嶺 裕之 院長、嶺 崇文 先生の独自取材記事
嶺整形外科クリニック
(横浜市鶴見区/鶴見駅)
最終更新日:2025/09/10

鶴見駅から徒歩2分の「嶺整形外科クリニック」。マンション2階と3階に構える同院は、広々としたリハビリテーション専用フロアを持ち、幅広い整形外科疾患に対して多角的なアプローチを行っている。長年にわたり地域の人々に医療を提供してきた嶺裕之院長は、まっすぐな眼差しで耳を傾け、静かにわかりやすく語りかけてくれるその姿勢に心つかまれる患者も多いだろう。また、新たに息子でもある嶺崇文先生も診療に加わり、さらなる進化の時を迎えている同院。先進的な治療も積極的に取り入れながらどのような診療を行っているのか。2人に詳しく話を聞いた。
(取材日2025年8月17日)
リハビリテーションを含む多角的な整形外科診療を実施
まず、クリニックの特色から教えてください。

【裕之院長】私が総合新川橋病院に勤務していた頃、鶴見の古寺の先代住職と奥さまとご縁がありました。檀家さんが寺院に寄付したこの土地でクリニックを、というお話をいただき、開業したのは2009年のことです。長年、幅広い整形外科診療を続けてきましたが、それはリハビリテーションの重要性を痛感する日々でもありました。リハビリテーション専用フロアをつくるために全面リニューアルしたのは、2021年の新型コロナウイルス感染症の流行真っただ中。1つ上の階にあった小児科さんが廃業したこともあり「やるなら今しかない」と腹をくくりました。新しいことにチャレンジするには勇気が必要なタイミングでしたが、患者さんのためにより良い治療ができるようになったのは間違いありません。
リハビリテーションを取り入れるメリットはどんな点ですか。
【裕之院長】長年投薬治療を続けていると、腎機能や肝機能への副作用は多少なりともあります。しかし、リハビリテーションを併用すれば薬の量を減らすこともめざせます。当院には6人の理学療法士が在籍していますが、全員一生懸命に患者さんと向き合ってくれて、とても助かっていますね。彼らがやりがいを持って働けるようにしっかりとサポートしていきたいです。
【崇文先生】診察室でご自宅でできるトレーニング方法を患者さんにお伝えしても、伝わりにくいときも少なくありません。一方、リハビリテーション専用ルームで理学療法士からの指導を受ければ、理解も深まりやすいのではないでしょうか。医師と理学療法士、複数の目から患者さんを多角的に診られるのもメリットといえるでしょう。
崇文先生も新たに診療に加わり、心強いですね。

【裕之院長】継承者がいない、親子で診療科が違うなどさまざまな悩みを持つ先生がいらっしゃいます。何も強制などはしなかったのですが、崇文先生が私と同じ整形外科を自ら選び、こうして手伝ってくれているのは本当に恵まれています。ありがたいですね。
【崇文先生】現在私は令和あらかわ病院にも勤務しているので、こちらでは火曜日と月に一度の日曜日の午前中だけ診療にあたっています。休日診療は以前から手伝ってきましたが、私が医師をめざすきっかけにもなった父の働く姿をすぐそばで見られるのは何よりの財産です。当院は父を慕って長年通い続けてくださる患者さんも少なくありません。どうしたらそのような信頼関係を築けるのか、しっかりと学んでいきたいと思っています。
膝関節疾患やリウマチなどへの先進的な治療も可能
崇文先生は膝関節が専門と伺いました。

【崇文先生】昨年まで東京慈恵会医科大学附属病院と関連病院で膝関節の手術を数多く手がけてきました。現在も令和あらかわ病院で変形性膝関節症の人工関節置換術、骨切り術、半月板の手術なども行っています。当院で手術が必要と診断された場合も、他院を紹介するのではなく私が令和あらかわ病院で執刀することも可能です。術後は当院でのリハビリテーションにスムーズに移行できるのも便利なのではないでしょうか。ただ、変形性膝関節症は手術以外の治療法もいろいろとあるので、できるだけ早く相談してほしいです。当院でも、超音波検査で痛みが発生しているポイントを見つけて痛み止めを注射するハイドロリリースも行っています。その他の治療法についても、興味のある方はご相談ください。
裕之先生は関節疾患と脊椎・脊髄疾患を全般的に得意としているとか。
【裕之院長】東京医科大学病院では股関節を専門としていましたが、総合新川橋病院で診療を始めてみると脊椎・脊髄疾患でお悩みの患者さんが圧倒的に多く、そちらも研鑽を積むことにしました。中でもよくあるのが脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアですが、投薬治療とリハビリテーションだけではなく、痛みが強い方には硬膜外ブロック注射も行っています。ハイドロリリースも硬膜外ブロック注射も予約不要で、必要な患者さんには受診日当日に処置しています。患者さんに喜んでいただけたらうれしいですね。そもそも、整形外科を選んだのは治療の様子が目に見えてわかりやすいのが魅力的だったからなんです。老若男女、生まれてすぐから亡くなるまで、さまざまな疾患に対して長く寄り添えることにもやりがいを感じています。
リウマチに関する治療もこちらの強みだそうですね。

【裕之院長】私も崇文先生も日本リウマチ学会リウマチ専門医というのも当院の強みの一つです。薬物療法が主体になりますが、必要があれば生物学的製剤など先進的な薬剤も使えるように常に情報をアップデートしています。治療の選択肢はできるだけ多く、どの患者さんも日常生活に支障がないよう症状を落ち着かせることが目標です。血液検査の結果、リウマチではないとわかることもありますし、他の自己免疫系疾患が判明することもあります。早期発見・早期治療のためにも、遠慮なく受診してください。
【崇文先生】リウマチは高齢の方に多いのですが、40代で発症することもあります。指や手関節が腫れていたり虫刺されのような赤みが広がっていたりして、なおかつ動かしにくいというときには、早めにご相談ください。
親子2代で未来を見据え、より良い治療を常に追求
お二人が診療で大切にしているのは何ですか。

【裕之院長】まず、患者さんの話にしっかりと耳を傾けることです。どのような症状でお悩みなのかはもちろん生活習慣についてもよく伺います。その上で、患者さんにできる限りわかりやすく説明するように心がけています。言葉だけではなく画像を用いることも多いですね。これまで数多くの患者さんと接してきましたが、日々の反省も怠りません。改善点を探して次の診療に生かすようにしています。これからもより良い診療を追求していきたいです。
【崇文先生】子どもの頃から父は仕事が生きがいだなと感じていましたが、こうして同じ場所で診療するようになり、ますますその思いは強くなりました。父を見習って、患者さんを病気でひとくくりにすることなく、一人ひとりの訴えに丁寧に向き合うことを大切にしています。
今後の展望をお聞かせください。
【裕之院長】今後は崇文先生の診療時間を少しずつ増やしていきたいです。私はこれまで、可能な限りクリニックで提供できる先進的な治療にこだわってきましたが、それを継承してくれたらうれしいですね。これまでの歴史よりも未来を見据えて、崇文先生の個性を発揮してくれたら言うことはありません。また、人間的な成長も期待しています。私も親になり、小さかった頃の崇文先生と接する中で、患者さんとのコミュニケーションもずいぶん変化しました。新米パパの崇文先生がこれからどう変わっていくのか楽しみです。
【崇文先生】2代目を継承するまでにはまだしばらく時間がありそうです。父が患者さんと接する姿をしっかりと目に焼きつけ、医師としても成長していけたらと思っています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

【崇文先生】膝・肩・腰などの痛みでお悩みのときは、気軽にお立ち寄りください。すぐに対応できる痛みもあるので、できるだけ早く受診していただければと思います。より専門的な治療が必要な場合も、複数の高次医療機関と提携していて迅速に紹介できるのでご安心ください。
【裕之院長】当院は整形外科疾患はもちろん、その他の疾患に関しても予防に力を入れていきたいと思っています。例えば、骨粗しょう症に関してはデキサ法の他にも検査項目の多い血液検査を行っていて、肝臓や腎臓の病気が見つかることもあるます。年に一度の骨粗しょう症の検査を、健康診断のような感覚で受けてみてはいかがでしょうか。生涯にわたり元気に歩ける生活を、かかりつけ医としてサポートさせていただければ幸いです。