従来の歯周外科処置の回避が望める
先進の機器を用いた歯周病治療
くすだ歯科医院
(久留米市/宮の陣駅)
最終更新日:2025/03/31
- 自由診療
成人の約8割が感染しているといわれている歯周病。初期は自覚症状がなく、気づかないうちに進行してしまうことからサイレントディジーズ(静かなる病気)とも呼ばれている。軽度から重度まで段階を問わず、歯周病治療に注力している「くすだ歯科医院」の楠田崇院長。これまで重度の歯周病治療では、歯茎を切開して歯石や感染組織を取り除くための外科処置を行っていたが、先進的な歯周病治療器の導入により外科処置をせずに治療を行うため、患者の負担を軽減できるようになったそうだ。手術のリスクを回避できる上に、従来の歯周外科処置と同様の手応えを感じているという歯周病治療と、そのフローについて解説してもらった。
(取材日2025年2月27日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q歯周病と噛み合わせの関係性について教えてください。
-
A
歯周病と噛み合わせの関係性をご存じの方は少ないかもしれませんね。不正な噛み合わせや食いしばりは歯に大きなダメージを与え、歯周病の進行を早めるという深い関係性があります。歯周病は細菌によって歯を支える顎の骨が溶けてしまう病気です。そこに不正な噛み合わせや食いしばりで過度な力が加わると、歯を支える組織が損傷する「咬合性外傷」を引き起こす可能性が高まります。また、特定の部位に強い力が加わると歯肉が圧迫され炎症が起こりやすくなり、長期間続くと歯を支える歯槽骨が吸収されて骨を失うリスクが高まります。そのため、歯周病と噛み合わせの治療を並行して行うことが重要。全体のバランスを整えることが大切です。
- Q先進の歯周病治療器を導入されたそうですね。
-
A
歯周病菌を引き起こす歯と歯茎の間の歯周ポケットに蓄積したデンタルプラークの内部の細菌を殺菌・除去するための機器です。歯周病菌は深い箇所を好む菌ですので、当院ではリスクが高まる歯周ポケットが5mmを超えた際に、この機器を用いた治療を実施します。重度の歯周病になると、以前は歯肉を切開して行う外科的な処置や抜歯が必要でした。しかし、この機器を用いた治療では過酸化水素を噴出するのと同時に青色可視光を照射することで、歯周ポケットの深部に付着するデンタルプラーク内の細菌も、迅速かつ効率的に殺菌・除去を図ることから、外科処置をせずとも改善が見込めます。患者さんの精神的なご負担軽減にもつながっています。
- Qそもそも歯周病にならないためにはどうしたら良いのでしょう?
-
A
やはり、日頃のブラッシングが重要です。それも正しいブラッシング。歯周病菌をゼロにするのは不可能ですが、いかに低い数値を維持することができるか。これが最大の予防ですね。セルフケアがしっかりできているか否かで、将来の口腔環境が決まるといって良いでしょう。もちろん、ご自身ではどうしても除ききれない汚れなどもありますので、そこは歯科医院でプロによる定期的なメンテナンスを受けられてください。これを習慣化されれば、いくつになってもご自身の歯で好きなものを食べることが望め、健康寿命延伸もめざせます。日頃のケアに歯間ブラシやフロスなどを併用されると、さらにより良いケアができるでしょう。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1歯周病検査
-
まず、歯周ポケットの深さを確認。その後、エックス線、口腔内写真による診査を実施する。歯周病に限らず、口腔内全体の状況を把握するために、くまなくチェックすることを基本とし、虫歯の有無についても確認。ブラッシングなど、日頃の口腔ケアについてもヒアリング。ブラッシングする際に気になることがあれば、遠慮なく相談してほしいとのこと。最後に口腔内がどのような状態であるか説明を受ける。
- 2必要に応じて噛み合わせの検査を実施
-
不具合を起こしている歯が1本だけであれば、上下の歯を軽く削るなど調整し、負担軽減を試みるが、全体的な調整が必要な場合は咬合診断システムを用いた検査を実施。ずれの度合いを詳しく調べ、不具合を正すためのマウスピースを用いた治療について説明を受ける。不正な噛み合わせや食いしばりによる過剰にかかる力が原因で歯周病の進行を加速しているケースも多いため、噛み合わせ治療は歯周病治療と並行して行う。
- 3歯周病治療&噛み合わせ治療
-
歯周病に関しては程度に関わらず、まずは大元の原因である歯垢や歯石を取り除くための「歯周基本治療」を実施。これは、セルフケアと歯科医院で行うプロフェッショナルケアをセットで行い、症状の改善を図るもの。担当の歯科衛生士から適切なブラッシング指導、歯石除去などの歯面清掃を受ける。また、噛み合わせへの対応も必要な場合は、歯周病治療と同時に実施。専用のマウスピース型装置を用いて噛み合わせのずれの補正を図る。
- 4基本治療終了後再評価
-
基本治療後、歯周ポケットの深さが2mmから3mm程度の浅い状態の維持が図れていれば、適切なブラッシングの継続と定期的なメンテナンスに移行。改善が見られず、歯周ポケットが5mm以上の場合、従来は歯茎を切開して開き、歯根の先まで目に見える状態で細菌や歯石など歯周病の原因となる汚れを徹底的に除去する歯周外科処置を実施していたが、先進機器の導入により切開や縫合を伴う外科処置は不要に。
- 5先進の歯周病治療器を用いた治療
-
歯周基本治療を行っても改善が見られず、歯周ポケットが5mm以上の場合、先進の歯周病治療器を用いた治療へ移行。外科処置ではなく、過酸化水素水に青色の光を当てることで、歯周病を引き起こす細菌にアプローチしていくため痛みなど患者の負担が少なく、超音波振動により歯石やプラークをしっかりと除去することが望める。一方、噛み合わせは数週間で改善するものではないため、数ヵ月から年単位で適切な状態に補正をめざす。
自由診療費用の目安
自由診療とは先進の歯周病治療器による治療/1万1000円(1歯あたり1回)、咬合診断システムによる検査・治療/11万円~

