小児は口腔筋機能トレーニングで正しい成長を促し、成人矯正は臨機応変に対応。矯正中の虫歯治療も可能

Q子どもの歯並びが悪いと将来どのような影響が​ありますか？

A

▲歯並びが成長に悪影響を及ぼす可能性もあるという

歯並びが悪いまま成長すると見た目にも良くありませんし、歯磨きがしにくいことから虫歯になりやすいといえますね。ただ子どもの場合は、歯だけでなく舌・筋肉や顎の成長までトータルで考えることが必要です。例えば唇の力が弱くてお口がぽかんと開いていると、口腔内が乾燥して虫歯や歯周病のリスクが上がります。お口ぽかんのリスクはそれだけでなく、顎の成長を阻害して、それが歯並びの悪さや出っ歯につながってしまいます。また舌の筋肉が弱いと気道を圧迫して睡眠時無呼吸症候群を引き起こすことも。子どもの成長に睡眠が大切なのは言うまでもなく、眠りの浅さが全身の成長に影響してしまうこともあるんですよ。

Q子どもの場合、舌や筋肉の状態が歯並びに影響するのですね。

A

▲口腔筋機能トレーニングで歯並びや噛み合わせを自然に整えていく

そのとおりです。舌が上顎の中の正しい位置に収まり、お口がきちんと閉じて鼻呼吸になっているのが理想です。お子さんの場合はその状態を目標に、口腔筋機能トレーニングをしたり装置を使いながら、顎の成長を促すことで歯並びを整えていくことをめざします。これが成人矯正との大きな違いです。トレーニングは3年間が目安で、呼吸のトレーニングや飲み方、舌や頬の使い方などを一つずつ練習していきます。3年が過ぎる頃には顎の成長が進んでいますから、歯並びを取り巻いてる環境の力のバランスも整っていれば、歯並びや噛み合わせも自然に整っていくことが期待できます。

Q口腔筋機能トレーニングは何歳頃に始めるのが良いのでしょうか？

A

▲早期改善が望ましいと話す新谷真基先生

口呼吸や飲み込み方など、悪い癖があれば早めに直したいところです。ですがご本人がトレーニングをしなければ何も変わりませんし、装置を使わなければ矯正は進みません。ある程度、矯正の意味を理解できる年齢にならないと続けるのは難しいかと思います。一方、成長にはタイムリミットもあり、中でも無視できないのは上顎の成長で、10歳くらいでほぼ完成してしまいます。これらを踏まえた上で、当院では前歯の生え替わる6～７歳頃からをお勧めしています。ただし、反対咬合のお子さんは上顎の成長に特に注意しなくてはなりません。乳歯のうちから反対に噛み合っている場合には、もう少し早い段階でご相談ください。

Qこちらで行っている成人矯正の種類についても教えてください。

A

▲患者のニーズに沿った治療を提供するよう努める

当院ではワイヤー矯正とマウスピース型装置を使った矯正のどちらにも対応しています。ワイヤー矯正の長所は対応の幅広さ。奥歯まで装置をつけてすべての歯に働きかけますから、幅広い症例に対応可能です。当院でもしっかりと治療したい場合にはワイヤー矯正をお勧めします。マウスピース型装置を使った矯正の良さは、取り外しができることと、院内滞在時間が短く済むことです。小さなお子さんがいらっしゃる場合、矯正に時間を割くのが難しい時もあるでしょう。また過去に矯正を受けていて再矯正をしたい方にも、マウスピース型装置をお勧めします。患者さんの症状やライフスタイルに合わせて、その両方を組み合わせることもありますね。

Qこちらでは矯正中に一般歯科も診てくださるそうですね。

A

▲補綴を専門とする新谷明昌副院長と矯正を担当する新谷真基先生

はい。矯正歯科も一般歯科もどちらにも対応できるのが当院の強みです。矯正は年単位で通院が必要ですから、矯正の途中で隠れていた虫歯が見つかったり、新たにできてしまうこともあります。矯正専門の歯科医院ですとそこで一旦通院が中断してしまいますが、当院の場合、当院で虫歯の治療を行って、その後すぐに装置をつけ直して矯正を再開できます。逆に虫歯や歯周病の治療で当院にいらして、原因が歯並びや噛み合わせにあるなど矯正によって再発防止が見込める場合、わざわざ他院に行くことなく矯正についての説明を受け、通院を開始することも可能です。