田中 晃 院長の独自取材記事
田中あきら内科クリニック
(北九州市門司区/門司港駅)
最終更新日:2025/07/03

北九州市門司区、門司港駅から徒歩3分の所にある「田中あきら内科クリニック」。地域に根差した内科診療を続けてきた田中晃院長は、消化器分野を専門としながら、救急対応を含む急性期医療の現場で経験を重ねてきた。苦痛の少ない内視鏡検査を提供するとともに、必要に応じて日帰りでのポリープ切除にも対応。院内には血液検査機器やエコー、エックス線撮影装置などを備え、より早く正確な診断につなげている。診察時には、診療内容や今後の見通しをわかりやすく記した用紙を手渡すなど、患者との情報共有にも注力。こうしたこまやかな配慮の背景には、「患者さんがどこにかかっても困らないように」という誠実な診療姿勢がある。穏やかな笑顔で患者やスタッフに接しながら、地域のかかりつけ医としての役割を着実に果たしている田中院長に話を聞いた。
(取材日2025年5月28日)
「もしも」に備える、誠実な医療を追究
開業されるまでのご経歴や、開業を決意された経緯を教えてください。

医師としてのスタートは大学の付属病院でしたが、門司メディカルセンターに移ってからは、救急を含む急性期医療の現場で多くの経験を積みました。実は、もともと開業医になることは考えていなかったんです。勤務医としての仕事にやりがいもありましたし、開業するとできることが限られるのではと思っていました。ただ、長年勤務を続ける中で、今後も長く医師として働くにあたり最適な働き方を模索し、自分なりの診療スタイルを確立していける場として、開業を意識するようになりました。救急対応を通じて得た知見、そのほか勤務医時代の経験をもとに、日帰りでのポリープ切除なども院内で行える体制を整え、今ではその判断が正しかったと実感しています。
医師として診療の中で大切にされていることや、ご自身の強みと感じていることを教えてください。
私自身、特別に際立った能力があるわけではありませんが、こつこつと丁寧に取り組むことを大切にしてきました。医師として患者さんの情報を正確に把握し、それを診断・治療にしっかりと反映させることが何より重要です。そのため、診察では検査結果をもとに診療の見通しを文章にまとめてお渡しし、患者さんやご家族にもわかりやすく説明するよう心がけています。信頼関係を築くには、日々の積み重ねが欠かせません。また、当院の時間外や緊急時にも患者さんが他院でスムーズに診療を継続できるように、お薬手帳に診療経過や注意事項などを記載しておく工夫もしています。医師として当然の姿勢かもしれませんが、患者さんの安心のためにも、そうした小さな配慮の積み重ねを大切にしています。
消化器内科を専門とされる中で、特にどのような症状や疾患の患者さんが多く来院されますか?

当院では、胃内視鏡や大腸内視鏡を用いた検査を通じて、胃がん・大腸がんといった消化器系の疾患を早期に発見・対応することに力を入れています。特にスクリーニングや日帰りでのポリープ切除を希望される方が多く、可能な範囲で外来で完結する処置を行っています。胃内視鏡検査はピロリ菌がいた方には年1回、それ以外の大半の方には2年に1回程度、大腸内視鏡検査は便潜血で要精査となった方やポリープがあった方に対して、適切な頻度で受けていただくようご案内しています。内視鏡検査をより身近に受けられる環境を整えることで、健康寿命の増進につながると信じています。
消化器診療と全身管理を支える設備と工夫
胃・大腸内視鏡の検査時において、苦痛の軽減や不安の緩和など、工夫されている点を教えてください。

内視鏡検査に対して苦手意識を持たれる方は多いため、当院では苦痛を軽減できるような体制を整えています。胃内視鏡検査は経口・経鼻いずれにも対応しており、患者さんの希望や状態に応じて選択いただけます。過去に検査がつらかったという経験から当院を選ばれる方も少なくありません。必要に応じて鎮痛薬と鎮静剤を併用しますが、鎮静深度を工夫するなど、安全性にも十分配慮しています。検査の必要性は個々の状態によって異なるため、頻度や内容についても患者さんとしっかり話し合いながら、無理なく受けていただける方法を一緒に考えるようにしています。
そのほかにも多数検査機器を導入されていますね。
患者さんにとってより早く、より正確な診断につなげるために、必要と判断した検査機器を導入しています。例えば、血液検査では白血球数やCRPなどの炎症反応を即座に判定できる体制を整えています。また、腹部や頸動脈、甲状腺の状態を観察するためのエコーや、呼吸器・循環器疾患の診断に用いるホルター心電図、睡眠ポリグラフィ、エックス線診断装置を備え、内視鏡検査と併せて診断・治療までを一貫して行える体制です。CT検査が必要な場合には、近隣の医療機関と連携して速やかに検査を依頼するなど、外来で完結できることと、高度医療機関とのスムーズな連携、その両立をめざしています。
最近特にご相談が多い症状や、診療で大切にしていることはありますか?

季節によって症状の傾向は異なりますが、冬場は発熱や咳などの感染症が多く、年間を通じて下痢や腹痛、血便などの消化器症状もよく見られます。また、胸の痛みや頭痛といった症状で来られる方も少なくありません。一般内科では、軽症に見えても数日後に重大な疾患に発展することがあるため、「念のため」の目線で診るよう心がけています。必要性に応じて紹介先の病院名や緊急時の対応方法を書面にしてお渡しするなど、情報共有にも努めています。ストレスが関係しているような症状も多いため、検査だけでなく問診の中で背景にも目を向け、総合的に判断していくことを大切にしています。
スタッフ一人ひとりの幸せが、患者の幸せにつながる
スタッフの皆さんと、チームとして大切にしていることがあれば教えてください。

医療はチームで行うものですから、スタッフの働きやすい職場作りと福利厚生を大切にしています。各人の仕事に敬意を払い、良好な関係を築くことで、患者さんへの接遇にもつながると考えています。そのため、定期的な食事会や職員旅行などの機会を設け、スタッフとのコミュニケーションを深めています。また、院内でトラブルが起きないよう、理念や運営方針を共有しながら、日々の業務にあたっています。看護業務に関しても、師長を通じて指示が行き届くようにするなど、組織としてのバランスも重視しているんです。気持ち良く働ける環境があってこそ、患者さんにとっても安心できる医療が提供できると信じています。
今後のクリニックの展望や、挑戦していきたいことがあればお聞かせください。
今後は次の世代にクリニックを引き継げられるよう整えていきたいと考えています。現在はスタッフにも恵まれ、たくさんの患者さんにも来ていただいています。コロナ禍の時期はいろいろと大変でしたが、無事に乗りきって元気に仕事を続けられていることを感謝して、長年棚上げしていたホームページを完成させ、医療機器や設備を更新させたりと、より良い環境づくりに取り組んできました。これからも、地域の皆さんの健康を支える場として、このクリニックを守っていければと思っています。
最後に、地域の皆さんへのメッセージをお願いいたします。

これまでの経験を生かして、一般内科から内視鏡検査まで、幅広い診療に対応しています。地域のかかりつけ医として、患者さん一人ひとりの体調や生活に寄り添い、安心して通っていただけるクリニックでありたいと思っています。「どこに相談すればいいかわからない」というときにも、まずは当院を思い出していただけたらうれしいです。
自由診療費用の目安
自由診療とは胃内視鏡検査/1万7050円、大腸内視鏡検査/2万6620円