太田 博見 理事長の独自取材記事
太田歯科医院
(鹿児島市/鴨池駅)
最終更新日:2026/04/13
鹿児島市電2系統の郡元駅から徒歩3分、鴨池エリアの角地にある「太田歯科医院」。太田博見理事長は鹿児島大学卒業後、幅広い分野で研鑽を積み約30年前に開業した。治療の高度化に伴い専門の歯科医師を迎え入れ、現在は9人の歯科医師と7人のベテラン歯科衛生士が中心となってチーム医療を実践。来院者のうち半数以上がメンテナンス目的で通う実績は、予防を軸にした同院への信頼の証だろう。20年前からは訪問歯科診療にも取り組み、総勢40人から成る訪問診療チームが通院困難な方のもとへ出向く。「歯科医院を『怖い場所』ではなく、『もっと自分を好きになるために通う場所』に変えていきたいです」と穏やかに語る太田理事長に、その思いと診療の全貌を聞いた。
(取材日2026年3月6日)
医師の父に憧れ、チームで描く「口腔内の設計図」
先生が歯科医師の道を選ばれたきっかけを教えてください。

父は医師で、病院の副院長を務めた後に自ら診療所を開き、地域で在宅医療にも取り組んでいました。悩みを抱えた患者さんが診療所を訪れ、安心した表情で帰っていく。その姿を幼いながらに見ていたことが、医療の道に憧れた原点です。父は私が小学6年生の時に亡くなったのですが、あの頃に目に焼きついた光景が、今も私の根っこにあります。歯科を選んだのは、小さい頃から工作が好きで、自分の手で治療することが患者さんのためになる歯科という分野に魅力を感じたからです。鹿児島大学を卒業した後、市内の歯科医院でインプラント治療や審美歯科、矯正など一通りの経験を積み、開業に至りました。
この地域は、先生にとっても親しみ深い地域だと聞いています。
鹿児島市は平地が少なく、市電が走っている沿線が昔からの住宅地となっています。クリニックがある鴨池も、東京でいえば文京区のような落ち着いた雰囲気の場所です。約30年前、ちょうど開業した頃に県庁が近くに移転してきたこともあり、交通の便が良く暮らしやすい地域だと感じています。私自身は以前、通勤で電車を使ってこの辺りを通っていたのですが、街を歩く方々が暮らしや健康をとても大切にされているのが伝わってきて、ここで開業したいと思いました。開業した当初は一戸建てにお住まいの方が多かったのですが、徐々にマンションが増え、最近では分譲も賃貸も含めて若い世代の方が増えてきた印象です。古くからの住民の方と新しく越してこられた方が共存する、のどかでありながら活気もある住みやすい地域だと感じています。
日々の診療はどのような体制で行っていますか?

私の得意分野は、全体を俯瞰して、お一人お一人に合った「お口の設計図」を描くことです。開業当初はすべての治療を一人で行っていました。しかし歯科の治療はどんどん高度化していきますので、一人で全分野を極め続けるのは難しいと感じるようになりました。それならば歯科医師を増やして役割分担するほうが患者さんのためになるのではないかと考え、少しずつチーム体制を築いてきたんです。治療が複数の分野にまたがる場合は、歯科医師間で共有ファイルに情報をまとめ、それぞれの専門の視点からコメントを出し合いながら治療計画を組み立てます。現在は専門分野を持つ9人の歯科医師と、経験豊富な7人の歯科衛生士が中心となり、チームで診療にあたっています。
「治す」から「守る」へ。一生涯寄り添うケア
患者さんと向き合う上で、大切にされていることを教えてください。

私自身も治療を受ける側になった経験がありますが、やはり緊張しました。その時に「技術はもちろんだけど、まずは不安な気持ちを安心させてほしい」と切実に感じたんですね。ですから当院では、初診でいきなり歯科医師が登場するのではなく、まずトリートメントコーディネーターというスタッフがお話を伺います。そこで信頼関係を築いた上で、担当の歯科医師が関わっていくスタイルです。歯科医師は複数在籍していますが、必ず担当医がつきますので、前回までの状態をきちんと引き継いで診療を進めます。治療の選択に関しても、いきなり「どうしますか?」とお聞きするのではなく、検査結果をもとに今の状態と将来の見通しを丁寧にお伝えした上で、患者さんご自身の価値観に合った方法を一緒に考えていきます。
メンテナンスも大事にされていると伺いました。
虫歯と歯周病はどちらも生活習慣と深くつながった慢性的な病気です。問題が出る度に治療しておしまいというやり方では、徐々に進行してしまいます。風邪と違い、歯は一度痛みが出た段階で、もう元どおりには戻せませんが、初期の虫歯であれば、削らずにケアしていくことも可能です。だからこそ早い段階で検査で見つけ、それ以上進まないようにすることが大切。治療後は、その方に合った間隔で定期的にメンテナンスに通っていただくことをご提案しています。長年続けてきた結果、来院される患者さんのうち半数以上の方がメンテナンスを目的に通ってくださるようになりました。この段階では歯科衛生士が主役で、当院のベテラン歯科衛生士がお一人お一人の専属パートナーとして寄り添っています。
訪問歯科診療にも力を入れているそうですね。

20年ほど前から訪問歯科診療に取り組んでいます。高齢化が進む中で通院が難しい方は増えていますので、私たちのほうから出向いて診療をお届けする体制を整えてきました。現在は総勢40人の訪問診療チームが、患者さんのもとへ伺っています。ご自宅だけでなく病院や施設にも出向き、寝たきりの方には虫歯や歯周病の治療に加えて、ご本人やご家族だけでは行き届きにくい口腔ケアもお手伝いしています。飲み込みに関する障害の診断やリハビリテーションにも対応しており、外来とは異なる専門の知識と技術を持った歯科医師や歯科衛生士が担当します。クリニックに通えなくなっても、それまで診させていただいたお口の状態を維持できるよう、生涯お守りする。「人生の最後までお付き合いできること」が当院の大きな特徴です。
歯科医院を「自分を好きになれる場所」に
スタッフの皆さんについてお聞かせください。

当院では約70人のスタッフが働いてくれています。診療の仕組みがどれほど整っていても、そこで働く人を支える環境が充実していなければ、心に余裕を持って患者さんに向き合うことはできません。そこで、一人ひとりのキャリアプランを一緒に考える体制をつくったり、将来を安心して迎えられるよう企業型年金を整えたりといった取り組みを進めています。うれしいことに、「今度は自分が仲間を支えたい」とキャリアコンサルタントの資格を取得した歯科衛生士も出てきました。こうした前向きな循環が、診療の質にもつながっていると感じます。私自身も、休日には美術館で美しいものにふれたり、鹿児島の自然の中を巡ったりして感覚をリフレッシュし、スタッフや患者さんに向き合うエネルギーにしています。
今後、実現していきたいことを教えてください。
歯科医院を「怖い場所」ではなく、「もっと自分を好きになるために通う場所」に変えていきたい。それが私の一番の願いです。実際に、定期的に通ってくださっている患者さんの中には、通うこと自体を楽しんでくださったり、健康で美しい状態を保つことに価値を見いだしてくださったりしている方がたくさんいらっしゃいます。こうした予防的なケアは、日本では基本的に保険診療の中で受けられる環境がありますので、もっと多くの方にその仕組みを知っていただきたいと思っています。お口のことで困り事が起こらない生活を当たり前に感じられる方を増やしていくこと。そして健康で美しいお口が毎日の活力になるような前向きなサイクルを、この地域から広げていければうれしいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

歯並びや噛み合わせ、口臭などお口の悩みは、誰にも言えずに一人で抱え込んでしまうことが多いものです。些細なことであっても構いませんので、何かのきっかけがあった時に、まずはあなたのお話を聞かせてください。当院ではお気持ちをじっくり伺うところから始めますので、肩の力を抜いてそのままの思いをお聞かせいただけたらと思います。お口の状態やご希望に沿った方法を、それぞれの専門分野を持つ歯科医師やベテランの歯科衛生士がチームとなって一緒に考えていきます。健康で美しいお口が維持できれば、日々の笑顔や自信につながっていくもの。どうか、お一人で悩まないでください。あなたの毎日を笑顔にするために、頼れる専門チームが全力でサポートいたします。
自由診療費用の目安
自由診療とは大人の矯正歯科治療/マルチブラケット装置(歯の表側の装置)71万5000円~、※治療開始前に検査料・診断料も必要となります。インプラント治療/44万円~、セラミックのかぶせ物/6万6000~16万5000円、オフィスホワイトニング/1万5400円

