医師も私しかいないんですよ(笑)。眼科を選んだ理由は、顕微鏡をのぞき込んで行う手術がきれいだと感じ、その仕事に就きたいと思ったのがきっかけなんです。
開業から18年たちますが、当時はどのような想いを持って開業されたのでしょう。
この場所で開業したのは、通っていた中学、高校がこの地域で、もともとなじみがあったからなんですね。故郷に帰ってきたようなつもりで、地域貢献したいと思い、三田駅前でクリニックを構えることに決めました。開業時は地域医療を盛り上げていきたい、手術しなくてはいけなくなった患者さんを自分で最後まで責任を持って診ていきたいと思っていました。その想いは今も変わっていませんが、今はどうすればもっと手術を多くの人に提供できるか、どうすれば地域に貢献できるか、より具体的に考えて取り組むようになりました。当院で診ている患者さんは、できる限り当院ですべての治療を行っており、患者さんが治療の段階によってあちこちの医療機関を移動する手間をかけないで済むようにしています。
2024年7月から仮施設で診療されているのですね。

はい。駅前再開発に伴ってクリニックの入っていたビルが建て替えとなり、今年の秋からこの仮設のクリニックで診療しています。仮設といっても場所は以前と同じく駅の目の前ですし、設備ごと移転したので、診療内容はこれまでとまったく変わりありません。日帰り手術の環境も整え、以前と同様対応していますから、安心して受診していただけたらと思います。新しいビルの完成は2027年初め頃なので、完成したらまた元の場所に戻り診療を再開する予定です。
白内障手術、硝子体手術、緑内障レーザー治療に注力
クリニックでは白内障の日帰り手術に力を入れているそうですね。

はい。白内障は目の中でレンズの働きをしている水晶体と呼ばれる部分が、加齢などによって白く濁り、物が見えづらくなる病気です。薬で完治できるものではなく、現在のところ視力の回復を図る方法は、濁った水晶体を人工の眼内レンズに入れ替える手術しかありません。診察では、眼圧や眼底、視力、水晶体の状態を調べ、白内障かどうかを診断。手術をする場合は安全に手術を行うために心電図・血液・尿検査・血圧などの検査をして、網膜の状態の確認する検査や、眼内レンズの度数を決めるための検査を行います。実際の手術は短時間で終わるので日帰りで行うことができます。最近視力が低下してきた、目がかすみがち、日があたると極端にまぶしく感じるという方は、まずは検査を受けてみることをお勧めします。
白内障以外の手術についても詳しく教えてください。
手術は、白内障手術だけでなく、黄斑前膜の手術や増殖糖尿病網膜症への硝子体手術にも対応しています。個人のクリニックだと硝子体手術を行っているところはあまり多くありませんので、手術が必要になった場合、総合病院を紹介してもらう流れが一般的です。当院では硝子体手術を受けられるため、患者さんにとってメリットになると思っています。身近なところでストレスも少なく、気持ちを楽にして手術を受けてもらえるようなクリニックでありたいと思っています。手術となると恐怖感を感じる方が多いと思いますが、当院は痛みや苦痛を患者さんに感じさせないように手術や治療を行っていくことにこだわりながら、日々の診療を行っています。
手術の説明会も行っているそうですね。

手術の説明会は、お昼休みを利用して月に2~3回行っています。1時間くらいかけて、とても詳しくお話しさせていただいていますので、手術を迷っている方にはぜひ聞きに来ていただきたいですね。当院に来たことがない方でも、お気軽にいらっしゃってください。眼科の手術に対する理解を深めていくことで、手術に対する不安を軽くしていければいいなと思い、理解してもらえるような説明を心がけています。
ほかに注力している治療はありますか?
私の専門でもあり、日本人の失明の主な原因とされている緑内障の治療に力を入れています。当院では視野計のほか、網膜を断層にして状態を確認していく光干渉断層計など先進の機器を導入していますし、進行抑制を図る点眼薬の処方や、進行した場合のSLT緑内障レーザー治療にも対応しています。緑内障は自覚症状が少なく、症状を感じた際にはすでに進行していることが多いです。40代になると20人に1人は緑内障に罹患しているともいわれますので、きちんと定期的に検診を受けましょう。特に近視の強い方、遺伝的なことも関係するといわれているので、緑内障のご家族がいる方は、検査を受けることをお勧めします。眼圧が高いと緑内障になりやすいと耳にしたことがあるかと思いますが、日本人の緑内障の方で眼圧が高い方は、実はあまり多くないんです。眼圧が低いからと安心せず、40代になったら定期的に眼科で診てもらいましょう。
患者との時間を大切にし、納得できるまで話を聞く
オルソケラトロジーにも対応されているとか。

はい。オルソケラトロジーについて、お問い合わせいただくことが最近多くなりましたね。オルソケラトロジーというのは、夜、寝ている間に角膜矯正用の特殊なコンタクトレンズをつけて角膜の形状を整えて、近視や近視性乱視の視力補正を図る方法です。視力が補正されれば昼間は裸眼で過ごすことが期待できるため、眼鏡やコンタクトレンズをつけたくない方、水泳などのスポーツをしている方にお勧めです。お子さんのいらっしゃる方からの問い合わせも増えていますね。治療は、夜寝ている時に装着するだけ。レーシックなどの手術と違い、レンズの使用をやめればいつでも元の角膜の形状に戻せる「可逆性」もこの治療の特徴なので、不安要素が少ない治療ともいえるでしょう。興味のある方は、相談だけも構いませんので一度いらしてください。
診療を行う際はどんなことを心がけていますか?
患者さんと向き合い、ゆっくり話をすることです。当院では、話をする時間を十分確保できるように、私ともう1人のドクターの2人体制を取っています。実は、診察時間のほとんどが二診制になっているのは、お話をしっかり聞く以外にもメリットがあります。午後から大学病院の先生が来てくれる日もありますので、難しい症例の方が専門性の高い先生に診てもらえるのは、当院の強みでもあり、患者さんにとってもメリットだと思います。また、一人ひとりとお話しするために2021年より予約システムを導入し、待ち時間の短縮に努めています。
最後に、読者へメッセージをお願いします。

目の疾患の早期発見のためにも、40代になったら定期的に眼科を受診していただきたいですね。コンタクトレンズをしていない方は、なかなか眼科に行く機会はないと思いますが、自覚症状が出てからだとかなり進行している状態なので、ご自身のためにも、ぜひ検診を受けてほしいですね。現在は仮設クリニックでの診療ですが、以前と同じく三田駅の目の前の立地ですし、設備もそのまま移しているので、治療も手術も変わらず対応しています。日帰り手術の説明会も、引き続き定期的に行っています。手術に恐怖心をお持ちの方は多いと思いますが、眼科の手術がどういったものなのか、わかりやすく説明させていただきますので、どうぞ気軽にお立ち寄りください。
自由診療費用の目安
自由診療とはオルソケラトロジー/18万円~(1年間の診療込み)