長谷 和彦 院長の独自取材記事
KAZUデンタルクリニック
(鎌倉市/西鎌倉駅)
最終更新日:2024/01/25

湘南モノレール西鎌倉駅から徒歩1分の場所にある「KAZUデンタルクリニック」。ガラス張りの待合室は明るく、白と黄色を基調とした温かみのある内装が、診療前の緊張をほぐしてくれそうだ。長谷和彦院長は、神奈川県内の複数の歯科医院に勤務し臨床に携わり研鑽を積んだ後、2007年に開業した。「できるだけ削らない」を治療コンセプトに掲げる長谷院長は、先端の設備を整え、患者が納得するような高度な歯科医療の提供に努めている。また、患者とじっくりコミュニケーションをとることを大切にする長谷院長をはじめ、歯科衛生士や受付のスタッフ全員が患者を温かい言葉で出迎えてくれるため、同院には気軽に何でも相談しやすい空気感が流れている。今回は長谷院長に、同院の特徴や今後の展望について話を聞いた。
(取材日2023年7月20日/情報更新日2023年11月1日)
診療方針は、できるだけ歯を削らないこと
開業されてから16年、どのような患者さんが多くいらっしゃいますか?

当院の患者さんの層は幅広いです。周辺に住むご年配の方はもちろん、海が近いのでサーファー風の若者や、隣に学習塾があるのでお子さんも多いです。ある意味バランスが取れているといえるかもしれません。ですが、開業当初に比べると、当院の診療方針がある程度固まってきたこともあり、そういった方針に応じてくださる患者さんが増えてきたように思います。私の診療方針は、「できるだけ歯を削らない治療を行い、生涯を通して患者さんの天然歯を残したい」ということ。現在はそれに基づいたアプローチに力を入れています。
そこにこだわる理由をお聞かせください。
私は、1992年に日本大学歯学部を卒業。その後、神奈川県内の歯科医院で勤務医として経験を積み、2007年に当院を開業しました。勤務医時代には「削る治療」がメインの歯科医院で働いていたこともありますが、その反動が現在のこだわりにつながっています。歯を削って削って最後はインプラントという西洋歯科医学に対して、私は納得できなかったのだと思います。私自身も歯は削られたくないので、患者さんも同じ気持ちではないかと思いました。自分の歯科医院を開業したら、そこにこだわりを持った歯科医療を提供したいと考えていました。
診療方針について、詳しく教えてください。

歯を削って詰め物を詰めたにもかかわらず、そこにまた虫歯が再発したという経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。それは、歯と詰め物の境に虫歯ができやすくなるからなのですが、それを繰り返すことで神経を抜くことになり、最終的には抜歯に至るケースもあります。このような抜歯は、多くの場合最初に多く歯を削ったことに端を発しています。患者さんには、ご自身の歯を生涯通して長く使ってもらいたい。だからこそ、私はできるだけ歯を削りません。また、入れ歯の場合は、使用中に痛みを感じたり、他の天然歯を弱める原因になる場合もあることから、患者さんのQOLは高くないと考えています。やはり、天然歯がそろっているのが理想的な姿。それを実現するために、日々精進しています。
レーザー歯科治療など、先進技術の研鑽を積んでいる
こちらではレーザーを用いた歯科治療も行っているそうですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。

当院では、さまざまな症状に対してレーザー治療を行っています。最大のメリットは人工歯を入れずになるべくご自身の歯を残すことにつながる、という点です。レーザー治療では体や組織へのダメージの大幅な低減をめざすことができ、それは歯の保存にもつながります。人工歯をはじめとする形のあるものには、寿命があります。いつか壊れ、作り直すことに。その意味からも、なるべくご自身の歯を残す方法を提案したいと思っています。また、レーザーは治療時の出血や痛みを抑えることにも有用なため、麻酔なしでの治療も可能になります。技術の進歩が著しい昨今、レーザーなどの先端技術を使いこなすための研鑽を積み、患者さんに還元していきたいと考えています。
そもそも歯科治療を必要としないのが理想的な姿、そのための3つのポイントがあると伺いました。
1つ目は、噛みしめ癖に関連した「噛む力のコントロール」をすること。2つ目は、「細菌のコントロール」を行うことです。噛む力をコントロールできずに噛みしめてしまうと、結果として歯にヒビが入ってしまいます。しかし、この時もし口腔内に悪い細菌がなければ、虫歯になる可能性は低くなるのです。逆に、口腔内に悪い細菌がある場合でも、噛む力が正常にコントロールされていて歯にヒビが入らなければ、虫歯になる可能性が低いといえます。最後は、「食生活」です。特に、糖分の摂取量に気をつかってほしいと考えています。虫歯や歯周病も、戦後に砂糖の摂取量が増加してから急激に増えたといわれているので、今後は治療にとどまることなく、食事指導にも力を入れていきたいです。
院内の環境づくりにもこだわりが詰まっているそうですね。

治療や機器の洗浄など、院内で使用する水を除菌するシステムを取り入れています。また、洗口水には、口腔内の細菌を分解洗浄する水を使用しています。大人の患者さんには、来院したら治療前に必ず歯を磨いていただくことをお願いし、患者さん同士はもちろん、スタッフにも菌が感染することを防いでいます。歯周病は細菌によって感染しますので、院内の感染症対策にも気を使っているんです。初診の患者さんの検査にも力を入れているため、噛む力を測定する筋電計や唾液による細菌検査や歯周病菌のPCR検査ができるような設備も備えています。
「できるだけ削らない歯科医院」としての認知と啓発
歯科医師としてのモットーについて教えてください。

当院では、「患者さんがハッピーになって帰れる治療をめざす」を基本姿勢としています。これは開業から16年間変わっていません。一般的に歯は、削れば削るほどヒビが入りやすくなります。状態が悪化して歯の寿命が途絶え、神経を抜くことになれば痛みを感じることができなくなります。そうなると異常を感じることができなくなり、歯自体も死んでしまう、という負のループに陥ってしまうのです。そうならないために大切にしているのは、できるだけ痛みの少ない治療を心がけること、そして患者さん自身の歯が長持ちするように、歯をできるだけ削らない方法を模索することです。
公私で、心がけていることがあればお聞かせください。
歯科医師としては、常に新しい情報を入手し続け、なるべく削らず、神経を取らず、患者さんがご自身の歯を残し続けられるような治療を実現していきたいですね。プライベートでは、朝日やたそがれ、海の風景を撮影するのが楽しみの一つです。撮影した写真を仲間内のSNSにアップしているので、ご覧になった方とハッピーな気分を共有できたらいいなと思っています。時々、写真撮影の目的で朝から外出するのですが、朝日を浴びることは体内時計を整えるのに役立つとか、日の光を見るとセロトニンの分泌が促進されて幸福感が得られるともいわれているので、健康のためにも良さそうです。
最後に今後の展望をお願いします。

お伝えしてきたとおり、「天然歯を残す治療」への強いこだわりがあり、それを実現するための方法として「できるだけ削らない」ことに注力していきたいと思っています。このスローガンをうたうことで、常に技術研鑽に励み、高度な技術を追い続けるプレッシャーはあります。でも、患者さんに最期の一日までご自身の歯で過ごしていただきたい、という思いでこれからも頑張っていきたいと思っています。今後も引き続き、患者さんのストレスを少しでも軽減して差し上げられるような歯科医療の提供に努め、地域の皆さまに貢献できる歯科診療をめざしていきたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正/55万円~、ハイブリッドインレー/3万8500円~