森 光弘 院長の独自取材記事
森歯科医院
(横浜市鶴見区/京急鶴見駅)
最終更新日:2026/09/07
京急鶴見駅東口すぐ近くにあり、この地で100年以上診療を続ける「森歯科医院」。現在は3代目となる森光弘院長が診療を行い、2026年5月には、建て替えたビル1階で新たなスタートを切った。森院長は卒業後も大学で歯周病や矯正を専門的に学んだが、「当院では歯科全般を幅広く診療し、なるべく抜かない、必要以上に削らない治療を心がけ、痛みにも配慮した治療をめざしています」と話す。再スタート後は森院長が1人で診療し、来院時から最後まで患者と一対一で対応するため、予防から治療までトータルに診られるのも特色。「治療に入る前に、患者さんの誤解や不安をなくせるように詳しく説明します」と語る森院長に、同院での診療について詳しく聞いた。
(取材日2026年7月23日)
若年層から高齢者までさまざまな症状に対応可能
この歯科医院の特色についてご紹介ください。

当院はこの鶴見地区で100年以上続く歯科医院で、1989年に私が3代目院長となって地域密着の診療を続けてきました。2026年5月からは建て替えが完了したビル1階での営業となり、改めて地域の患者さんのお役に立てる喜びを感じています。再スタート後は私1人での診療に切り替え、予防も治療も受付・会計もすべて私が担当しています。診療ユニットは個室タイプにして1台だけ置き、予約も1時間の枠で1人に限る方針です。緊急対応が必要なケース以外は、基本的に当院では患者さん同士が顔を合わせることはありません。プライバシーを重視される方、1人の歯科医師にじっくりと診てもらいたいと考える方は、ぜひ当院をご利用ください。
再スタートされて、どんな患者さんが来られていますか。
私が院長になって40年近くたつので、長く通われている方も多いですし、中には親子2代で受診されている患者さんもいらっしゃいます。また駅に向かうときに当院の前を通る人が多いせいか、20〜40代くらいの方が予防を目的に来院されることもよくありますね。加えて鶴見区は横浜市内でも外国籍の住民が多い街ですから、当院でも外国にルーツを持つ患者さんはやや増加傾向です。こうして地域の患者さんを長く診ていると、昔に比べて高齢になってもご自身の歯が残る割合は増えていると感じます。皆さんの口腔ケアの意識が高まってきたのでしょう。一方で歯は残っても、噛み合わせが悪くてうまく噛めない方は依然として多く、当院でも今後の課題と捉えています。
先生が診療の際に心がけていることをお聞かせください。

歯科医師が診る患者さんの口腔内の状態と、ご自身がイメージする口腔内には大きなギャップがあることがほとんど。そのため、なるべくビジュアルな資料をご提示して、わかりやすい説明を心がけています。一般的な歯型模型のほかに、歯周病や歯並びに関する資料などもご用意するほか、今後は口腔内カメラを用いて口腔内をモニターに映し、現在の状況や症状が起きている理由、検討している治療計画などをご説明する予定です。特に「虫歯は痛いもの」「痛くなければ虫歯が進んでいない」と誤解されている方は多いですね。特に高齢になると痛みを感じにくくなり、ある日突然、歯がポロッと抜けたり穴が開いていることに気づいたりするんです。こうした点も詳しくご説明して、日頃から口腔ケアや定期検診を続けていただくように伝えています。
歯磨きの負担軽減につながる電動歯ブラシの利用も提案
それでは診療面での対応について教えてください。

卒業後は大学に残って歯周病や矯正を専門的に学びましたが、当院では地域のニーズに応えて歯科全般を幅広く診療しています。なるべく抜かない、必要以上に削らない治療を心がけ、痛みにも配慮した治療をめざしています。再スタートでまだ準備が整っていないものの、以前に行っていたホワイトニングやインプラント治療は、患者さんのご要望があれば再開する予定です。特に治療のファーストチョイスとしてインプラント治療が向いている方は意外と多く、例えば両隣の歯が健康で真ん中の1本だけが欠損している場合などは、部分入れ歯やブリッジでは両隣の歯にダメージを与えてしまいます。インプラント治療なら欠損した部分にインプラント体を埋め、1本の義歯を装着すれば済みます。もちろんご本人の希望が最優先ですが、他の歯に負担をかけたり削ったりしなくていいのはインプラント治療のメリットでしょう。
先生のご専門である歯周病の患者さんについてはいかがでしょう。
予防で通院される方は口腔内への意識が高いこともあって、多くは大きな問題がないと感じています。その場合は、定期検診で歯石を取るなどの簡単な処置をして、「このまま口腔ケアを続けてください」とお話しする程度で大丈夫ですね。一方で、高齢で磨き方が適切でなかったり、口腔内の抵抗力や細菌の種類などの影響で歯周病になりやすいタイプだったりで、歯周病の一歩手前か歯周病を患っている場合もあります。歯周病の治療はご本人の歯磨きにかかっていますが、高齢で腕の力が弱まってきた患者さん、もともと歯磨きが苦手な方には電動歯ブラシもお勧めしています。手で熱心に磨いても、磨き方の癖によっては磨き残しが出てしまいますが、電動歯ブラシなら同じ時間でより効率的な磨き方が期待できます。ただ、虫歯は歯と歯の間にできやすく、歯の表面を磨く歯ブラシでは不十分です。歯間ブラシやフロスを使って歯間もケアしていただくようにお伝えしています。
近くの大学病院とも連携されているそうですね。

鶴見区歯科医師会が鶴見大学歯学部附属病院との協力体制を整えていますから、当院だけでなく歯科医師会に所属する歯科医院は、必要な場合には大学病院に患者さんをスムーズに受け入れてもらえます。高齢の患者さんは高血圧症や心臓病などの全身疾患がある方も多く、歯科治療の種類によっては全身管理のもとで行う必要が出てきます。そうしたケースに大学病院で入院治療に対応してもらえるのは、患者さんにとっても、私たち歯科医院にとっても安心につながると思います。
無症状でも検診を受けて口腔内のトラブルを予防
大学で歯周病を専門に選ばれた理由をお聞かせください。

大学時代に親しくしていた先生の専門が歯周病で、「虫歯以外に歯を失う原因があるのか」と興味を持ったのがきっかけです。当時は歯周病は治らない病気と考える傾向が強く、「何か治療法を探せないだろうか」と考えて、神奈川歯科大学の歯周病教室に入局しました。一般的に歯周病学は保存修復学や歯内療法学と同様、「患者さん自身の歯を残す」のが目的のため歯科保存科に分類されます。詰め物・かぶせ物を扱う保存修復学と、根管治療を行う歯内療法学は大学の実習でも経験できましたが、歯周病学は治療のスパンが長いこともあって十分に学べませんでした。ですから患者さんの治療を最後まで追ってみたいという興味も、歯周病の研究・治療に携わる動機になりました。さらに歯周病治療には磨きやすい歯並びも大切だと考え、歯科矯正学教室に移って学んだ後、当院の院長を継ぐことになりました。
ご趣味でジャズバンドに参加されているそうですね。
中学・高校で吹奏楽部にいたのですが、大学では弓道部に入り、それ以降は楽器演奏をまったくやめていました。それが少し前に大学の後輩がやっているジャズバンドのライブを見て、「やっぱりステージでスポットライトを浴びるのはかっこいい」と感じて再開したんです。今参加しているのは1948年に東京都で結成され、長く活動を続けているジャズオーケストラで、全員が集まる月2回の練習では都内まで出かけています。普段は歯科医師同士でも「先生」と呼んだり呼ばれたりする生活ですが、音楽をやっているとそうした肩書きなしで付き合えますし、全員で音が調和したときの感動も最高ですね。こうしてリフレッシュできると仕事にも新たな気持ちで取り組めます。
では地域の皆さんにメッセージをお願いします。

虫歯や歯周病の初期は自覚症状がほとんどなく、歯の痛み、歯茎の腫れ・出血といった症状が出たときは、すでに進行していることが少なくありません。早期に見つけるには症状が出てから受診するのでは遅く、症状がないうちから定期的に検診を受けることが大切です。最低でも年1回歯科検診を受けていただければと思います。当院では私が1人で診療していますので、ゆったりと検査や治療を受けたい方、他の患者さんと並んで治療を受けるのが苦手な方なども、安心して受診していただけると思います。どうぞご利用ください。

