河村 純 院長の独自取材記事
河村クリニック
(門真市/大和田駅)
最終更新日:2025/05/22

「河村クリニック」は、門真市の大和田駅から程近い、商店と住宅が入り交じった下町ならではの温かみを感じる一角にある。院長を務める河村純先生は、2006年の開院当初から地域医療に積極的に取り組んできた。医師としてのこれまでの経験を生かして多様な主訴に柔軟に対応する河村院長。「幼い頃から住み慣れ親しんだこの地元の皆さんの健康を管理して支えることは、医師としての使命だと思っています」と穏やかに話す。「話のできる、かかりつけ医」をモットーに、スタッフと一丸となって患者に寄り添う姿勢や、時代の先を見据えて知識・技術・院内設備のアップデートを欠かさないことからも、勤勉で前向きな河村院長の人柄がうかがえる。温和で飾らない笑顔の河村院長に、医師としての思いなどについてじっくりと聞いた。
(取材日2025年3月18日)
未来を見据え地域の健康を守って未来へ導く
開業されたきっかけを教えてください。

広島大学卒業後は、大阪大学の第一外科で修行し、主に消化器がんの手術など数多くに携わってきました。医師として研鑽を積む中で、専門性の高い外科手術に専念するだけでなく、「小さい頃から住んでいた地元の門真市で、お世話になった地元の皆さんの健康を長く管理していきたい」と思ったことが開業のきっかけですね。開業を意識してからは、どんな症状や主訴にも対応できるようになろうと、摂南総合病院の整形外科に勤務して腕を磨き、同時に関心のあった地域医療やプライマリケアについて知識を深めました。特別養護老人施設での診療にも携わる中で、内科的な疾患の診療や介護の領域をも経験できました。結果的にトータルで診療できるように成長できたことに感謝しています。
患者層や多い主訴について教えてください。
当院のある大和田エリアは、義理人情が息づく古くからの下町です。昔から長く住んでいる人が多く、患者さんには膝や腰に痛みを抱える高齢者が多いですね。ただ、3世代で暮らす人もいらっしゃり、お子さんや働き盛りの患者さんも増えています。私の地元ということもあり、同級生や知り合いが家族ぐるみで来院することも多いです。若い世代では風邪や腹痛、便秘、予防接種といった内科的な主訴が中心です。整形外科では関節症、ケガや骨折、事故後の痛みなど。他にも、ED治療、AGA治療、禁煙治療など、主訴は多岐にわたります。
院長が診療で大事にしていることはありますか?

開業以来「話のできる、かかりつけ医」をモットーに診療にまい進してきました。それは勤務医時代に「怖い先生だと話しづらい」と、ある患者さんから相談を受けたことがきっかけです。安心して話せる環境づくりの大切さを痛感しました。まずは患者さんの気持ちをほぐして信頼関係を築くことから始め、患者さんの言葉や気持ちをうまく引き出していくのが私の務めだと考えています。リハビリテーションで大切にしているのは、具体的な目標を掲げ、少しずつでも運動を続けてもらえる雰囲気づくり。当院の理学療法士は皆明るくて、笑顔がすてきなんです。患者さんの状況に合わせて会話や施術方法を変え、リラックスした状態でリハビリを受けてもらえるよう心がけてくれています。私も理学療法士と頻繁に情報交換し、より患者さんに合うリハビリの提供に努めています。他のスタッフとも患者さんの情報を常に共有し、院全体で患者さんを見守る体制を整えています。
「話のできる、かかりつけ医」として信頼を築く
変形性膝関節症の治療に注力されているそうですね。

はい。腰や膝の痛みを抱える高齢の患者さんは少なくありません。変形性膝関節症の治療には保存療法と手術療法がありますが、手術は避けたいという声が多く、関節注射や痛み止めで対処しています。今は患者さんの血液中に含まれる血小板の力を利用した研究や開発に注目しています。実用化されれば高齢者や手術を避けたい人にとって、選択肢が広がります。痛みにはリハビリも有用です。理学療法士が変形性膝関節症の多岐にわたる原因を評価しながら、問題がある部位の筋肉をほぐしたり、ストレッチを行ったりすることで、血液循環の改善を促し、痛みの緩和を図ります。当院は理学療法士の担当制を導入し、症状の経過をしっかり把握した上で対応できるのが強み。高齢の患者さんでは周りに迷惑をかけず歩いて通院したいとお考えの方が多いので、痛みなく歩けることを目標としたリハビリを提供しています。
新たに導入したDEXA法での検査について教えてください。
骨粗しょう症の検査に、より精密に骨密度を測定するためのDEXA法を導入しました。これまでは骨密度は前腕で測定していましたが、腰椎や大腿骨頸部で直接測るための検査方法です。腕の数値は良くても腰や脚の骨はもろくなっていたなど、微妙な骨密度の差や現状の把握につなげます。どこが弱いかがわかると、気をつけたら良いことを診断できますからね。転倒した時に寝たきりになるかどうかなど、将来に向けた対策にも生かせます。開業当時は大きくて設置が難しかったのですが、DEXA法での検査装置がコンパクトサイズに進化して良かったです。
EDやAGAなどメンズヘルスケアにも注力されていますね。

どちらもデリケートな問題です。家族や友人にも相談できずに一人で悩んでいる方には、専門の医療機関の受診をお勧めします。EDは、加齢によるホルモンの低下や糖尿病、脂質異常症、高血圧症の病気、喫煙、塩分の多い食事など、生活習慣が関わっていることが多いです。血管の弾力が乏しくなると血流が抑えられ、EDを引き起こす原因となります。ストレスなど心の問題も挙げられます。最近の健康診断の結果があればコレステロールの数値から判断できますし、触診もなく問診だけですので安心してご相談ください。そしてAGAは、毛根が残っているか、残ってないかが治療の大きなポイントになるため、早めの受診をお勧めします。慢性的に髪の毛が早く抜ける状態での放置は避けましょう。抜けている原因は、単純にホルモンの問題でない場合もありますので、精神的な問題や他の病気が起因に絡んでいないか一緒に探っていきましょう。
高水準で適切な医療とプライマリケアをめざす
なぜ全身をトータルに診る必要性があるのでしょう。

体内では内科や外科など関係なく、総合的なバランスのもとに、いろいろなことが起きています。病の原因は一つでなく複雑ですから、トータルな診療で、患者さんを良い方向へ導くことが医師としての役目だと心得ています。年に1度の健康診断は重要で、検査で何か異常が見つかるのは、すでに体が黄色信号を出している状態です。そういった時は男性的な力も含め元気をなくしたり、女性も同じように年齢を感じる時かなと思います。診断結果をそのままにせず、少し自身の健康管理に意識を向けてみてください。
医師としてプライマリケアへの思いとは?
まず患者さんの声に耳を傾け、全身の健康状態を診て、その患者さんにとってプラスになることやかなえたい望みがあるなら、それに積極的に取り組んでいくこと。それが地域医療を担う者の務めだと考えています。医療技術の向上に切磋琢磨することも欠かせませんが、向き合う患者さんが心と口を閉ざしてしまわないように、コミュニケーションを取ることを大事にしています。医師の立場からすると、実は良性の病気の場合の判断が難しいんです。患者さんがその良性の病で生活にどれくらい支障が出ているか、本人もわからない部分を判断することが肝心です。できるだけ手術はせずに導いてあげられたらと思います。また通院が難しい患者さんへの訪問リハビリにも注力しています。理学療法士が筋力の回復や関節の可動域の改善をめざしたご自宅でできる運動をお伝えします。訪問リハビリは通院中の方を中心に幅広く対応していますので、気軽にご相談ください。
読者にメッセージをお願いいたします。

当院ではよろずやさんのように何でも診させてもらい、いろいろな病気の診療を担っています。外科、整形外科、消化器内科の専門分野の症状はもちろん、風邪や頭痛、がんに至るまで、幅広い症状にも対応し、治療します。それから受動喫煙による家族への影響が不安な場合の禁煙治療や、睡眠時無呼吸症候群のCPAP療法などもご相談ください。また、他の医療機関にかかっていた症状でも気になることがあれば伺います。今は介護認定も担当していますので、医師として患者さんとご家族の心のもつれをほぐしてあげるようなことができたらうれしいですね。「病は気から」です。ぜひ一緒に、原因追究して心からの笑顔を取り戻しましょう。
自由診療費用の目安
自由診療とはAGA(男性型脱毛症)治療/1錠200円~、ED治療/1錠710円~、子宮頸がんワクチン/1万5000円×3回・2万7000円×3回※ワクチンの種類によって金額が異なります