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山口 邦彦 院長の独自取材記事

山口クリニック

(藤沢市/長後駅)

最終更新日:2023/10/24

山口邦彦院長 山口クリニック main

小田急江ノ島線長後駅より徒歩10分、緑豊かな住宅街の中にある「山口クリニック」。山口邦彦院長は「病気でもけがでも気軽に相談できる地域のかかりつけクリニックでありたい」というのがモットー。そのため、内科・消化器内科・外科・肛門外科と幅広く標榜し、生活習慣病の予防と治療にも注力している。山口院長は真向かいの藤沢湘南台病院で外来も受け持ち、密に連携しているので、いざという時にも安心だ。患者との信頼関係の構築にも注力し、2008年の開院以来、利用者のクチコミで来院する人が多いというのも特徴の一つといえる。患者の話にじっくりと耳を傾け「一人ひとりのライフスタイルに合う治療を提案したい」という山口院長に診療にかける想いなどを聞いた。

(取材日2022年11月17日)

めざすのは地域医療に貢献する医師。訪問診療も実施

まず、先生が医師を志したきっかけを教えてください。

山口邦彦院長 山口クリニック1

祖父、父も医師という医師家系に育ち、中でも父の「町のかかりつけ医」として地域医療に貢献する姿に憧れていました。どんな時でも慌てず診察し、患者さんに安心を与えているのが印象的でしたね。ですから、大学入学当初から内科でも外科でもなく総合的に診療できる医師が目標でしたが、当時の日本の大学では、そういった医師を育成しようという考えは一般的ではなかったんです。そこで、大学卒業後はできるだけ多くの科で経験を積もうと、まず外科に入局して外傷の治療や内科との連携などを一通り経験。その後、救急救命、内科なども経て、さまざまな症状に対応しなくてはいけないかかりつけ医としての下地をつくり、2008年に開業することができました。

開業から間もなく15年。現在の利用者はどのような方が多いのでしょうか。

ほとんどの患者さんが、かかりつけとして通ってくださっています。気になる症状はあるものの「どの科にかかったらいいのかわからない。まずは先生に診てもらいたい」と、プライマリケアクリニックとして活用している方が多いですね。そもそも「病気やけがの窓口」として患者さんが最初にかかるクリニックをめざして開業したので、願いがかなったともいえるでしょう。めまいは耳鼻科、けがは整形外科、血尿が出たら泌尿器科とすぐに回してしまうのではなく、軽症の場合はできるだけこちらで治療にあたります。そういうことができるのがかかりつけ医だと思うんです。もちろん、専門治療が必要な時は病院への紹介も行っています。特に当院の向かいにある藤沢湘南台病院では僕が外来診療も担当しているので、連携体制が整っています。藤沢湘南台病院で精密検査を受けていただき、治療は当院というパターンもありますよ。

訪問診療もなさっていると伺いました。

山口邦彦院長 山口クリニック2

長年通ってくださっているご高齢の患者さんの中には、通院が難しくなってしまう人も少なくありません。だからといって、訪問診療専門のクリニックを紹介しておしまいにはしたくない。来られなくなったら、行けばいいと考えたんです。もし自分が患者だったら違う医師を紹介されるよりも変わらずに診てもらえたほうがうれしいですしね。お近くの方ばかりなので、昼休みを訪問診療の時間にあてるなどしています。もちろん、訪問診療専門のクリニックを希望する方もいらっしゃるので、そのような場合は紹介も行っています。患者さんによってさまざまな望みがありますから、できるだけその人の生き方に合わせた治療をしていきたいです。

生活習慣病予防のための検査を実施、治療に注力

どのような診療に力を入れていますか。

山口邦彦院長 山口クリニック3

健康寿命を伸ばすために生活習慣病の改善と予防、検査に注力しています。高血圧症、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病は動脈硬化やがんなどの重篤な病気につながるので、悪化する前に受診して欲しいです。改善と予防には食事、運動、ライフスタイルの見直し、投薬治療などを行います。ただ、検査結果が同じ数値の患者さんでも提案する治療メニューは同じではありません。食事療法を例に挙げると、スポーツが趣味の人とインドア派の人では生活習慣も基礎代謝量も違うので、違う食事内容を考える必要があります。僕自身、体に良いおいしいものを食べるのが息抜きです。医食同源ともいいますし、我慢するだけの食事ではいけないと思うんです。タバコは生活習慣病のリスクを高める因子であるだけでなく、死亡原因の第一位だという報告もありますので、当院でも禁煙治療も行っていますが「最後までタバコを吸いたい」というならば説得はしますが無理強いはしません。

検査には先進の機器を導入していると伺いました。

生活習慣病や発がんは老化によって起きるものですが、早期に介入できれば進行抑制や早期発見による治療が期待できます。それには血液検査だけではなく、頸部エコー、内視鏡などによる検査が欠かせません。技術は日進月歩なので当院ではできるだけ先進の機器を導入するようにしていますので、それが腫瘍の早期発見などにも役立っています。また、検査はできるだけ同じ医療期間で定期的に受けるのがお勧めです。1回だけの検査では前回との比較もできないため、本来ならば必要な対応が抜け落ちてしまうリスクがあるからです。

各種検診の重要性を啓発する活動もなさっているそうですね。

山口邦彦院長 山口クリニック4

藤沢市が市民に配布する特定健診、がん検診に関するリーフレットの監修などにも携わっています。医師は病気を治すだけではなく、公衆衛生を向上させるのも重要な仕事です。市民の健康状態向上のための施策にこれからも協力していきたいと思っています。

患者の考えやライフスタイルを重視した治療法を提供

新型コロナウイルス感染症の対策としてはどのようなことをしていきたいですか。

山口邦彦院長 山口クリニック5

感染症対策で重要なのは空気の流れをつくることです。空気清浄機も入れていますが、大事なのは空気の動線。窓を開けて古い空気を外に出し、新しい外気を取り入れ、こまめに換気するようにしています。また、完全予約制にして、発熱されている患者さんの診察時間は別枠にしているので、待合室で一緒になってしまう心配もありません。以前は2〜3時間お待ちいただくこともありましたが、完全予約制にしてから待ち時間を大幅に削減できました。予約は電話で受けつけています。

これからの診療で大切にしていきたいことは何ですか。

今までもこれからも、患者さんのお話をじっくりと伺い、何を望まれているのかくみ取ることを大切にしていきたいと思います。患者さんはお一人お一人、異なる事情やお考えがありますが、最初から全部お聞かせくださるわけではありません。通院しているうちに少しずつ話してくれるようになり「この人にはこのやり方が良さそうだ」と、方針も固まってきます。予測が外れる時も当然あります。でも、引き出しは一つではありません。いくつか提案をしながら、患者さんが受け入れてくれそうな方法を探っていきたいと思っています。同じ病気でも同じ治療が最善というわけではありません。いつでも、自分が受けたい、家族に受けさせたいと自信を持って言える治療を提供したいです。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

山口邦彦院長 山口クリニック6

当院はそれぞれの患者さんをしっかりと診ます。そのため、診察時間が長いと感じる人もいると思いますが、それでも「ここに来て良かった」と、安心して笑顔でお帰りいただけるような医療を提供していきたい。どんな些細なことでも相談しやすいクリニックとして、一人でも多くの地域の皆さんのお役に立ちたいと思っています。僕のやり方が「そんな詳しい説明はいらない」と、合わない人もいるでしょう。でも、そんな人でも合う医師は必ずいます。自分が信用できる医師を探すのが大事です。藤沢市のどこでも誰でも適切な医療を受けられるよう、地域医療の底上げのための活動もしていければと思っています。

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