五井 周 院長、五井 貴大 先生の独自取材記事
五井歯科医院
(我孫子市/湖北駅)
最終更新日:2024/05/22
利根川と並行して走る国道356号沿い、湖北駅から徒歩5分の好立地に立つ「五井歯科医院」。虫歯・歯周病治療や予防歯科、小児歯科、入れ歯の製作、インプラントなど幅広く診療する地域のかかりつけ歯科医院だ。1986年の開業以来、「地域の患者のために」の一心で診療にあたってきた五井周(ごい・めぐる)院長の周りにはベテランの歯科衛生士が多く集い、子どもから高齢者までさまざまな思いを抱えて来院する患者を温かく迎えている。2024年4月からは、日本歯科麻酔学会歯科麻酔専門医の資格を持つ息子の五井貴大(たかひろ)先生が週の半分ほど診療に加わるようになった。周院長の診療ポリシーと、貴大先生が今後めざすクリニック像。穏やかな口調がそっくりな2人が率直に語ってくれた。
(取材日2024年4月3日)
患者の希望に全力で対応する、地域のかかりつけ歯科
開業の経緯から聞かせていただけますか?
【周院長】私はもともと愛媛県の出身でして、大学で福島県へ。卒業後は地元に帰る予定でしたが、知り合いの業者の方の紹介もあって思いきって我孫子市で開業しました。それが1986年12月です。縁もゆかりもない、親戚も友達も大学の先輩もいない中でのスタートでした。患者さんに受け入れていただけるだろうかと、かなりのプレッシャーがありましたね。そんな中で、患者さんのご希望に全力で対応することをモットーに年月を重ねてきました。もちろん何もかもうまくいくわけではありませんが、患者さんにきちんと説明をして、納得していただいた上で治療方針を決めることを一番大事にしています。
もうすぐ開業40年。地域にしっかり根づいたんですね。
【周院長】親子3世代で通ってくださる患者さんも多く、ありがたいことです。当院はカルテを全部保管しているので、「自分の歯の歴史がわかる」と患者さんに喜ばれるんですよ。また園医や校医など、外来診療以外でも地域に貢献できるよう努めてきました。今の場所に移転したのは10年ほど前で、ベビーカーでそのまま診療室まで入れるバリアフリー構造、キッズスペース、ゆとりある駐車場などを備え、幅広い年代の方が通いやすいクリニックをめざしました。歯科医院特有のにおいを消そうと、院内の香りにもこだわっています。また、スタッフを中心に院内整備にもこだわっており、患者さんが気持ち良く過ごせる環境を整えています。
歯科衛生士さんなどスタッフの力も大きいのですね。
【周院長】歯科衛生士は8人いて、20年以上当院に勤務しているようなベテランがほとんど。まさに私の片腕です。熟練の歯科衛生士には新人や歯科助手への教育を任せられるので、私は治療に専念できて助かっています。当院は本当に歯科衛生士に恵まれていますね。親御さんの治療中は子育て経験のあるスタッフが多く、お子さんの相手をしたりとみんなでフォローしますので、子育て世代の方にも安心して通っていただきたいです。また、各スタッフのスキルを生かした講習会を開いたりしてみんなで知識を共有し、さらにレベルアップしていけたらと思います。
女性の常勤歯科医師を含め、充実の診療体制
周院長が特に心がけてきたことは何ですか?
【周院長】保険診療の中でどれだけできるかを追求することです。確かにお金をかければより良い治療をめざせるのですが、なかなか皆さんそういうわけにもいかないので、私は「とりあえず保険診療でやってみましょう」とお話ししています。特に入れ歯は、最初は保険適用のものを作って入れ歯はこういうものだと体験していただいた上で、「金具がないほうがいい」「もっと薄くてぴったりしたものを」など要望が出てきたら、自由診療のものを提案します。最初から自由診療で作ってもその良さがわかってもらえない可能性もありますし、保険診療の入れ歯で良ければそれで済むわけですから。また、予約の取り方についても患者さんのご希望に添えるように心がけています。
先進の医療機器を多数導入されていますが、保険診療の中で活用することもあるのですか?
【周院長】当院では先進の装置を自由診療だけでなく、保険診療で使うことも多いです。特にCAD/CAMシステムはフル回転ですね。お口の中を3Dスキャニングしてデジタルの歯型をコンピューター上に作製し、院内で短時間で、保険適用のブロックから詰め物やかぶせ物を削り出し完成させることができます。その他、マイクロスコープや歯科用CTなども導入していて、良い機材を使ってより良い治療を提供したいと考えています。また、簡易唾液検査機器を入れました。虫歯や歯周病リスクなどお口の中の状態を大まかに把握することができるので、歯に対する患者さんの意識や、歯磨きへのモチベーションを上げるきっかけにしていただけたらと思います。
現在の診療体制を教えてください。
【周院長】歯科医師は私を含め4人、うち1人は女性です。今後は、歯科口腔外科専門の先生の診療を行っていく予定です。難しい親知らずの抜歯なども当院にて対応しますのでご相談ください。また、現在は息子が週2~3回診療に加わっています。歯科麻酔が専門で、大学病院勤務時から担当している患者さんの麻酔のために出かけることもまだ多いのですが、徐々に当院の診療を引き継いでいけたらと思っています。後を任せられる息子の存在は心強いですが、親子ってやはり難しいなと改めて感じることもありますね。お互いを尊重しながらやっていこうと思っているところです。
歯科麻酔の専門家がいるクリニックとしての役割を模索
貴大先生の経歴をお聞かせください。
【貴大先生】日本歯科大学生命歯学部を2012年に卒業し、東京歯科大学の付属病院で初期研修医をした後、日本歯科大学に戻り歯科麻酔・全身管理科に入局しました。歯科麻酔といってもピンと来ないかもしれませんが、初めは私もそうで興味もありませんでした。それがガラリと変わったのが、研修医として麻酔科を回った時。歯科治療が怖くてたまらない方や障害のある方が、静脈内鎮静法や全身麻酔などの麻酔法を用いることで安心して歯科治療を受ける場面を見た時です。「治療が怖いと言うと、大人なんだからと怒られてきた」「障害を理由にたらい回しにされてきた」という患者さんやそのご家族が、「やっと治療を受けられた」ともう涙ながらに感謝されていたんです。こんな分野があるんだ、やってみようと心が動いた瞬間で、今もよく覚えています。
そもそも歯科医師をめざしたきっかけは何でしたか?
【貴大先生】覚えているのは、父が親族に入れ歯を作ってあげてその人が喜んでいる姿です。子ども心に、食べるってそんなにうれしいことなんだ、歯科医師ってすごいなと興味を抱いたのがきっかけでした。当院の診療に入るようになって驚いたのは、父がカルテやレントゲン写真をぱっと見ただけで、「ああ、あの人だね」とすぐわかること。患者さんのことをよく把握していて、細かいところまでよく覚えているんです。父は歯科医師として大先輩なので、基本的なスピードや手技、患者さんとの接し方など、しっかり見習っていきたいと思っています。
歯科麻酔を専門とする貴大先生が加わることで、クリニックとしてまた新たな展開が期待できそうですね。
【貴大先生】歯科麻酔を専門とする歯科医師でクリニック勤務の私は珍しい存在だと思います。これから当院で何ができるか考えつつ、この強みを生かした歯科医院に成長していきたいですね。歯科恐怖症や子どもや障害のある方など、相談だけでもしていただければ、全身麻酔ほど大がかりではない麻酔法もあることをお伝えできますし、大学病院を紹介することもできます。お気軽にご相談ください。
【周院長】これからも地域医療に貢献していけるように患者さん一人ひとりに真摯に対応していきたいと思います。息子が来てくれたことはとても心強いので、新しいことはどんどん任せていきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはかぶせ物/5万円~、義歯治療(ノンクラスプデンチャー)1歯/11万5000円~、エアフロー/3500円、インプラント治療/45万円~、オフィスホワイトニング/1万8000円~、ホームホワイトニング(上下各)/2万5000円~