神賀 緑郎 院長の独自取材記事
大和東さくら歯科
(大和市/大和駅)
最終更新日:2022/06/28

2006年の開業以来、小児や成人の虫歯治療、歯周病治療、矯正歯科、口腔外科、インプラント治療など幅広く手がけてきた「大和東さくら歯科」。患者とのコミュニケーションを大切に日々の診療を行う同院では、気さくで朗らかな人柄の神賀緑郎(かみが・ろくろう)院長、明るく優しいスタッフ、そして患者の楽しそうな声がいつも飛び交っている。神賀院長は、日々の診療の中で患者の声に耳を傾け、必要な治療技術を身につけてきた。その経験をもとに、歯を削らない、抜かない、歯を残すための総合的な治療を実践し、将来を見据えた歯科治療を提案。新たな治療システムを取り入れ、診療レベルの向上に努める神賀院長に、患者への思い、最近相談が増えている矯正について、さらに将来の展望などたっぷりと話を聞いた。
(取材日2022年2月4日)
会話と笑顔のあふれる、通いたくなる歯科医院に
クリニックのコンセプトを教えてください。

当院は通いやすい歯科医院をめざしています。歯科治療は一度で終わるものではなく、ある程度の回数は通っていただくことになるので、通いやすい、通いたいと思えるクリニックでありたいと考えています。どんなに高い治療技術があっても、患者さんが通ってくれないと治療することはできないので、積極的に患者さんと会話をする時間を設け、手が空いているときは待っている患者さんに声かけをしたり、受けつけ時や帰り際もお話ししたりしています。
来院したくなる雰囲気づくりのために、スタッフと共有していることはありますか?
歯科医院に来るのが楽しみという人はなかなかいらっしゃいませんし、皆さん緊張されているので、待っている間は、これから行う治療のことをいったん忘れていただけるように、スタッフが積極的に声をかけ楽しくおしゃべりをして過ごしてもらえるように努めています。そうすることで、患者さんとスタッフの距離が縮まり、僕に声をかけづらい時はスタッフに治療のことを相談されているようです。その内容をもとにカウンセリングの時間をつくるなど、治療にも役立てています。
虫歯治療、歯周病治療、矯正など、幅広い治療に対応されていますね。

歯周外科もインプラント治療も矯正も対応できるので、トータルでお口の中が診られることが当院の強みです。以前は、虫歯を削って、詰めて終わり、それ以外は紹介するという診療をしていましたが、いろいろな分野の技術を習得することで、自分で治療できる範囲と、他院に紹介すべき範囲が明確になり、それを踏まえた上で治療方針を提案できるようになりました。そもそも矯正を始めたきっかけは患者さんからの要望があったからなんです。それまでは患者さんの口の中を見ても矯正が必要だと思ったことがなかったのに、矯正の勉強をしてからは、診る時の視点が変わり、「これは矯正したほうがいい」と思うことも増えました。僕は昔から、歯科に限らず新しいことにチャレンジするのが好きなんです。矯正だけではなく、インプラントも、光学印象システムも、何か新しいことをしたいなという思いで始め、今ではそれぞれ力を入れている分野となっています。
新しいシステムを導入し口腔内をデータ化して治療
新たな方法で、マウスピース型装置を用いた矯正を始められたそうですね。

はい。ここ最近、特に女性の患者さんでマウスピース型装置を用いた矯正をご希望される方が多くなっています。当院では、3Dスキャナーで口の中を撮影し、口腔内をデータ化してマウスピース型装置を作ります。カウンセリングではこの時のデータを画像に置き換えてモニターに映し、患者さんに治療の過程を説明できるのです。「2ヵ月後に歯を削る」などの治療計画もデータとして出るため、患者さんも治療の進め方や矯正後のイメージが沸きやすいようですね。このシステムが矯正をしようか迷っている方が決断するための一手になっていると思います。
従来のマウスピース型装置を用いた矯正との違いは何でしょうか?
これまでは、粘土のような素材の印象材を使って口腔内を型採りし、そこから石膏で歯型の模型を作り、マウスピース型装置を作製していました。新しい方法では、3Dスキャナーで撮影した口腔内のデータをもとに装置を作ることができるため、時間短縮が図れます。
患者さんへの負担に配慮した歯列矯正が可能なのですね。

マウスピース型装置は患者さんご自身で取り外しができるため、食事や歯磨きの際に便利です。ただ、ワイヤー矯正のほうが最終的な歯列の微調整はしやすいというメリットがあります。また、マウスピース型装置を用いた矯正の場合、飲み物は基本的に水だけ。ステインや糖分が装置に付着するからです。水以外のものを飲む場合は装置を外して飲み、しっかりとうがいをしてから再装着しなければなりません。このように、マウスピース型装置を用いた矯正の懸念点も患者さんにお伝えするようにしています。マウスピース型装置を用いた矯正の後に微調整のためにワイヤーで矯正することもありますので、そのことも伝えていますね。
光学印象システムも積極的に取り入れているそうですね。
光学印象システムのメリットは、虫歯の再発リスクを下げていくことです。削ったその日にセラミックの補綴物を入れてしまうことで、虫歯菌の感染を予防していきますし、デジタルデータなので、ほとんど隙間なく装着できます。当院で一度治療をしたら後はお掃除のために歯科衛生士とだけ会う、僕は登場しないというのが理想的なんです。僕が登場するイコール治療が必要だということですから。「僕とはあいさつだけで済むように歯ブラシ頑張ってくださいね」と常日頃から患者さんにもお伝えしています。もちろんそれだけでは限界があるので、歯を守るツールとして、インプラント、矯正、光学印象システムを上手に組み合わせていければと思っています。
歯を残すための方法を患者とともに考える
先生が歯科医師をめざしたきっかけは何ですか?

歯科医師になることは高校生の時に意識しました。将来独立できる仕事に就きたいと思っていたことと、中学生の時に歯科治療でかなり痛い思いをしたことがきっかけです(笑)。その経験があったので、「自分の歯をきちんとケアできる歯科医師になろう」と思いました。大学卒業後は、先輩の紹介で八王子のクリニックに勤務しました。口腔外科系の一般歯科で忙しかったのですが、たくさんの患者さんと接して多くの症例を診ることができ、とても勉強になりました。その後、さまざまな歯科医院で経験を積みたいという気持ちから、入れ歯や補綴治療が得意な相模原のクリニックやインプラント治療に力を入れている歯科医院で勤務しました。どの先生もインプラント治療の技術を持っており、院内に症例がたくさんあって勉強になりましたね。患者さん一人ひとりに時間をかけて診療できたことも良かったです。
先生ご自身が患者とのコミュニケーションで大切にしていることは?
よくお話しすることです。長いお付き合いの患者さんも多くて話に花が咲いてしまうこともあり、スタッフからストップがかかることもあるほどです(笑)。治療のことで話が長くなりそうなときは、じっくり話ができるように、カウンセリングだけのために予約を取ることもあります。そのほうが患者さんもきちんと考えて納得して治療を進められますから。焦って治療を進めてしまうと、後からああすれば良かったと後悔してしまう事態にもなりかねません。それは患者さんにとってもクリニックにとってももったいないことです。ですので、それぞれの補綴物の特徴や耐久性、治療の回数をはじめ、将来的に自分の歯を残すためにはどうするのがいいのかをご提案をするためにも、しっかりと時間をとってお話をするようにしています。
今後の展望についてお聞かせください。

今、当院に歯科医師は僕一人ですが、将来的には後進の歯科医師を育てていければと思っています。治療については、インプラント、光学印象システム、矯正と、必要性や頻度の高い治療はある程度カバーできていますが、今後もさらにその幅を広げていきたいです。現在力を入れている治療の技術をさらに上げていけるよう勉強していくつもりです。自分の歯を削らない、抜かないために、一回治療をしたらもう治療しなくても済むようにするにはどうすればいいか、そのことについても患者さんと一緒に考えていきたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正/77万円、ワイヤー矯正/55万円~、セラミッククラウン/6万6000円~、インプラント治療/38万5000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供を行っております。
カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)については、効果・効能に関して個人差があるため、 カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)を用いた治療を行う場合は、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。